俺をお前らの青春に勝手に巻き込むな！

ベスト・キッド(地下大会編①)

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　深夜0時、東京の地下バスケット場にてカンフーバスケ日本大会が始まろうとしていた。

　そもそも、カンフーバスケの発祥は、アメリカ留学中の中国人達がバスケットのゲームで負けた時に苦し紛れに『カンフーなら勝てる(冗談)！』と言ってしまったことから始まったと言われている。

　第1試合  ダグラスチーム  対  小島(こじま)チームの試合を開始します。

　アメリカ人留学生チーム、ダグラス(22歳)、ガルシア(24歳)、マイケル(24歳)のフットボールで鍛えたマッチョな3人組です。

　日本出身の社会人チーム、小島(28歳)、向井(むかい・26歳)、田中(たなか・29歳)のアマチュアバスケット選手の3人組です。

　開始早々、バスケットボールを脇に抱えてて、身長186㎝体重90㎏のダグラスがルールを無視して小島に『ドォカァ‼︎』と強烈なタックルを喰らわせました。そして、そのまま小島を抱えてゴールポストの金属の支柱に『ガァ～～～ン‼︎』と激しくぶつけました。

　審判「意図的な反則攻撃です(怒り)‼︎この試合から退場してください(レッドカード)‼︎」とルールを守らないダグラスを、一発退場にしました。

　ダグラスは仲間と『パァン(喜び)‼︎』とハイタッチして、コートを出て行きました。

　向井「あいつ(激怒)！ワザとやりやがったな。田中～、気をつけろよ(反則に)！」とガルシアとマイケルの動きを注意して見ています。

　田中は審判からボールを受け取ると、得意のドリブルでゴールまで一直線に進んで行きます。けれども、ガルシアとマイケルはニヤニヤと笑うだけで、守る素振りも見せません。

　田中はそのまま進んで『パァシュー！』とゴールを決めると、2点先取しました。

　ガルシアはボールを『トン  トン  トン』と普通に上手くドリブルしながら、ゴールにゆっくりと近づいて行きます。向井は仕方なくゴールを守る為にガルシアの前に立ってディフェンスします。

　ガルシアは『トン トン トン』と少しだけ速度を上げて、真面目にバスケをやろうと見せます。向井はボールを奪う為に考えなしに普通に接近してしまいました。

　ガルシアは『ピョン(高く)！』とジャンプしてシュートを撃とうとします。向井も『ピョン(高く)！』とジャンプしてシュートを防ごうとしましたが、ガルシアの手元にはボールはありません(パス済み)！

　向井は着地した瞬間に左胸に『ドォバァキ‼︎』と強い衝撃と肋骨の折れる音が聞こえると、そのまま意識を失いました。

　マイケルはガルシアとハイタッチしてから、残った田中に向かって「アメリカンタックル～(自慢)‼︎」とボディビルダーのポーズをとって、白い歯と筋肉を見せつけました。

　残った田中もなんとか、2人の仇を取ろうと奮闘しようとしましたが、やはり反則タックルを喰らってしまって、今度も抱えられたままコンクリートの壁に『ドォフフゥ‼︎』と激しくぶつけられると、フラフラと立ち上がって歩き出しましたが、力尽きて倒れてしまいました。

　審判「小島チーム、試合続行が出来ないようなので、ダグラスチームが2回戦進出します！」とギャラリーに宣言しました。

　ギャラリーからは、ブーイングと賞賛の２つの声が聞こえて来ます。無傷で2回戦に進出したダグラスチームはギャラリーに手を振って、コートを出て行きました。