【R18】十二年の孤独な両片思い――解けない愛の無理関数

夜子

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番外章:モジュレーション:零れ落ちた七楽章

​第四楽章:葬送曲(エレジー):一目惚れの終焉、翡翠色の残骸

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​春のそよ風が、わずかに開いた窓から忍び込み、カーテンを静かに揺らす。真翠は、あの頃の夢の中で目を覚ました。夢の中の少年は、どこまでも脆(もろ)くて、清潔だった。横断歩道で立ち尽くす彼女の袖口をそっと引き、「赤だよ」と囁いてくれたあの指先。
……あの日と同じ人のはずなのに、今の彼は。
​枕元のスマートフォンを手に取ると、昨夜の深夜に届いたLINEの通知が、暗い部屋の中で冷たく光った。
煌人の帰宅は連日遅くなっていた。昨夜、彼は帰宅途中にふと思い立って、二十四時間営業のドラッグストアに立ち寄ったのだ。ふと目に留まった翡翠(ひすい)色のパッケージ。彼はそれを手に取り、何の躊躇もなく購入してしまった。
帰宅し、静まり返った部屋で一つだけ開封してみる。指先に乗せたそれは、驚くほど鮮やかで、透き通った翡翠色をしていた。煌人はその色を眺めながら、満足げに口角を上げる。そして、無造作に放り出された中身の写真を撮り、真翠に送ってやった。
​『綺麗な翡翠色。君にぴったりだと思って、つい買ってしまった。……次はこれ、使わせてね。おやすみ、可愛いミドリちゃん。』
​送信時間は午前二時。朝の光の中でそれを見つめる真翠の指は、わずかに震えていた。メッセージは「既読」になったまま、返される言葉を見つけられず、彼女の心の中で行き場を失っている。
​真翠は、ただ呆然とスマートフォンの画面を眺めていた。今、どうしようもなく煌人に会いたい。悪ふざけのようなLINEの通知越しではなく、体温の通った彼に触れて、確かめたかった。今の自分は、あの頃――どんな時も眩い光の中にいたあの少年に、勇気を振り絞って話しかけたあの日の自分と、まだ地続きでいられているのだろうか。
​始業とともに、真翠は吸い寄せられるように上の階の営業部へと向かった。用事を作っては下の技術部まで彼女を訪ねてくる煌人と違い、真翠が自分から営業部のフロアに足を踏み入れることは滅多にない。
真翠はフロアを軽く見渡したが、案の定、彼のデスクにその姿はなかった。誰とも目を合わせないよう、彼女は逃げるように静かに技術部へと戻った。
​昼休みになり、周囲から人の気配が消えるのを待って、彼女は煌人にメッセージを送ってあげた。
『今日は、帰ってくる?』
……数分が経った。「既読」がついた。けれど、返信は来ない。真翠は冷たくなった画面を見つめたまま、自分を納得させるようにそっと息を吐いた。
(……今日も、煌人くんは忙しいんだ。そうだよね、仕方ないよね)
​一方、煌人は大学の学長であり、取引先の代表でもある九条遥と、九条グループ傘下の高級ホテルのビュッフェレストランにいた。
画面を開くと、真翠からの「今日は帰ってくる?」というメッセージ。その一言に、彼の心は一気に華やいでしまった。返信を打とうとした時、料理を手にした九条が席に戻ってくる。
「随分と嬉しそうだな、煌人。……彼女か?」
九条の前で真翠を認めれば、必ず紹介する流れになるだろう。九条は、真翠がかつて語った理想のタイプそのもののような男だ。今の自分には、勝ち目がない。煌人は込み上げる笑いを強引に押し殺し、平静を装った。
「先輩、勘弁してくださいよ……僕は、フリーですよ」
「ほう。大学時代から人気者のお前が、浮いた話ひとつないとはな」
「あはは、他の女性にはあまり興味がなくて」
「ふうん……」
九条は目を細め、値踏みするように煌人を一瞥した。
​駐車場へ向かうと、煌人は礼儀として、九条を自分の車へと促してあげた。
「この車……お前のイメージとは少し違うな」
「ええ、選ぶ時は適当だったんです。省エネですし、あまり気にしていませんよ」
「ふっ……少し派手な色だが、私の車は紫だからな。理解はできる」
煌人が後部座席のドアを開けようとした瞬間、九条はすでに助手席のドアノブに手をかけていた。
「どうした? 不都合でもあるのか」
「九条先輩、まさか。どうぞ」
煌人は如才なくドアを開けてやり、自らも運転席に乗り込んだ。
​九条が、真翠に最適化されていたシートの角度を無造作に変えていく。その光景に、煌人の胸がわずかに軋んだ。
「狭いな。煌人、ここには誰かよく乗るのか? 女性か?」
「冗談ですよ。この前の飲み会で同僚たちを送り届けてやった際、たまたま座った子がいただけです。戻し忘れていたんでしょう」
「お前は本当に隙がないな。……逆に怪しいぞ」
「買い被りですよ。今の僕にとっては、仕事こそが恋人なんです」
​九条を送り届けた後、煌人は真翠に電話をかけた。
「昼間は少しバタバタしてて。……どうしたの?」
「あの、その……」
「ふふっ。昨日のLINE、試してみたくなった?」
「違う、そんなんじゃない! 変なこと言わないで」
「それで、どうしたの?」
「……すごく、会いたくて」
煌人の心臓が跳ねた。
「ああ……そうだね。うん。今日は少し遅くなるかもしれないけど……どうして?」
「……あなたの家で、待っててもいい?」
ドクン、と胸が鳴った。今すぐ全てを放り出して帰ってやりたい。だが、それは叶わない。
「……うん。なるべく早く帰るよ。冷蔵庫に君の好きなさくらんぼがあるんだ。明日渡してあげようと思ってたけど、先に食べてていいよ。ちゃんと冷やしてあるから」
「……ええ、わかったわ」
「じゃあ、家で会おう」
「ええ」
電話を切った後、真翠はその「家で会おう」という言葉を反芻していた。
(なによ、「家で会おう」それ。……まるで、新婚夫婦みたいじゃない)
​終業後、真翠は重い足取りで煌人のマンションへと向かった。当たり前のように鍵を取り出し、ドアを開ける。何かが、決定的に変わってしまった。真翠の目尻が、じわりと熱くなる。彼女はさくらんぼには目もくれず、そのまま寝室へと向かった。
(疲れた……少しだけ、休ませて……)

一方、煌人の午後の商談も滞りなく終わった。
だが、終了後に九条から再び夕食の誘いを受ける。煌人は「会社で急用が入りまして」と丁重に断ったが、九条はまたあの、すべてを見透かすような視線を彼に向けた。
九条を振り切り、急いでマンションへ戻った頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
​真翠はまだいてくれるだろうか。
玄関に並んだ彼女の靴を見て、煌人は安堵のため息をつく。だが次の瞬間、言いようのない恐怖が彼を襲った。この扉を開けてしまったら、自分は最も大切な真翠を失ってしまうのではないか——そんな予感がしたのだ。
それでも、彼は彼女に会いたかった。
​寝室のドアをそっと開けると、そこには眠る真翠の姿があった。
煌人は一度部屋を出てキッチンへ向かい、冷蔵庫を開ける。何も手がつけられていない。彼女は夕食も食べていないのだろう。煌人は二人分の食事を用意し、再び寝室へと足を踏み入れ、横たわる真翠の傍らに腰を下ろした。
​真翠の眠りは、どこか不安げだった。目尻には、乾ききっていない涙の跡がある。
煌人はその雫を指先でそっと拭い、自らの唇に運んでみた。
(……やっぱり、苦いな)
「ごめん、真翠。……でも、謝ってやることはできないんだ」
心の中でそう呟き、彼女の額に、そして唇に、優しく口づけを落としてやった。
​真翠がゆっくりと目を開けた。「……ご飯にしよう」
立ち去ろうとする彼の腕を、真翠が引き留めた。煌人の腰にしがみつく真翠を、彼は静かに抱きしめてあげた。
「……どうしたの?」
「……ねえ、煌人」
「うん」
「……私たち、あの頃に戻れるかな」
くぐもった声。煌人は一瞬、呼吸を止めた。
彼女を悲しませたくはない。けれど、すべてを手に入れた今、あの「幼馴染」という空虚な場所に戻ることなんて、到底不可能だった。
「……真翠、ごめん。……でも、その分しっかり償ってやるから」
その答えを聞いて、真翠はそれ以上何も言わなかった。二人は言葉を失ったまま、黙々と夕食を済ませてしまった。
​真翠が食器を片付けようとシンクに立った時、背後から煌人の腕が回った。
「……明日は僕が洗ってあげるから。ベッドに行こう、いいだろ?」
​真翠は拒まなかった。寝室へ連れて行かれ、煌人の急かすような、甘い接吻が降ってくる。
「……ん、いい子だ。口開けて」
真翠は沈黙したまま、それに従った。「……そう、上手だよ」
​「……真翠、上がいい? 上に乗って」
「……わ、私……やり方、わからないわ」
「いいよ。僕が教えてあげるから。……こっちにおいで」
​煌人はベッドのヘッドボードに背を預け、真翠の涙を吸ったシャツを無造作に肌蹴(はだけ)させていた。上下する彼の胸板は、抑えきれない昂ぶりを物語っている。彼は真翠の腰を抱き上げ、自らの上に跨がらせた。
その姿勢に、真翠はかつてないほどの局促(きょくそく)を感じる。彼女はただ、強張った背筋を伸ばすことしかできなかった。
​「力を抜いて、真翠。僕を見て」
煌人の声は、低い響きを帯びていた。細く長い指が、真翠のボタンを一つずつ解いていく。震える肩を抱き、真翠が視線を落とすと、そこには底の見えない煌人の瞳があった。あの頃の壊れそうな少年はもういない。ただ、掠奪の色彩を帯びた一人の男がいるだけだった。
​「手、僕の肩に置いて」
真翠は従順に従った。身体が完全に重なった瞬間、極限の異物感に真翠は息を呑む。
「あ、ぐ……っ、はぁ……っ!」
「ぬちり、ぬちゅ……」と、結合部が重く湿った音を立てて彼女を割り開いていく。 翡翠(ひすい)色の膜に包まれた質量が容赦なく食い込み、粘膜をギリギリと擦り上げた。近すぎる。近すぎて、この男がただ身体を求めているだけでなく、この律動を通じて自分を粉々に砕き、飲み干そうとしているのが、痛いほど伝わってきた。
​「ん……っ、煌人……まって、まだ……っ」
「ここにいるよ、真翠」
煌人は彼女の鎖骨に吸い付き、鮮やかな痕を刻んでいく。
「ぐちゅり、じゅぷ、じゅるり……」 腰をわずかに引いてはまた深く突き上げ、溢れ出した蜜が音を立てて二人の間から零れ落ちる。
​「真翠、これ、好き? こんなに、濡れてる……」
「……わ、わからないわ……っ」
「また試そう。きっと好きになる……そうすれば、君は、きっと僕の……きっと僕のことも……」
​煌人はそう絞り出すと、さらに深く、彼女の芯を貫くように腰を叩きつけた。
「じゅぷぅ、ぐちゅり……っ!」
「は……っ、あ……。ねえ、煌人……次のあれは、もっと……普通の色にして。いつもこれじゃ、なんだか変だわ……」
真翠は途切れ途切れの息で、彼にしがみつきながら訴えた。
​「いいよ、ハニー。君が喜ぶなら、なんだって……。あ、ああっ……!」
​「煌人……あ、あ、深すぎるわ……」
「ああ……真翠、いいよ……すごくいい。これ、外してもいいかな? もっと、君を直接感じたいんだ……」
「だめ……っ、あ、は……だめよ」
「責任は取る。真翠、僕に責任を取らせてくれ……」
​「お父様や、お母様が知ったら……悲しむわ。きっと、あなたを許さない……」
「馬鹿だな、真翠……。教えてやれよ。煌人にいじめられたって、無理やり傷つけられたんだって、そう言えばいいだろ。……もし、他の男にこんなことをされても、君は黙っているのか?」
​「あ……っ、あ……。煌人なら、言わない。煌人だから、言えない……っ」
​その言葉が、煌人の理性を粉々に砕いた。
「真翠……真翠! 感じて、感じて、僕が居る、君のナカにしっかり居る……っ!」
「ぐちゅ、ぐちゅぅっ、ぬちゅるり……っ!」
一気に速度を増した腰の動きに合わせて、粘りつくような重い水音が寝室を蹂躙する。引き抜かれるたびに糸を引く蜜が、翡翠色の薄膜を伝って「じゅるり」と滴り、二人の境界線をドロドロに溶かしていった。
​肉と肉が激しく叩きつけられる**「パン、パンッ!」という衝撃音が、逃げ場のない現実を刻み込む。
「あ、あ、あああぁぁっ! 煌人、そこ、だめぇ……っ!」
抉るような一突きごとに「じゅぷり」**とひときわ深い音が弾け、真翠の指先は彼の背中に食い込み、震える。
​「……馬鹿な子だ。本当に、聞き分けのない子だ」
煌人の目尻から、一筋の涙が溢れた。動きは一瞬緩やかになるが、煌人の心は激しく軋んだ。これほどまでに傷つけてもなお、自分を庇おうとするこの女を。そんな彼女を前に、彼は浅ましくも、さらなる昂ぶりを覚えていた。
​「真翠……真翠……っ!」
「あ、あ、あああぁぁっ! 煌人、煌人、だめぇ……っ!」
「ぐちゅり、ぬちゅ、じゅるぅぅ……っ!」
​猛り狂ったように最奥を突くたびに、溢れた飛沫が翡翠のゴムを濡らし、結合の度に**「じゅぷ、じゅぷ」**と淫らな泡を立てる。もはや言葉にならない喘ぎと、激しすぎる水音が混ざり合い、夜の静寂を真っ白に塗り潰していった。
​「いく、一緒に……真翠、僕と一緒に……!」
「じゅぷぅぅ、ぐちゅぅぅうう……っ!」
最後の一突きは、彼女の魂まで貫かんばかりに深く、重かった。溢れ出した情動が翡翠の膜を熱く震わせ、水音は悲鳴のような湿った響きとなって絶頂へとなだれ込む。
​真翠は煌人の頭を強く抱き寄せ、その顔を自らの胸に押し当てた。
「ん……あああ!」
刹那、二人は同時に絶頂へと突き落された。
​浴室から響く規則正しい水音が、かえって寝室の静寂を際立たせていた。
真翠は、シーツの海に沈んだまま、ただ天井を見つめていた。身体にはまだ、煌人が残していった熱と、あの粘りつくような翡翠色の感触が纏わりついている。
​ふと、一つの恐ろしい思考が脳裏に浮かび、彼女の心臓を冷たく凍りつかせた。
(……ああ、そうか。こうなるように仕向けてしまったのは、私だったんだ)
​お見合いの会場から逃げ出して、彼の腕に飛び込んであげたのも。初めて彼に抱かれた時、拒むふりをしてその温もりに縋りついてしまったのも。そして、両親の前で必死に彼の罪を隠してきてあげたのも。
すべては、彼に抱かれたかったから。
誰にも祝福されず、誰にも認められない「禁忌」という名の絆で、彼に繋ぎ止めてほしかったから。
​真翠にとって、煌人はずっと手の届かない神聖な存在だった。彼から一度も「好きだ」という言葉をもらえたことがないからこそ、彼女はこの汚れた関係を「愛」の代用品として受け入れてしまったのだ。
​脳裏で、十七歳の自分が声を上げて泣いているのが聞こえた。
「ごめんね、真翠ちゃん……。一目惚れだったはずの純粋な想いを、どうしてこんな形にまで貶めてしまったんだろう。たった一人の女の子が、どうしてこんな風にされちゃったんだろう……」
​壁一枚隔てた浴室。
煌人は、降り注ぐ冷水の中で立ち尽くしていた。真翠を抱き潰し、その最奥に痕跡を刻みつけてやった直後だというのに、彼の芯は凍えるほど冷えていた。指先に残る彼女の肌の柔らかさが、かえって彼を責め立てる。
​(……一目惚れだったんだ。初めて会ったあの時から、君だけを愛してしまっていたのに。一人の人間を、どうして僕はこんな風にしてしまったんだ……)
​翌朝。寝室に差し込む朝の光は、残酷なほどに明るかった。
習慣で目を覚ました煌人が、隣の温もりに手を伸ばす。だが、そこにはもう、誰もいてはくれなかった。
​キッチンから聞こえる洗剤の泡立つ音が、微かな希望のように彼の鼓動を跳ねさせる。だが、彼は動けなかった。その音の先に待っている「結末」を突きつけられてしまうのが怖くて、ベッドから起き上がることさえできない。
​やがてキッチンの水音が止まり、玄関のドアが開く音がした。
「……行ってきます」
いつもの、聞き慣れた、穏やかな声。その直後、重いドアが閉まる「カチリ」という音が、二人の世界の終焉を刻んでいった。
​煌人は、弾かれたようにリビングへ向かった。そこには、驚くほど綺麗に片付けられてしまったキッチンがあった。真翠がそこにいてくれた痕跡は、何一つ残っていない。
ただ一つ、食卓の上に置かれてしまった「スペアキー」を除いては。
​それは、煌人が「いつか自分のものになってほしい」という願いを込めて、彼女に受け取らせてやった鍵だった。
高校三年の卒業登山。山頂の売店で、誰にも気づかれないように買っておいたペアの記念品。青い方をこっそり彼女の鞄に忍び込ませてやったあの日、彼女は「ずっと大切にする」とはにかんで笑ってくれた。
​彼女はその約束を守り、そのキーホルダーをこの部屋の鍵に付けておいてくれたのだ。それを見た時、煌人はこのままプロポーズしてしまいたいほどの歓喜に震えた。
​けれど、今。
彼女は鍵も、想い出も、その「約束」さえも、すべてここに置いていってしまった。
「もう、いらない」と無言で突きつけてくるかのように。
​煌人は、その冷たい金属の塊を見つめたまま、崩れ落ちた。自分が、そして自分の愛が、音を立てて粉々に砕けていくのを、彼はただ絶望の中で見届けることしかできなかった。
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