【R18】十二年の孤独な両片思い――解けない愛の無理関数

夜子

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番外章:モジュレーション:零れ落ちた七楽章

第六樂章:安眠曲(ララバイ):白い妖精、渇愛の果てに

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夏の風に熱気が混じり始め、商談もいよいよ大詰めを迎えていた。煌人はようやく怒濤の忙しさから解放されつつあったが、ここ三日間、まともに眠れていなかった。一度仕事を離れれば、頭に浮かぶのは真翠のことばかりだ。

ついに月曜の午前三時、どうしても眠れなくなった彼は、吸い寄せられるように車を走らせた。初夏の未明はまだ少し肌寒い。真翠の家の近くにある見慣れた駐車場に車を止め、裏手にある小さな公園へと向かう。学生時代、二人が一番よく通った思い出の場所だ。
懐かしいブランコの揺れに身を任せ、煌人はようやく一息つけるような安らぎを感じていた。ゆっくりと目を閉じる。

「……煌人君。キラ……ト、煌人……おい、起きなさい」
聞き覚えのある声に、煌人は重い瞼をゆっくりと押し上げた。
「あ……おじさん、おはようございます」
慌てて立ち上がり、真翠の父親に会釈をする。
「こんなところでどうしたんだ?」
「ええと……真翠を仕事に送りに行こうと思って……」
「今か? まだ五時半だぞ」
おじさんは呆れたように笑いながら、煌人の手を取った。
「手が冷たいな……いつからここにいたんだ」
「い、いえ、そんなに長くは……」
「お前、あの子と喧嘩でもしたのか?」
「いえ、そんなんじゃありません。ただ……どうしても真翠に会いたくて……」
「なら家に来ればいいだろう。朝飯もまだなんだろ?」
「いえ、大丈夫です。ここで彼女を待ちますから」
「……やれやれ。待ってなさい、今真翠を呼んでくるからな」
「ありがとうございます、おじさん」

家に戻った父親は、朝食の支度をしていた妻に声をかけた。
「真翠を起こしてきなさい」
「どうしたの? あと一時間は寝かせてあげられるわよ」
「煌人君が来てるんだ。公園にな。一体いつからいたんだか……」
「あら、どうして家にお招きしなかったの?」
「あいつ、頑固に入ろうとしないんだ。……どうせ喧嘩でもしたんだろう」
「そう、わかったわ。今起こしてくるわね」

母親は真翠の部屋へ行き、優しくその肩を揺さぶる。
「お母さん……どうしたの……?」
真翠は壁の時計に目をやった。「あと一時間は寝られるのに……」
「煌人君と喧嘩したの?」
真翠は再び枕に顔を埋め、こもった声で毒づいた。
「朝からあいつの名前出さないで。テンション下がる……」
母親は真翠の背中をポンポンと叩いた。
「喧嘩中みたいね。でも、起きなさい。煌人君が来てるわよ」
「は? 家に来てるの? こんな朝早くになによ……」
「いいえ、公園にいるわ。お父さんが誘っても、どうしても来ないんですって」
「放っておけばいいじゃない」
「早く起きなさい。じゃないとお父さんと二人で、引きずってでも連れていくわよ」
「はいはい……。あいつは実の息子で、私は拾い子(ひろいご)ってわけね」
「何言ってるの、この子は」

真翠はぶつぶつ文句を言いながら起き上がり、もこもこのウサギの着ぐるみパジャマのまま外に出ようとした。
「ちょっと、顔くらい洗っていきなさい!」
「はーい……」

意識が朦朧としている煌人の目に、こちらへ向かってくる“もこもこした塊”が映った。
(夢の続きを見ているんだろうか。……あのまま、抱きしめてしまいたいなあ)
そんな錯覚に陥る煌人だったが、実際には、ただ真翠が不承不承の足取りで、ゆっくりと歩いてきているだけだった。

真翠は、ごく当たり前な顔をして隣のブランコにすとんと腰を下ろした。
「それで? こんな朝早くから一体何なのよ」
「真翠……俺と駆け落ちしよう」
「……あんた、正気?」
「真翠、俺、もう三日間も寝てないんだ」
「なら睡眠薬でも飲みなさいよ」
「君を抱きしめてないと、眠れないんだよ」
「それは皮膚飢餓(ひふきが)っていうの。精神科にでも行ってきなさい」
「でも、治したくないんだ……」
「……結局、何がしたいのよ」
「真翠、一緒にマンションに帰ってほしい。今日は、ただ眠りたいんだ」

真翠は大きなため息をついた。
「車で待ってて」
「どこに行くんだ?」
「家に帰って着替えて、会社に休みを入れるのよ」

その答えを聞いた煌人は、どこか悲しげに、けれど救われたように微笑んだ。彼は自分の“白い妖精”が去っていくのを、ただじっと見送っていた。
駐車場に戻り、運転席で真翠を待つ。しばらくすると、彼女が再び姿を現した。
さっきのが「迷い込んだ小妖精」だったなら、今現れたのは「森の奥の美しい仙女」だった。身体のラインを強調する白いタイトなニットワンピース。細いベルトが彼女の腰の位置を高く、より美しく引き立てている。

助手席に乗り込んできた真翠を、煌人はうっとりと見つめた。
「……会社に行く時、どうしてそういう格好をしないんだ?」
「あんた、女子プログラマーに何を期待してるわけ?」
「女のプログラマーだって、そんな格好しちゃいけない決まりはないだろう。秘書課の連中を見てみろよ」
「……あら、口が回るようになったじゃない。元気そうね、じゃあ私、会社に行くわ」
「待って! ……それで、どこに行こうか」

一瞬、煌人の思考が停止した。真翠は呆れたように笑い出した。
「舞浜の夢の国に行って、メリーゴーランドにでも乗る?」
「それもいいな。じゃあ明日も休みを取って、一泊二日で……」
「星野煌人。あんたのそのクマ、動物園でチケット代が取れるレベルよ。今の状態で高速に乗ったら、三十分もしないうちに心中(しんじゅう)することになるわ」
「本当に? ……それも悪くないな」
「何がいいのよ。いいから早く車を出して、家に帰るわよ」

煌人のマンションを「家(うち)」と呼んでくれたことに、彼はハンドルに突っ伏したまま、魂が抜けたように笑った。
「ははは……っ」
真翠には、その笑い声がなぜか泣き声のように聞こえた。無意識に、彼の背中を優しく叩く。
煌人はゆっくりと体を起こした。
「ねえ、真翠……目が覚めたら、抱きしめてもいい?」
真翠は煌人の瞳をじっと見つめた。……そこにいたのは、彼女の知っている、傲慢で完璧な「煌人」ではなかった。

マンションに戻るなり、煌人は糸が切れたようにベッドへ倒れ込んだ。真翠はヘッドボードに背を預けて座り、煌人は彼女の下腹部を枕にするようにして横たわる。柔らかくて、ひどく心地いい。
煌人が不意に口を開いたかと思えば、出てきたのはこんな言葉だった。
「真翠……なんか、ぷにぷにしてる」
「太ったって言いたいの?」
「うん。太った」
それまで優しく背中を叩いていた真翠の右手が、重い一撃となって振り下ろされた。
「寝る気ないわね、あんた!」
「ねんねする……眠いんでちゅ。だっこ……」
「星野煌人、きもいんだけど」

二人は思わず吹き出した。煌人は再び真翠のお腹に顔を埋める。
数分もしないうちに、彼は深い眠りに落ちていった。
煌人の穏やかな寝息を感じながら、真翠は左手で彼の髪をそっと撫でた。おそらく、彼に一目惚れしたあの日から、ずっとこうしたいと願っていたはずだ。けれど、ようやくそれが叶った今、何かが昔とは違っていた。

「煌人、大好きだよ」
「抱きしめられるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった」
「優しく声をかけてくれたら、なんだってしてあげたくなっちゃうのに」
「何もいらないから、ずっとそばにいてもいいかな……」

論理も何もない、声にならない言葉。真翠は少し潤んだ目尻を拭った。
どうしても考えてしまう。いつか煌人が自分にふさわしい女性に出会った時、きっと彼は自分を置いていってしまうだろう。その時、私はどうすればいい?
だから、今はこれでいい。煌人に必要とされなくなったら、その時に思い切り泣けばいい。そうすれば、またいつもの真翠に戻れるはずだから。
そんなことを考えながら、真翠もまた、ゆっくりと眠りに落ちていった。

まどろみの中で、真翠は自分の体がベッドの真ん中へと引き寄せられるのを感じた。
「真翠、起きた?」
「ん……」
「目が覚めたら抱きしめるって言っただろ。……いくよ」
「ん……」

言葉が終わるか終わらないかのうちに、あの記憶にある唇が重なった。
「ん……。いい子だ、口開けて」
「ん……」
誘われるまま、真翠はわずかに唇を割った。
「ん……。よし、いい子だね」
「ん……」
「真翠……起きてる?」
「……うん、起きた。……する?」
「……急にどうしたんだよ」
「別に……」
「真翠は、したいのか?」
「ん……たぶん」

煌人は優しく口づけを落としながら、彼女のベルトに手をかけた。ゆっくりと解き、タイトなニットワンピースを脱がせていく。露わになったのは、ライトブルーのシンプルなブラジャー。けれど、それを外して掌でその重みを受け止めた瞬間、彼女がいかに豊満であるかはすぐに伝わってきた。
煌人はそれをいつものように床に放り投げたりはしなかった。枕元の引き出しを開け、宝物でも扱うように丁寧にそこへ収める。

「煌人、何してるの……?」
「……次に眠れなくなった時のためのお守りだ」
「やめてよ、替えがないんだから」
「心配すんな。後で買いに行ってやるから」
「いらない。買わないで」
「サイズを間違えると思ってんのか? 大丈夫だ、完璧に覚えてる」
「買わないで……受け取れないから……」

拒絶する真翠の、苦しげな表情。それを見た煌人の脳裏に、大学時代の記憶が鮮烈にフラッシュバックした。
『真翠、このコート、高くないしお前に似合ってるよ』
『いらない。あんなの、ただの布だもん』
『石小路真翠! お前、節穴か? あのデザインとラインの美しさが見えないのかよ』
『……もういい、黙って着ろ。俺のカードで切るから、頼むよ』
『……お母さんが言ってたの。彼氏か旦那さんでもない男の人から、服なんて貰っちゃダメだって』
『なんだよその家訓!』
『……じゃあ自分で買えよ』
『嫌。あの布、高いんだもん』

……夢にまで見た記憶なのに、なぜこんな大切なことを忘れていたんだろう。
「真翠……俺じゃ、ダメかな」
真翠は答えず、今にも泣き出しそうな顔で彼を見つめた。
「……泣くな。もう二度と、あんなことは言わないから」
「……うん」

煌人のキスが再び降り注ぎ、ゆっくりと下へ移動していく。タイトなジーンズが脱がされ、お揃いのショーツが露わになった。煌人がその薄い布に手をかける。
「煌人、あなたまさか……ダメ、変だよ」
「真翠、お願いだ。……後でちゃんと洗うから」
真翠は自分の目を覆い、声を震わせた。
「おかしいよ……煌人、あなたおかしいよ……」
「……ああ。俺は変態だよ、真翠……」
ゆっくりとショーツを剥ぎ取り、それも引き出しに収めた。代わりにゴムを取り出す。今回はごく普通の、透明なタイプだ。
「これは……」
「少しは、リラックスできるか?」
「わか、かんない……」
「試してみよう。真翠、もう少し足広げて」

煌人の額が真翠の肩口に強く押し付けられ、荒い呼吸が彼女の鎖骨を熱く撫でる。鼻先から滴る汗が、激しく上下する彼女の白い胸元にポツリと落ち、熱を帯びた肌を滑り落ちていった。
煌人がゆっくりと、けれど容赦なくその身を沈めていく。

「ヌチュ、ズブブゥッ……」

密着した粘膜が、入り込んできた異物を拒むように、けれど貪るように締め付ける。そのあまりの熱量と密度に、真翠は喉の奥で「ひっ……」と短く息を呑んだ。腰を持ち上げられるにつれ、結合の深さは恐ろしいほどに増していく。真翠の指は無意識にシーツを掴み、力みすぎて節々が白く浮き上がり、爪が生地に食い込んでいた。

「んっ……あ、ああぁ……っ」

煌人は真翠の反応を確かめるように、一度根元まで引き抜き、そして再び一気に奥を突き上げた。

「グチュッ、ズブシュッ、パンッ!」

湿った内壁が激しく擦れ合う音と、肉体同士がぶつかる重い音が重なる。透明な膜が摩擦で熱を持ち、快感と微かな疼痛が混じり合って、真翠の思考回路は焼き切れる寸前だった。

「真翠……真翠……」
煌人の呼ぶ声は、途切れがちな喘ぎに消えそうだった。彼が腰を動かすたび、真翠の身体はベッドの上で小さく跳ねる。
「あ……はぁっ! 深い……っ、煌人、そこ……っ、んぅ、ぁあッ!」
真翠はのけ反り、その体は今にも折れてしまいそうな、脆い弓のようにしなった。

「パンッ、パンッ、パンッ!」

規則正しく、けれど力強く繰り返される衝撃。煌人の固い筋肉が真翠の柔らかな腿に叩きつけられるたび、飛び散る汗が二人の境目を曖昧にしていく。

「ここ……気持ちいい?」
煌人は問いながら、意地悪くその場所を執拗に抉(えぐ)るように動いた。
「わか、らない……知らない……っ、あぁ! 嫌……そこ、は……っ、ん、んうぅッ!」

真翠は声を漏らさないよう唇を噛んだが、最奥を突き上げられる衝撃に、掠れた声がこぼれ出す。完全に押し広げられ、支配されている感覚に、もはや考える余裕すらない。ただ、自分の中にいる「固くて、熱い」存在が、脈打ちながら自分を求めていることだけを感じていた。
汗で滑りやすくなった二人の肌が重なるたびに、ピチャッ、クチュッという淫らな音が跳ねる。

煌人の動きが突如として速度を上げた。それは先ほどまでの緩やかな探りではなく、一年分の飢えと独占欲をすべて叩きつけるような、切迫した切迫感だった。

「グチュグチュッ、ズブッ、ズブッ!」

入り混じる水音は激しく、そして乱れていく。煌人の猛烈な突き上げに、真翠の視界は白く明滅し、電流のような快感が背筋から脳天へと突き抜けた。
「煌人……煌人! もう、ダメ……待って、まって……っ」
「真翠……真翠……っ!」

煌人は低く唸るような声を上げると、真翠の足を強く引き寄せ、自分をその最奥へと力任せに沈め込んだ。三日間の疲労も、不安も、抑えきれない貪欲さも、すべてをその一瞬に吐き出すかのように。

「ズブシュッ!!」

最後に脳に響くほど重い音が響き、究極の充足感が二人を包み込んだ。
数秒間、部屋の空気は凍りついたようになり、真翠の途切れた喘ぎと、煌人の荒い呼吸だけが残された。
最後の一条の震えが収まると、煌人はすべての力を使い果たしたように、脱力したまま真翠の上に崩れ落ちた。彼は繋がったまま、それを抜こうとする気力さえなく、ただ真翠の「柔らかさ」の中に顔を埋めていた。

「真翠……」
その声は、願望をようやく叶えた男の、微かな、けれど確かな吐息だった。

真翠はぼんやりと天井を見つめていたが、やがてゆっくりと脚を下ろし、そっと彼の汗ばんだ背を抱きしめた。
今回は、問いかけも、「わからない」という答えもない。
湿った汗の感触と、まだ散らない熱い余韻の中で、煌人の規則正しい、微かな寝息が聞こえてきた。

真翠はそっとベッドを抜け出し、シャワーを浴びてから彼のシャツを羽織った。
「彼のシャツ……。……少しだけ、胸が苦しいよ……」
そっと自分の胸元を押さえる。
そのまま静かに彼の隣に戻り、横たわった。煌人は、本当に疲れ切っていたのだろう。私、わがままを言って彼を困らせちゃったかな。……ごめんね、あんなに大変だったって知ってたのに。
真翠が隣でそんな思考を巡らせているうちに、時間はゆっくりと過ぎていった。

日が沈みかけた頃、ようやく煌人が目を覚ました。
「おはよう」
真翠が微笑んで声をかけると、
「ああ、おはよう」
と、煌人は見違えるほど晴れやかな声で応えた。

「ねえ、うちにご飯食べに来ない? お父さんもお母さんも、あなたのこと心配してたから」
「……俺が行っても、いいのか?」
「うん。でも、親の前で変なこと言わないでよ」
「ああ、分かってる」

二人は着替えを済ませ、石小路の家へと向かった。
真翠の両親は、以前と変わらず温かく煌人を迎え入れてくれた。仕事が忙しくて体調を崩していたと聞き、二人は煌人を心底気遣った。
「無理は禁物よ。ここはあなたの実家だと思って、いつでも甘えにいらっしゃい」
そんな温かな言葉が、今の煌人の胸には鋭い刃のように突き刺さる。

夕食後、煌人が泊まっていきたいと切り出すと、真翠の父親は夢の中と同じように、少しの躊躇もなく快諾してくれた。
石小路家の和室に布団を敷き、一人横たわる。
い草の香りに包まれ、心はこれ以上ないほど安らいでいた。けれど同時に、「罪悪感」という名の黒い滴が、一滴、また一滴と彼の心を静かに蝕(むしば)んでいった。
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