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蒼い約束

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「取り込んだのか! お前、嫌がってたんじゃねぇのかよッ。体に負担が掛かるって、そう言ってただろうがよッ! なん、で……」

「そりゃ。あんたを助けたかったから」

「――『依憑』の、為にかッ?」

「当然」

 さらりとしたその答えにクッと笑った彬は両手を放し、代わりにその手に拳を握った。ガンと隆哉の胸に拳をあてて、顔を埋める。

「クソッ。お前はそーいう奴だったよ、相沢。――ありがとう」

 震える声で告げた彬は振り返り、一気に俊介へと駆け出した。




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