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番外編
父、ジークハルトの悩み3
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結局のところ、ユーグはジル以外受け入れられないという事と、ジルはユーグを受け入れている。
と言うことで、外部から婚約者を迎える事は難しいと言わざるを得なくなった。
「セバスはいつから知っていたのだ?」
「恐れながら、旦那様も薄々気がついておられたのではないのですか?」
たしかに、最近よくジルが帰ってくるとは思っていたのだ。
だが、それでも少し気にはなっていたが決定的なものはなかった様に思う。
「ユーグに最後の一線を越えさせたのはお前だろう」
「確かに、私が手引き致しましたので否定は致しません。」
全く、何をしでかしてくれるのか。
セバスに対して苛立ちが募る。
だが、それ以上責めることは出来なかった。
若かりし頃、ジークハルトはどうしてもセバスを手放したくなかった。
3つ違いの平民でありながら、幼馴染でもあった彼を長く手元に置くことは出来ないと、頭ではわかっていたつもりだったのだが、まだ思慮の浅い自分は犯罪スレスレの行為でセバスを閉じ込めてしまったのである。
それと同じ事を、今度は息子に返された。
ただ、それだけの事。
ましてや、今回はユーグ自らが望みセバスはそれを手伝った。
結果的に家の為にはなっている。
もはや、子供達に何も言う事は出来ない。
大人しく見守る事しか、もう父親の出る幕は無いのだろう。
諦めの顔をした私にセバスが近づいてくる。
顎を掴まれ、上を向かされた。
「何か、言いたいことは?」
真っ直ぐ目を見て問いかけられる。
「何もない。強いて言うなればユーグを助けてくれてありがとう。」
そう告げて、ゆっくり瞼を閉じる。
意地悪く笑ったセバスは、私の唇を塞ぐ。
歯列を割り捩じ込まれた舌が、口腔を弄り舌を弄ぶ。唾液を送り込まれて飲まされ、でも、それ以上はない。
そこで放り出された。
「物欲しそうな顔をしても、もうあげませんよ。」
セバスは執事だが、私の執務室の中では自由に振る舞うことが出来る。
無理矢理に閉じ込め、力で有無を言わさずセバスを蹂躙した私なりの贖罪だ。
彼がこの家に残ってくれるなら、なんだって受容れる。
と言うことで、外部から婚約者を迎える事は難しいと言わざるを得なくなった。
「セバスはいつから知っていたのだ?」
「恐れながら、旦那様も薄々気がついておられたのではないのですか?」
たしかに、最近よくジルが帰ってくるとは思っていたのだ。
だが、それでも少し気にはなっていたが決定的なものはなかった様に思う。
「ユーグに最後の一線を越えさせたのはお前だろう」
「確かに、私が手引き致しましたので否定は致しません。」
全く、何をしでかしてくれるのか。
セバスに対して苛立ちが募る。
だが、それ以上責めることは出来なかった。
若かりし頃、ジークハルトはどうしてもセバスを手放したくなかった。
3つ違いの平民でありながら、幼馴染でもあった彼を長く手元に置くことは出来ないと、頭ではわかっていたつもりだったのだが、まだ思慮の浅い自分は犯罪スレスレの行為でセバスを閉じ込めてしまったのである。
それと同じ事を、今度は息子に返された。
ただ、それだけの事。
ましてや、今回はユーグ自らが望みセバスはそれを手伝った。
結果的に家の為にはなっている。
もはや、子供達に何も言う事は出来ない。
大人しく見守る事しか、もう父親の出る幕は無いのだろう。
諦めの顔をした私にセバスが近づいてくる。
顎を掴まれ、上を向かされた。
「何か、言いたいことは?」
真っ直ぐ目を見て問いかけられる。
「何もない。強いて言うなればユーグを助けてくれてありがとう。」
そう告げて、ゆっくり瞼を閉じる。
意地悪く笑ったセバスは、私の唇を塞ぐ。
歯列を割り捩じ込まれた舌が、口腔を弄り舌を弄ぶ。唾液を送り込まれて飲まされ、でも、それ以上はない。
そこで放り出された。
「物欲しそうな顔をしても、もうあげませんよ。」
セバスは執事だが、私の執務室の中では自由に振る舞うことが出来る。
無理矢理に閉じ込め、力で有無を言わさずセバスを蹂躙した私なりの贖罪だ。
彼がこの家に残ってくれるなら、なんだって受容れる。
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