親友の秘密

境地と選択

 俺は今、境地に立っている
 生命を揺るがす、大きな境地だ。
 「どっちがいいの？」
 「早く決めてよ」
俺は今、少し背が高いポニーテールメガネ委員長と山川に限りなく強い圧迫を受けているのだ。
 
  みんなの意見を尊重し、文化祭のときクラスでやることをメイド喫茶にしようとしている委員長とメイドが嫌だと言いクラスの半分を引き連れて普通の喫茶店をやろうとしている山川が俺にお前はどっちにつくんだ？と迫って来ている。

 俺はかっこよく言うとその唯一の決定権を持っている。
 なぜかって？ クラスが奇数なことと俺が今まで寝ていたことを踏まえて考えて欲しい。

 つまり、ちょうど半分で別れたのだ。
 これは二度目だが、俺は唯一の決定権を持っている。

  この状態になったのは山川がメイドになると決まってからだ。男子はメイドになるかと言う質問にクラスで話し合った結果、山川だけメイドになることとなったのだ。

 俺は親友山川に色々な借りがある。また、委員長と特別仲がいいわけではない。

 したがって俺が選ぶのは

                          メイド喫茶

 だってさー山川のコスプレとか見て見たいじゃん。ご主人様とか言われたいじゃん。どうみんな？

 俺の一言により、クラスの男子は歓喜し、山川についていた女子は「お前もか」と溜息をついた。

                 文化祭が楽しみだぜ