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幼少期編

迷いの森・・・解決そして、婚約

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アレクシス様の誤解発言とサマンサの衝撃的な言葉にお父様達はかなり動揺していた・・・

ヤバい・・・この空気をどうにかしないと!!
私が自分で言わなきゃ意味がないよ!

ふぅー。

「お父様、お母様、心配かけてごめんなさい。私は小さい頃からずっと話さないでいたから無口でいるのが癖になってるだけなの。
心の中では結構お喋りだし・・・令嬢としての私はお母様やお姉様を真似していただけなの・・・誤解させてしまってごめんなさい。
これからも普段は無口かもしれないけど・・・それは私が気が抜けて、安心している証拠だから普段は許してくれたら嬉しいです。
あと、私が暴走をするのは魔獣に会いたいって気持ちが押さえられなかったからなの。私はこれからも魔獣に出会ってみたいし、一緒に色んな事をしてみたい!!あの子達と仲良くなりたいの・・・許してくれる?」

・・・・・・お父様と、お母様の顔を見るのが怖い・・・受け入れて貰えなかったらどうしよう。普段から迷惑ばかりかけてるのに・・・

・・・・・・・・・ギュッ・・・・・・。
暖かい腕に包まれている・・・お母様だ・・・
側にはお父様も居て頭を撫でてくれている。

「キャロリーナ、私は母親失格ね・・・。
勝手に勘違いして騒いだのに・・・今とってもホッとしていて、嬉しいの・・・。ただの誤解だったと知って凄く安心してるの。
貴女の無口は安心している証拠だったのね。
そうね!言われてみれば、貴女の令嬢姿は私達にそっくりだわ・・・貴女は喋らない変わりに考えたり、周りを見ていたりしていたのね・・・気がつかなくてごめんなさい。」

「・・・そうだな。俺達は心配するあまり、きちんとキャロリーナの事を見ていなかったのかもしれないな・・・すまなかった・・・。
魔獣か・・・話せるのだから仲良くなるのも当然だよな。でも、危ない事はしないと約束してくれるか?」

「・・・プッ!ラルフ!それは無理よ!!
キャロリーナはいつだって私達の予想を越えて行動してきたわ・・・これからだって、きっとそうなのよ!
危ない事はしないと約束しても魔獣に何かあれば飛び出して行くわ!それが私達の娘よ!!
それに、この子の性格はラルフにそっくりだと思わない?この無鉄砲さ・・・フフフ。」

「うッ・・・。に、似ているか?
俺もあんなに暴走をしているのか・・・クククッ。なら仕方ないな・・・キャロリーナは俺達の子供だ!きっと何とかするんだろうな!!!俺達の予想を越えて・・・。」

お父様とお母様は時折泣きそうになりながらも微笑んで私を愛しそうに見つめてきた・・・


お父様、お母様・・・ありがとう。こんな面倒くさい私を受け入れてくれて・・・。

ふふふ~。二人の中では私は今後も暴走する予定なの?・・・でもきっとそうだな~
魔獣達のピンチには絶対に駆けつけちゃうし。でも、怪我はしないように気をつけます!!!

「シュゼット伯爵・・・この度は私共の勘違いのせいで、無駄に心配をかけてしまった。
申し訳ない・・・。
それと、今言うことではないかもしれないが、私はアレクシス殿とキャロリーナとの婚約に賛成だ。加護の話は本当だから・・・それを含めて婚約の話を考えてほしい・・・。」

伯爵様はお父様の真剣で、誠実な対応に好感がもてるようで笑いながら・・・

「ハハハッ・・・確かにキャロリーナ様の貴族らしからぬ所は辺境伯様に似ておられる様ですね・・・素敵な娘さんです。
私としても、息子を大切に想ってくれている子は大歓迎です。アレクシス!お前はどうだ?」

「私もキャロリーナ様はとても素敵な子だと思います。・・・私はキャロリーナ様との婚約を望みます!どうかよろしくお願いします」

伯爵様とアレクシス様も私を受け入れてくれて・・・婚約を望んでくれた。

「では、二人はすぐにでも、婚約者という事にして・・・書類はこちらで準備しよう。」

「はい。宜しくお願いします。お披露目はどうしましょう・・・」

「あらそれは・・・」

大人達は婚約を決めた途端に話が別の所へ移っていった・・・

・・・・・・。

「リーナ、あ、あの婚約者として、これからよろしくね!」

と言ってレクス様は照れ笑いを浮かべた。

「・・・コクン。・・・レクス・・・よろしく・・・えへへ・・・」

私もつられて照れ笑いを浮かべてしまった・・

「・・・ヴッ・・・やっぱり素の笑顔ヤバい・・・可愛い過ぎる・・・。」

ん?何か言った?ボソボソ声が小さくてわからなかったよ・・・。

私達のそんな様子をみて・・・

『ようやく話がまとまったようだな・・・ったく!人間は面倒くさ過ぎるぞ。話をするのにどれだけ時間がかかるのだ!!
騒ごうとするあいつらを止めるのは大変だったのだからな!!!今日の所は帰らせたからまた顔を見せに来いよ!
・・・あー。あとそこの男、お前の番になったのだろう・・・これから何かと大変そうだし、もしそいつが望むのなら契約を結んでやっても良いぞ。見所がありそうだ・・・』

あぁーーーー。皆を帰らせてしまったー。
よし!今度は必ず家から手土産持って来よう!

え?!ヴォルフとレクスが契約?!
えーーーー。何か凄い!
い、今伝えます!待っていて下さい!!!

私が慌ててレクスに伝えようとすると・・・

『あー。今日は返事はいらない。
そいつも呆けてるしな・・・クククッ。また次来た時にでも答えてくれ。匂いは覚えたから森にくればわかる・・・。

それと・・・そこにいる奴、さっきから一人で笑ったり、泣きそうになったり凄いぞ!
お前達の邪魔をしないように自粛していたみたいだから、そろそろ話しかけてやれよ・・・ククク。・・・ではな。気をつけて帰れよ。』

・・・ヴォルフはそう言うと森の中に消えて行った・・・。

レクスには私と一緒いたヴォルフがレクスと契約を結びたがっている事を伝えた・・・。次に会った時に答えを聞きたいと言っていた事も。
(理由きちんと伝えました・・・。)
レクスは信じられないといった表情を浮かべて、「わかった・・・考えておくよ・・・」と言った。

そしてサマンサですが、私が声をかけると・・

「お嬢様ーー。良かったですね!本当に!!
旦那様と奥様の事も!アレクシス様との婚約も・・・。うぅ・・うぅぅ・・・ほんどうにうれじいですわ・・・。」

サマンサ・・・そんなに泣くほど喜んでくれるの・・・?もう・・・やっぱり私の侍女はサマンサじゃなきゃダメだね・・・。
いつもありがとう・・・サマンサ♪

とりあえず、涙と鼻水を拭かないとサマンサの結婚が遠退くよ・・・。


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