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幼少期編
遠い昔の話
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ドラゴンは治癒魔法が効いてきたのか、呼吸が安定してきた。
『痛いの治ってきた・・・ありがとう。』
・・・よかったね。安静にしてるんだよ?
『心配しなくても大丈夫だ!!!
そいつはドラゴンだ!角さえ抜ければあとは勝手に治っていく。図太い生命力なんだよ!ドラゴンって奴は・・・』
え?ヴォルフ、ドラゴン知ってるの?
『あぁ・・・知ってる。恐らくそいつの母親もな。』
『母上を知ってるの?・・・あのね、ずっと眠ってるの・・・助けて・・・どうしても起きないの』
ドラゴンは瞳からボタボタと涙を溢した・・・
『はぁ・・・心配しなくていい。俺が起こしに行ってやる・・・少し話さなくてはいけないようだしな。』
ヴォルフは怒っているようで・・・身に纏っている雰囲気がすごく重たい。
息をするのも苦しくなるような圧力だ・・・
私の事を心配そうに見ているレクスとモーガン隊長達に事情を説明した。
「この子の母親がずっと起きないんだって、それでヴォルフが知り合いだから起こしに行くって言ってるの・・・。」
・・・グイッ。後ろにいたドラゴンが私の背中をつついた・・・
『あのね、一緒に母上の所に行ってくれる?』
目をウルウルさせながら私を見つめる・・・
うッ・・・ドラゴンってモフモフとは違うのにその目やツルツルした鱗が好きになってきた。
うふふ~。可愛いなー。
お母様の所か・・・うん。良いよ~。一緒に行こうか!!!
私は安心したのか一気に魔獣愛が出てこようとしていた。
・・・トントン。肩が後ろから叩かれた。
「リーナー?一緒に行くの・・・?説明は?」
あ!また怖い顔をしてる・・・。
「・・・あのね、ドラゴンが・・・」
・・・・・・キーーンッ・・・・・・・・・
え?何か頭がグラグラする・・・
「ッ!リーナッ!!!」
レクスが私を引き寄せて抱き締めた・・・
何か周りの風景が歪んで見える・・・足も地面についているかわからない。
「リーナ・・・捕まってて・・・」
レクスも苦しそうに話ながら力を強めた・・・
私はレクスにしがみつきながら、訳のわからない気持ち悪さにたえた・・・
・・・・・・キーーンッ・・・・・・・・・
はぁ・・・頭が痛いのが治った・・・
「大丈夫?リーナ・・・痛い所はない?」
「・・・大丈夫・・・レクスは?・・・」
互いにケガをしていないのを確認して、とりあえずはホッとした・・・
周囲を見てみると岩のような物に囲まれていて、見た目や雰囲気は洞窟だ・・・
そして、今いる所には道があり、その先には光が見えるが、あれが外へ続いている道なのかもしれない。
『突然連れてきて悪かった。どうしても他の者達はここに連れて来る訳には行かなくて・・お前達なら問題ないかと思って無理矢理連れてきてしまった。巻き込んですまない・・・』
突然後ろから申し訳なさそうな声が聞こえてきたと思ったらヴォルフが話しかけていた・・・
側にはドラゴンもいて、キョロキョロを辺りを見回してる・・・
え?今のこの状況はヴォルフがやった事なの?連れてきたってここはどこ?!
私がこの状況に混乱していると側にいるレクスが、「え?!声が聞こえる・・・」と言ってる
『それは俺の声だ・・・。そいつの母親が作った特別な空間だから話せるのだろう・・・
貴重な事だぞ・・・・・・まあ、俺と契約を交わせば、俺とだけは話せるようになるだろうけどな。』
え?ヴォルフの声がレクスに聞こえてるの?!
ヴォルフは言うには・・・ここはドラゴンの母親が作った聖域で、その母親の寝床だそうです。
ドラゴンって凄いんだな~と感心していた私に
ドラゴンの母親とヴォルフについて教えてくれた・・・
遠い、遠い昔、この世界が創世された時、創造主はこの地に魔獣や獣達を作った・・・
魔獣達は魔力は持っているが元は獣の為、普段から食べる事と寝る事だけを繰り返す生活を送っていた。
それは自分達の生活に興味は無かった為であり、そのせいなのか文明が発達せずに、この世界は何の成長もしなかった・・・
その様子を嘆いた、創造主が、魔獣達の生活を向上させる為にある生き物を創造した。それが人間だった・・・人間は知能を持った生き物で好奇心と知識欲にあふれていた。
そのお陰か、凄い勢いで成長し文明を作り上げていった。しかし人間は支配欲も強く・・・人間同士の争いに加えて、魔獣達を支配する事を考えるようになった・・・。
人間の文明の発達は凄まじく、従属させる魔道具を作るようになってしまった。そして、いつの間にか人間が魔獣を奴隷のように扱い虐げるようになっていった。
その事に怒った創造主は三体の神獣を作り出し、魔獣が安心できるまで守護するように命じた・・・。(あと、従属させる魔道具は全て破壊するように・・・言われてるんだって。)
そして、創造主は魔獣と人間が本当に心が通じあった時だけ一緒に生きていけるように契約をという力を作った。
その三体の内の二体がヴォルフとドラゴンの母親なんだって!!
でもこの話は遠い昔の話で、今は創造主からも、問題が起きなければ、自由に過ごしていいと言われている(後継者を作る事を条件に。)から気にするなって言われた・・・。
いや!無理だよね?だって神獣様だよ?!
『でもお前いつの間にか敬語とれたよな・・』
ハッ!本当だ・・・いつの間に・・・。
気づかなかった・・・
因みに三体の神獣のは・・・
・黄金のドラゴン
(力を持った常識を知らないアホ)
・白銀のヴォルフ
・緋色のフェンリル
(夢みがちで猪突猛進な馬鹿犬?)
力関係は魔力の色と同じで、金→銀→赤
ヴォルフはずっと個性の強い神獣達に囲まれて毎日尻拭いの日々だったそうです。
よって本来なら関わりたくは無いとの事!
・・・けど、ほっておけないんだろな~フフフ
ヴォルフは今まで迷いの森の入り口付近で他のヴォルフ達に紛れて普通に暮らしていた・・・
(100年前に後継者も育て終わっていて今は、自由気ままな生活なんだって!)
でも、「黄金のドラゴンには常識が無い!!!きっとこの事態もあいつが何かやらかしたに決まってる!」とヴォルフは憤慨している。
ヴォルフとドラゴンに導かれるまま洞窟の内部を歩いていると・・・
『この先だよ!母上がいるの!・・・・・・』
ドラゴンが凄いスピードで走り出していった。
『はぁ・・・いいか。覚悟してお け・・・この先にいるのは常識を知らないアホだ。何が起こるかわからないぞ・・・』
「え?!それは大丈夫なのでしょうか?」
1番力を持っている方が常識を知らないアホって・・・怖ッ!
一体何が起こるって言うの?!
脅さないでよ・・・
私達は不安で少し足取りが重くなりながらも歩き続けて洞窟の最奥までたどり着いた・・・
そこにはドラゴンとその母親らしき眠っているドラゴンがいた。
うわあ~、ドラゴンも大きいと思ったけど、お母様はその倍だねー。
金色の鱗もお母様の方が濃いな・・・
私とレクスが神獣・黄金のドラゴンに圧倒されてぼけ~ッとしていると・・・ヴォルフが、
『起きろーーーーー!!!!!
一体何しやがったーーーーーーーーー!!!』
といきなりドラゴンの母親へ飛びかかって行った・・・
『痛いの治ってきた・・・ありがとう。』
・・・よかったね。安静にしてるんだよ?
『心配しなくても大丈夫だ!!!
そいつはドラゴンだ!角さえ抜ければあとは勝手に治っていく。図太い生命力なんだよ!ドラゴンって奴は・・・』
え?ヴォルフ、ドラゴン知ってるの?
『あぁ・・・知ってる。恐らくそいつの母親もな。』
『母上を知ってるの?・・・あのね、ずっと眠ってるの・・・助けて・・・どうしても起きないの』
ドラゴンは瞳からボタボタと涙を溢した・・・
『はぁ・・・心配しなくていい。俺が起こしに行ってやる・・・少し話さなくてはいけないようだしな。』
ヴォルフは怒っているようで・・・身に纏っている雰囲気がすごく重たい。
息をするのも苦しくなるような圧力だ・・・
私の事を心配そうに見ているレクスとモーガン隊長達に事情を説明した。
「この子の母親がずっと起きないんだって、それでヴォルフが知り合いだから起こしに行くって言ってるの・・・。」
・・・グイッ。後ろにいたドラゴンが私の背中をつついた・・・
『あのね、一緒に母上の所に行ってくれる?』
目をウルウルさせながら私を見つめる・・・
うッ・・・ドラゴンってモフモフとは違うのにその目やツルツルした鱗が好きになってきた。
うふふ~。可愛いなー。
お母様の所か・・・うん。良いよ~。一緒に行こうか!!!
私は安心したのか一気に魔獣愛が出てこようとしていた。
・・・トントン。肩が後ろから叩かれた。
「リーナー?一緒に行くの・・・?説明は?」
あ!また怖い顔をしてる・・・。
「・・・あのね、ドラゴンが・・・」
・・・・・・キーーンッ・・・・・・・・・
え?何か頭がグラグラする・・・
「ッ!リーナッ!!!」
レクスが私を引き寄せて抱き締めた・・・
何か周りの風景が歪んで見える・・・足も地面についているかわからない。
「リーナ・・・捕まってて・・・」
レクスも苦しそうに話ながら力を強めた・・・
私はレクスにしがみつきながら、訳のわからない気持ち悪さにたえた・・・
・・・・・・キーーンッ・・・・・・・・・
はぁ・・・頭が痛いのが治った・・・
「大丈夫?リーナ・・・痛い所はない?」
「・・・大丈夫・・・レクスは?・・・」
互いにケガをしていないのを確認して、とりあえずはホッとした・・・
周囲を見てみると岩のような物に囲まれていて、見た目や雰囲気は洞窟だ・・・
そして、今いる所には道があり、その先には光が見えるが、あれが外へ続いている道なのかもしれない。
『突然連れてきて悪かった。どうしても他の者達はここに連れて来る訳には行かなくて・・お前達なら問題ないかと思って無理矢理連れてきてしまった。巻き込んですまない・・・』
突然後ろから申し訳なさそうな声が聞こえてきたと思ったらヴォルフが話しかけていた・・・
側にはドラゴンもいて、キョロキョロを辺りを見回してる・・・
え?今のこの状況はヴォルフがやった事なの?連れてきたってここはどこ?!
私がこの状況に混乱していると側にいるレクスが、「え?!声が聞こえる・・・」と言ってる
『それは俺の声だ・・・。そいつの母親が作った特別な空間だから話せるのだろう・・・
貴重な事だぞ・・・・・・まあ、俺と契約を交わせば、俺とだけは話せるようになるだろうけどな。』
え?ヴォルフの声がレクスに聞こえてるの?!
ヴォルフは言うには・・・ここはドラゴンの母親が作った聖域で、その母親の寝床だそうです。
ドラゴンって凄いんだな~と感心していた私に
ドラゴンの母親とヴォルフについて教えてくれた・・・
遠い、遠い昔、この世界が創世された時、創造主はこの地に魔獣や獣達を作った・・・
魔獣達は魔力は持っているが元は獣の為、普段から食べる事と寝る事だけを繰り返す生活を送っていた。
それは自分達の生活に興味は無かった為であり、そのせいなのか文明が発達せずに、この世界は何の成長もしなかった・・・
その様子を嘆いた、創造主が、魔獣達の生活を向上させる為にある生き物を創造した。それが人間だった・・・人間は知能を持った生き物で好奇心と知識欲にあふれていた。
そのお陰か、凄い勢いで成長し文明を作り上げていった。しかし人間は支配欲も強く・・・人間同士の争いに加えて、魔獣達を支配する事を考えるようになった・・・。
人間の文明の発達は凄まじく、従属させる魔道具を作るようになってしまった。そして、いつの間にか人間が魔獣を奴隷のように扱い虐げるようになっていった。
その事に怒った創造主は三体の神獣を作り出し、魔獣が安心できるまで守護するように命じた・・・。(あと、従属させる魔道具は全て破壊するように・・・言われてるんだって。)
そして、創造主は魔獣と人間が本当に心が通じあった時だけ一緒に生きていけるように契約をという力を作った。
その三体の内の二体がヴォルフとドラゴンの母親なんだって!!
でもこの話は遠い昔の話で、今は創造主からも、問題が起きなければ、自由に過ごしていいと言われている(後継者を作る事を条件に。)から気にするなって言われた・・・。
いや!無理だよね?だって神獣様だよ?!
『でもお前いつの間にか敬語とれたよな・・』
ハッ!本当だ・・・いつの間に・・・。
気づかなかった・・・
因みに三体の神獣のは・・・
・黄金のドラゴン
(力を持った常識を知らないアホ)
・白銀のヴォルフ
・緋色のフェンリル
(夢みがちで猪突猛進な馬鹿犬?)
力関係は魔力の色と同じで、金→銀→赤
ヴォルフはずっと個性の強い神獣達に囲まれて毎日尻拭いの日々だったそうです。
よって本来なら関わりたくは無いとの事!
・・・けど、ほっておけないんだろな~フフフ
ヴォルフは今まで迷いの森の入り口付近で他のヴォルフ達に紛れて普通に暮らしていた・・・
(100年前に後継者も育て終わっていて今は、自由気ままな生活なんだって!)
でも、「黄金のドラゴンには常識が無い!!!きっとこの事態もあいつが何かやらかしたに決まってる!」とヴォルフは憤慨している。
ヴォルフとドラゴンに導かれるまま洞窟の内部を歩いていると・・・
『この先だよ!母上がいるの!・・・・・・』
ドラゴンが凄いスピードで走り出していった。
『はぁ・・・いいか。覚悟してお け・・・この先にいるのは常識を知らないアホだ。何が起こるかわからないぞ・・・』
「え?!それは大丈夫なのでしょうか?」
1番力を持っている方が常識を知らないアホって・・・怖ッ!
一体何が起こるって言うの?!
脅さないでよ・・・
私達は不安で少し足取りが重くなりながらも歩き続けて洞窟の最奥までたどり着いた・・・
そこにはドラゴンとその母親らしき眠っているドラゴンがいた。
うわあ~、ドラゴンも大きいと思ったけど、お母様はその倍だねー。
金色の鱗もお母様の方が濃いな・・・
私とレクスが神獣・黄金のドラゴンに圧倒されてぼけ~ッとしていると・・・ヴォルフが、
『起きろーーーーー!!!!!
一体何しやがったーーーーーーーーー!!!』
といきなりドラゴンの母親へ飛びかかって行った・・・
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