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魔界編
49.連絡手段が欲しい
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アキが回復する事、数日。
それだけかかるだろうと見越していた私は回復した聖剣で更に浄化を進めて畑を広げ、土地などに魔法を使い収穫量を増やしていた。
ちなみに今回は日々の浄化を聖剣が出来る程度に力を残して僅かながらだったが。
「国王ってアホっすね」
開口一番、アキが口にした言葉で全員が知ってるとばかりに項垂れながら頷いた。
どうやらもう自分が魔界を制圧した国として周囲に威張り散らせるとでも言わんばかりに小躍りしていたそうだ。ちなみにピーターの様子もキラが見に行ってくれていたらしく、その書類からは民を守る政策が見えたそうだ。
「やはり……埋もれさせるのは惜しいな……色んな意味で残念なところはあるが……」
「自由があって人付き合い少なくて、給金が良ければいいっすけど、あの国王は嫌っす」
アレス殿下がそんな事を言っていたら、アキからまさかの返答があり、アレス殿下は嬉しそうに顔を破綻させた。
「では乗っ取った後に、ですね」
フェスが冷静にそう言えば皆頷く。誰もあんな国王の元に居たくないと言うものだ。
「ナデシコの将来もあるし。私はアパレル程度だから良いけど、さすがに政策には不安しかないわ。元の国と比べちゃいけないだろうけどさ」
オトちゃんもそう言えば、アドレアも力強く頷いている。
ピーターがある意味で民を守る方面で動いているとしたら、そろそろ戻るだろうトリプルメーカー達と合流して何かしら策を立てるだろう。けれど……
「通信手段がないからなー……」
向こうと連絡が付かないと、作戦会議も難しいというもの。
「転送的なそういう能力があれば良かったっすけどねぇ」
「ちょっと詳しく」
「いや、さすがのルークでも、すぐには難しいと思うよ?」
さすがに今までないようなものだ。科学的根拠では到達できない領域でも魔法を使えば何とかなるかもしれない……けれど、レンジや冷蔵庫といったものとは全く別物だ。
だけど、興味をそそられたのか、ルークはアキと真剣に論議をかましている。向こうの漫画とか、本当に夢と希望が詰まった想像力豊かな産物なんだなーなんて思いながら聞いていると、アドレアも真剣に聞いて何やら口を出している。
物の移動や重量なんかな辺りが、今まで侍女として働いてきた視点ならではだろう。
そもそも、この国の人達はそんな事にも気がつかなかったのだろうか。
「じゃあ少しこもってくるわ!」
ルークはそう言い残すと、飛び出して行った。
「……伝書鳩とかある?」
「いっそキラ使えば良いんじゃない?」
「鬼っすか!」
確実な方法として私がそう提案すると、オトちゃんの答えにアキは悲鳴をあげた。
それだけかかるだろうと見越していた私は回復した聖剣で更に浄化を進めて畑を広げ、土地などに魔法を使い収穫量を増やしていた。
ちなみに今回は日々の浄化を聖剣が出来る程度に力を残して僅かながらだったが。
「国王ってアホっすね」
開口一番、アキが口にした言葉で全員が知ってるとばかりに項垂れながら頷いた。
どうやらもう自分が魔界を制圧した国として周囲に威張り散らせるとでも言わんばかりに小躍りしていたそうだ。ちなみにピーターの様子もキラが見に行ってくれていたらしく、その書類からは民を守る政策が見えたそうだ。
「やはり……埋もれさせるのは惜しいな……色んな意味で残念なところはあるが……」
「自由があって人付き合い少なくて、給金が良ければいいっすけど、あの国王は嫌っす」
アレス殿下がそんな事を言っていたら、アキからまさかの返答があり、アレス殿下は嬉しそうに顔を破綻させた。
「では乗っ取った後に、ですね」
フェスが冷静にそう言えば皆頷く。誰もあんな国王の元に居たくないと言うものだ。
「ナデシコの将来もあるし。私はアパレル程度だから良いけど、さすがに政策には不安しかないわ。元の国と比べちゃいけないだろうけどさ」
オトちゃんもそう言えば、アドレアも力強く頷いている。
ピーターがある意味で民を守る方面で動いているとしたら、そろそろ戻るだろうトリプルメーカー達と合流して何かしら策を立てるだろう。けれど……
「通信手段がないからなー……」
向こうと連絡が付かないと、作戦会議も難しいというもの。
「転送的なそういう能力があれば良かったっすけどねぇ」
「ちょっと詳しく」
「いや、さすがのルークでも、すぐには難しいと思うよ?」
さすがに今までないようなものだ。科学的根拠では到達できない領域でも魔法を使えば何とかなるかもしれない……けれど、レンジや冷蔵庫といったものとは全く別物だ。
だけど、興味をそそられたのか、ルークはアキと真剣に論議をかましている。向こうの漫画とか、本当に夢と希望が詰まった想像力豊かな産物なんだなーなんて思いながら聞いていると、アドレアも真剣に聞いて何やら口を出している。
物の移動や重量なんかな辺りが、今まで侍女として働いてきた視点ならではだろう。
そもそも、この国の人達はそんな事にも気がつかなかったのだろうか。
「じゃあ少しこもってくるわ!」
ルークはそう言い残すと、飛び出して行った。
「……伝書鳩とかある?」
「いっそキラ使えば良いんじゃない?」
「鬼っすか!」
確実な方法として私がそう提案すると、オトちゃんの答えにアキは悲鳴をあげた。
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