恋愛短編まとめ

よしゆき

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嘘をついたら彼女にされた 1

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 鈴音は地味で目立たない平凡な女子高生だ。そんな彼女が、いつも女子に囲まれているチャラい同級生の海斗になぜか「付き合ってほしい」と言い寄られている。絶対に本気ではないその告白は、断っても何度も繰り返された。いい加減やめてほしくて、鈴音の清楚なところが好きだと言う彼に、自分は清楚ではなく淫乱だと嘘をついた。すると本当に淫乱なら目の前でオナニーをしてみせるように要求されてしまった。
ただのエロです。


 現代 高校生 無理やり 淫語 美形×平凡



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 安藤鈴音あんどうすずねは地味で目立たない女子高生だ。良く言えば真面目で、悪く言えばつまらない。これといった取り柄もなく、成績も平均の少し上という程度だ。中身も平凡で、外見も平凡。そんな生徒だった。
 その、スカートは校則を律儀に守り入学時からずっと膝下十センチ、化粧もせず、染めていない黒髪はただ邪魔にならないよう後ろで纏めているだけという、極めて地味な鈴音に、なぜか付きまとう生徒がいる。
 江崎海斗えざきかいとという、男子生徒だ。学年は同じだが、クラスは違う。けれど鈴音は入学当初から彼の存在を知っていた。地味で目立たない鈴音とは逆に、彼は常に注目を集める存在だった。
 完璧なルックス。染められた髪。耳にはピアス。着崩した制服。常に女子生徒を侍らせ、取っ替え引っ替え手を出していると噂になっている。
 そんな、鈴音とは正反対の海斗が、ある日突然、「付き合って」と言ってきたのだ。
 もちろん鈴音は本気にしなかった。きっとゲームかなにかなのだろう。鈴音が付き合うかどうか、友達と賭けでもしているのだ。きっと地味な生徒の中から適当に捜して選ばれたのが鈴音なのだ。
 当然悩むことなく断った。彼らの遊びに付き合わされるなどごめんだ。
 だが、一度断ったのにもかかわらず、それから海斗は毎日のように鈴音の前に現れるようになった。そして「付き合ってほしい」と言ってくるのだ。言われるたびに鈴音は丁重にお断りした。
 最初はしつこいな……程度に思っていたのだが、さすがに一ヶ月もつづくとうんざりしてきた。海斗に対して苛立ちを感じ、鈴音の態度もぞんざいになっていった。
 今日も放課後、彼に空き教室に連れ込まれ、いつものように同じセリフを言われていた。

「お願い、すずちゃん、俺と付き合って」
「お断りします」
「えー、なんでー、付き合おうよー」
「嫌です」

 こんなにしつこいということは、それだけ賭けている金額が大きいのだろうか。それとも、簡単に落ちると思っていた女がなかなか落ちないから意地になっているのか。
 どちらにしろ、鈴音は彼と付き合う気は一切ない。何度言われても答えは変わらない。金を払われたって嫌だ。
 いい加減、諦めてほしい。一応気を遣ってくれているようで、人目のある場所で声をかけてくることはなかった。もし誰かに二人きりのところを見られでもしたら、きっとすぐに噂になってしまう。彼のファンは多い。鈴音はその女子達から嫌がらせを受けることになるだろう。
 人目は避けているが、それでもこんなに頻繁に会っていたら、いつかバレてしまうかもしれない。鈴音はそれを恐れていた。
 彼はどうしたら諦めてくれるのだろう。彼を諦めさせるいい方法はないか。鈴音は頭を悩ませていた。

「ねーねー付き合おうよー」

 いかにもチャラそうな、誠実さの欠片もない彼の態度にイライラする。
 鈴音は睨むように海斗を見た。

「江崎くん、どうしてそんなに私と付き合いたいんですか?」

 どうせ誰かと賭けでもしてるんだろう。
 海斗はきょとんとして、

「もちろん、すずちゃんのことが好きだからだけど」

 あっさりと、そんな嘘をつく。
 正直に、付き合うかどうか賭けてるんだ、とは言えないだろうけど。
 もううんざりだ。

「私のどこが好きなんですか?」
「うーん、そうだなー、清楚なところとか? 清純そうなとこ?」

 きっと適当に答えたのだろう。鈴音のことなど、本心では地味でつまらない好きなところを訊いてくるような面倒臭い女だと思っているに違いない。
 そう思い込んでいる鈴音はその嘘を利用することにした。

「江崎くん、私清楚じゃありません」
「そうなの?」
「そう、全然清楚じゃないです。寧ろ清楚や清純とは真逆の人間です」
「つまり淫乱ってこと?」
「え、そ、そうです!」

 清楚の反対は淫乱なのだろうか。わからないけれど、もうそれで押し通すことにした。
 
「すずちゃん、淫乱なの?」
「そう、淫乱なんです。だ、だから……」
「へえー、そうなんだ」

 海斗がにんまりと笑う。その悪辣な笑みに、ぞくりと悪寒が走った。
 自分は間違えたのかもしれない。でも、今更引き返せない。

「そっか。じゃあ、すずちゃんもオナニーするんだ?」
「は、え……!?」
「淫乱なんだから、それくらいもちろんしてるよね」
「な、なんで、そんなこと、江崎くんに言わなきゃ」
「言えるよね、淫乱なら。下ネタも平気で応えなきゃ、淫乱なんて言えないでしょ」
「っ……し、してます」

 嘘だった。本当は一度もしたことがない。でもここで否定したら、嘘が成り立たなくなる。
 海斗は笑みを深めた。ニヤニヤとした笑みも、顔がいいせいかいやらしく見えない。

「ふーん、やっぱりしてるんだ。ねえ、どれくらいの頻度でしてるの? 淫乱だから、たくさんしてるよね?」
「そ、それは……」

 普通、自慰とはどれくらいの頻度で行うものなのだろう。人それぞれなのだろうけど。月に数回では少なすぎるのか。週二とかだろうか。でも淫乱を自称するならもっと多めに言った方がいいのかもしれない。

「し、し、週に、五回くらい、かな……」
「へえー、そうなんだ! すずちゃんは、週に五回もオナニーするんだ」

 海斗はとても楽しそうだ。
 なんだかどんどん墓穴を掘っている気がする。どうしよう。ここにいてはいけない。早く彼から逃げなくては、とんでもないことになりそうだ

「あ、あの、もういいですよね。私、もう帰……」
「だめだよ、すずちゃん。逃げようとしちゃ」

 ドアに向かおうとする鈴音の腕を、海斗が素早く掴んだ。

「べ、べ、別に、逃げるわけでは……」
「そう? じゃ、すずちゃんが本当に淫乱かどうか確かめさせてくれるよね?」
「……え、は……!?」

 海斗はポカンとする鈴音を軽々と持ち上げ、室内にあった長机の上に乗せた。

「な、なな、なに……!?」
「ここで、俺の目の前で、オナニーしてみせてよ」
「は、な、なに、なに言って……」
「淫乱ならできるよね、それくらい」
「そ、そそ、そんなこと、できるわけ……」
「できるよ。本当に淫乱ならね。淫乱なら、同級生にオナニー見せつけるくらい喜んでするでしょ」
「や、やだよ、そんなの……」
「どうして? すずちゃんは清楚じゃないんでしょ? すずちゃんが言ったんだよ、自分は淫乱だって。自分から淫乱だって言うくらいだもん、できるよね?」

 できない。そもそもしたこともないのに、人前でできるわけがない。
 今なら間に合うかもしれない。今すぐ嘘をついたことを白状して謝れば、許されるのではないか。
 
「あ、あの……」

 震える声を絞り出す鈴音に、海斗はぐっと顔を近づけて言った。

「まさか、嘘だったなんて言わないよね? あんなにはっきり、自分は清楚じゃなくて淫乱だって言ったのに。今更、違うなんて言うわけないよね?」
「…………」

 喉が詰まったように、声が出せなくなった。
 海斗は笑顔だった。穏やかと言っていい、優しげな笑顔。しかし彼の纏う空気は、穏やかとは程遠いものだった。
 もしここで、嘘だったと認めたら、なにをされるかわからない。
 言い知れぬ恐怖を感じ、鈴音はなにも言えなくなった。
 どうしてこんなことに。まさか自分の嘘が原因で、こんなことになるなんて。

「すずちゃん?」
「あ……」
「オナニー、できるよね?」
「…………はい」

 できないとは、言えなかった。
 海斗はにっこり微笑む。

「じゃあほら、膝立てて脚開いて」
「ひぃっ……」

 ガバッと脚を開かれ、鈴音は悲鳴を上げて赤面した。
 その反応に、海斗はクスクスと笑う。

「すずちゃんは淫乱のくせに恥ずかしがり屋だなー」
「うぅ……」
「淫乱なんでしょ、早く見せてよ。スカート捲って、パンツ脱いで」

 今すぐ逃げ出したい。でも、怖くて逃げることもできなかった。それに、彼から逃げることは難しいだろう。なんの運動もしていない鈴音と違い、海斗はジムだかどこだかに通って体を鍛えていると小耳に挟んだことがある。
 逃げられないのだ。実感して、絶望的な気持ちになった。

「楽しみだなー、すずちゃんのオナニー」

 彼は本当に楽しそうだ。
 きっと、鈴音を辱しめるのが楽しいのだ。今までずっと告白を断ってきた鈴音に、仕返しをしようとしているのではないか。
 どんどん不安になってきた。
 もし仕返しだとしたら、この程度では済まないかもしれない。鈴音が自慰をする様を、友達にも見せてからかおうとしているのではないか。ひょっとしたらドアの向こうに、誰かがいるのでは。この教室内に誰かが隠れているのではないか。もしそうだとしたら。自慰をする姿を見られ、笑い者にされる。そんなことになったら、もう学校に来れない。
 鈴音は忙しなくきょろきょろと辺りを見回し、人が潜んでいないかを確かめた。見た限りどこにもいなかった。隠れているのだから、見えないのは当たり前だ。
 部屋の隅々、天井にまで視線を向けて確認する鈴音を見て、海斗が声を立てて笑う。

「そんなに心配しなくても、他に誰もいないよ」
「っ……」

 声に出していないのに、どうして鈴音の考えがわかったのだろう。

「この教室、人が隠れられる場所なんてないでしょ」

 確かに、この教室に置いてあるのは長机と椅子くらいで、人が隠れられるような棚やロッカーはない。カーテンは閉められているので、窓から見られることもない。ドアはぴったりと閉じられていて、隙間から誰かが覗いているということもない。

「大丈夫だよ。淫乱なすずちゃんは誰にも見せないから。俺しか見てないから、安心してオナニーしていいよ」

 安心できる要素など一つもない。

「……すずちゃんて、考えてること全部顔に出てるよね」
「!」
「可愛い、すずちゃん」
「…………」

 鈴音は口をへの字に結ぶ。
 可愛いだなんて、絶対思ってないくせに。そうやって鈴音をからかって馬鹿にして、心の中で笑っているのだ。
 
「ほら、すずちゃん。拗ねてないで早く見せてよ。終わるまで帰れないよ?」
「う……」

 逃げられないのなら、早く終わらせてしまうしかない。
 鈴音はそろそろと膝を立ててスカートを捲った。
 これだけで物凄い羞恥に襲われ、早くも心が折れそうだった。
 そんな鈴音を、海斗は更に追い詰めていく。

「はは、かーわいい、すずちゃんのしましまパンツ」
「っ……」
「可愛いパンツがすずちゃんのエッチな汁でぐちょぐちょになるのも見たいけど、今は邪魔だから脱ごうね」
「ぬ、脱がなきゃだめ……?」
「脱がなきゃ見えないよ。すずちゃんはオナニー見られて悦ぶ淫乱なんでしょ?」

 なんで淫乱だなんて言ってしまったのだろう。後悔しても、もう遅い。
 震える手で下着を脱いだ。隠すように脚を閉じると、すかさず海斗からダメ出しされる。

「脚は開かなきゃ」
「うぅ……」
「見せつけるように、もっとちゃんと開いて。すずちゃんは淫乱だから、見られて嬉しいよね?」

 嬉しいわけがない。恥ずかしすぎて死にそうだ。羞恥心で死ねるなら、鈴音は死んでいるかもしれない。
 机の上に座って、M字開脚して同級生に恥部を見せつけている。
 とんでもない状況に、頭がくらくらした。

「すずちゃんの処女まんこ、丸見えだね。処女なのにおまんこ見せつけるなんて、すずちゃんは本当に淫乱なんだね」
「ふっ……う……」
「早く見せて? すずちゃんはどんな風にオナニーするの? 俺がじっくり見ててあげるからね」
「…………」
「すずちゃん? できないの? できるよね?」
「……は、はい……」

 海斗の圧力に逆らえず、鈴音は下半身に手を伸ばした。
 経験はないが、知識なら少しだけある。クリトリスという器官があって、そこで快感を得られるのだと。
 恐る恐る指を這わせ、秘所を探る。

「ひっ……」

 指で探り当て、触れた感覚が強すぎてびくりと肩が跳ねた。
 ここがそうなのだろうと確信し、鈴音はそこを指で擦った。

「んんっ、い……っ」

 陰核は敏感すぎて、軽く触れても痛みを感じた。
 痛いだけで、快感はない。自分の知識は間違っていたのだろうか。どれだけここを弄っても、快感を得られるとは思えなかった。

「すずちゃん、乾いたままじゃ痛いでしょ」
「え……?」

 海斗は鈴音の手を取り、パクリと指を口に含んだ。

「ななな、なにを……!?」
「ん、ちゅ……すずちゃんの指、小さくて可愛い」

 鈴音に見せつけるように、海斗はねっとりと指に舌を絡ませた。
 目の前の光景に、ぞくりと震えが走る。一気に体の熱が上がった。
 唾液が滴るほどに舐めてから、海斗は口を離した。唾液まみれの鈴音の手を、再び陰部へ導く。

「ほら、もう一回弄ってごらん」
「ひぃんっ」

 海斗に手を捕まれ、指で花芽を擦らされる。途端に、快感が走り抜けた。
 先程と全然違う感覚に、鈴音は戸惑った。痛いだけだったのに、今は少し撫でただけで快感に体が震える。
 海斗の手が離れた。

「じゃあ、好きなように弄っていいよ」
「っ……ん、は……」

 はじめての快感は強烈すぎて、鈴音は指で優しくさすることしかできなかった。緩い快感に、とろりと蜜が溢れるのを感じた。
 海斗の視線が突き刺さる。
 気持ちいいけれど、彼の存在が気になってそれどころではない。それでも鈴音は懸命に自慰をつづけた。でも、いつまでつづければいいのだろう。

「江崎くん、あの、もう、終わってもいい……?」
「だめだよ、まだ全然オナニーできてないじゃん。すずちゃんがイくまでつづけて」
「ええ……!?」
「淫乱は見られて興奮するんだから、すぐにイけるよね?」

 そんなの無理だ。オナニー初体験の鈴音には、いくという感覚がわからない。

「頑張ってよ、すずちゃん。そんな弄り方じゃいつまで経っても終わらないよ? もっと自分の気持ちよくなれる触り方で弄んなきゃ」
「ふぅっ……んん……」

 そんなこと言われても、したことがないのだからわからない。
 けれどわからないなりに、擦ったり押し潰したりもしてみた。確かに快感は感じるが、絶頂に至るようなものではない。焦りが生まれ、そのせいで余計に快感は遠退いていく。このままでは、永遠に終われる気がしなかった。
 
「江崎くん、だめ、無理です……い、いけない……」
「なんで? 週五でオナニーしてるなら、簡単でしょ」
「で、できない……ごめんなさい、許して……」

 鈴音は遂に涙を流して許しを求めた。

「しょーがないなー。じゃあ、俺がしてあげる」
「え……?」

 止める間もなく、海斗の顔が下肢に近づく。
 ぎょっとする鈴音の陰核を、彼は躊躇いなく舐めた。

「ひあっ、なに、なにして……っ」
「ほら、これならイけるでしょ」
「きゃうぅっ、だめ、それだめ、あぁっ」

 ぬるぬると舌で小さな粒を舐め回される。目も眩むような快楽に、鈴音はあられもない声を上げて身悶えた。
 自分で弄るのとは比べものにならない快感に、怯え、戸惑いながらも、体は抗えない。花弁の奥から、とぷとぷと蜜が零れた。
 どんどん快感が強くなる。上り詰めていくような感覚に、鈴音は狼狽した。

「あぁっ、だめ、や、だめなのっ、もう離してっ」
「そろそろイけそう? イッていいよ」
「やぁっ、だめ、あっ、あっ」

 内腿が痙攣する。
 怖くて止めてほしいのに、海斗はしっかりと腰を掴み、更に強い刺激を鈴音に与えた。
 舌で押し潰し、強く吸い上げる。
 鈴音はぶるりと腰を震わせた。

「あっ、〰️〰️〰️〰️!!」

 頭が真っ白になる。
 自分の身になにが起きたのかわからなかった。
 海斗の顔が下肢から離れても、鈴音は動けない。
 呆然とする鈴音の頭を、海斗が撫でた。

「よしよし、ちゃんとイけたね」
「あ……」

 よかった。これで終わったのだ。
 鈴音はほっと肩の力を抜いた。

「じゃあ次は、中でイこうね」
「え…………?」

 なにを言われたのかわからず、ポカンとする鈴音の秘所に海斗の指が触れた。

「すごいね、すずちゃんのおまんこびしょびしょだ」
「な、なに、やだ、触らないで……っ」
「だーめ。淫乱すずちゃんがクリだけじゃなくておまんこでもイけるように、俺が教えてあげる。そうしたら、オナニーももっと楽しめるよ」
「なに言って……やだ、そんな……」
「嬉しいよね? すずちゃんは淫乱だから」
「ひんっ」

 ずぷっと、蜜口に指を差し込まれた。

「あー、やっぱ狭いね、指一本でもぎゅうぎゅうだ、すずちゃんの処女まんこ。オナニーしまくってるくせに、中は全然弄ってないんだね」
「ひやっ、だめ、動かさないで……っ」
「大丈夫。痛くはないでしょ?」
「へん、へんだも……やだぁっ」

 いやいやと首を振るが、海斗は笑うだけで取り合ってくれない。

「じゃあ、自分でクリ擦って。そこは気持ちいいでしょ」
「いやっ、あっ、やなの……っ」
「ほら、俺の指でおまんこズブズブされながら、さっきみたいにクリ弄ってオナニーしてごらん」
「そんな、できないぃ……っ」
「できるよ、すずちゃんは淫乱だから」

 海斗に手を取られ、無理やりそこへ導かれた。
 できない、と首を振れば、海斗は唇の端を吊り上げる。

「うーん。もしかして、すずちゃんはもっとギャラリーがいた方が盛り上がるのかな? 淫乱なんだもんね。俺一人じゃ物足りないの? それならもう一人くらい適当に捕まえてここに呼ぼうか?」

 とんでもないことを言われ、鈴音はぶんぶんと大きく首を横に振った。ちぎれるくらいの勢いで。

「やだやだやめて!」
「でもすずちゃん、俺一人じゃやなんでしょ?」
「江崎くんだけがいい!」

 鈴音の言葉に海斗はにっこり笑う。

「よかった。それじゃあ、俺の言う通りにできるよね?」
「…………」
「おまんこずぼずぼされながら、クリちゃんこりこりして気持ちよくなれるよね?」
「……はい」

 頷くしかなかった。断れば、他の誰かをここに呼ばれてしまう。それだけは避けたかった。
 鈴音は指で陰核を擦る。同時に、膣穴の指を動かされた。
 最初は違和感しか感じなかったのに、指で中を擦られるたび、むずむずした感覚に襲われる。それが怖くて、陰核を擦る指に力が入った。途端に快楽に塗り潰され、鈴音は嬌声を上げた。

「んあぁっ、あっ、あっ」
「気持ちよさそうだね、すずちゃん。うん、いっぱい濡れて柔らかくなってきた。もっと奥まで入れるよ」

 ぐちゅりと音を立てて、指が更に深く埋め込まれる。そのまま、ぐるりと指を回された。探るように動く指の腹がある箇所を撫で上げた瞬間、鈴音は目を見開いて身悶えた。

「ひあぁっ……!」
「ここ、気持ちいい?」
「ぃやっ、あぁっ、なに、やだぁっ」
「いい反応だね、すずちゃん」
「やっ、しないで、そこ、触っちゃだめぇっ」
「ちゃんとおまんこで気持ちよくなれたね。中でイけるように、いっぱいぐりぐりしてあげる」
「んひぃっ、ひあっ、らめ、やあぁっ」

 陰核を擦る余裕もなくなり、鈴音は与えられる快感にただ声を上げ身をくねらせた。ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が絶え間なく耳に届き、音が鳴るほど愛液を分泌させてしまっていることに耐え難い羞恥を感じた。嫌だと言いながら、体は確かに快楽を感じているのだと思い知らされる。
 鈴音の気持ちなどお構いなしに、寧ろ追い詰めるように海斗は敏感な箇所を攻め立てた。

「あぁっ、だめ、だめだめっ、あっ、もうっ」
「ん、いいよ、処女まんこでイッてるすずちゃんのエロい顔、俺が見ててあげるからね」
「いやぁっ、あぁっ、やだぁ……っ」

 必死に耐えようとするが、我慢できるはずもなく、鈴音は導かれるままに絶頂を迎える。

「あっ、あ──ッ!!」

 埋められた指を強く締め付け、ガクガクと腰を揺らす。
 はしたなく脚を広げ快楽に果てる鈴音の痴態に、海斗の視線が絡みつく。
 羞恥に涙が零れた。
 もう嫌だ。早く解放されたい。
 今度こそ、これで終わりだと鈴音は思った。
 けれど埋められた指が引き抜かれることはなく、逆に指を増やされた。
 鈴音は愕然として海斗を見る。

「やだ、もう抜いて、指抜いて……っ」
「だめだよ。ちゃんと指で広げないと、すずちゃんの処女まんこに俺のちんこ入らないでしょ」

 笑顔で告げられた言葉の意味を、理解できない。理解したくない。

「なに、なんで、やだ、もうやだ、しないで、許して……」
「なに言ってんの、すずちゃん。すずちゃんは淫乱なんだから、ちんこもらえたら嬉しいよね?」

 話しながらも海斗は指を動かす。抜き差ししながら中を掻き回し、更に指を増やされる。
 本当に、広げられている。
 鈴音は怯えた。

「やだっ、んんっ、やめて江崎くんっ……お願……んあぁっ」
「嫌なの、すずちゃん?」
「いやっ、やだ、江崎くんっ」
「やっぱりすずちゃんは淫乱だから、俺のちんこ一本じゃ足りないんだ?」

 海斗の悪辣な笑みに、鈴音はゾッとした。
 恐怖を与えているのは海斗なのに、鈴音は彼に泣いて縋るしか助かる方法がない。

「やだっ、お願い江崎くん」
「なあに? すずちゃんがお願いするなら、何人でも呼んであげるよ」
「いや、だめ、誰も呼ばないでっ」
「でも淫乱すずちゃんは、俺だけで満足できるの?」
「江崎くんだけがいいの、お願い……っ」

 鈴音の哀願に、海斗は微笑んだ。
 嬉しそうな彼の笑顔は、見惚れるほど綺麗だった。こんなときなのに、だから彼はモテるんだろうな……なんて頭の隅で考えていた。

「そろそろ大丈夫かな。まあ、痛いだろうけど」

 たっぷりと時間をかけて丁寧に膣内を解し、海斗は漸く指を抜いた。
 その頃には、散々に喘がされた鈴音は既に疲労困憊だった。ぐったりと体から力を抜き、浅い呼吸を繰り返すことしかできない。
 それでも、これで終わったわけでないのだ。そんな現実信じたくない。けれど信じようと信じまいと現実は変わらない。

「はは、すずちゃんの顔、とろーんってしちゃってるね。これからが本番なのに」

 海斗は慣れた手つきで鈴音の両脚を抱えた。
 花弁に押し当てられる熱の塊に、鈴音はびくりと震える。確認しなくても、それがなにかはわかった。
 やっぱり怖くて、どうにか逃げる方法はないかと考えるけれど、海斗は逃がしてくれる気はないようだ。

「すーずちゃん、ほら、俺の顔見て。淫乱すずちゃんの大好きなちんこ、入れてあげるからね」
「あ、ひっ……」
「おまんこいっぱい奥までずこずこしてあげる。淫乱すずちゃん、ちんこに病みつきになっちゃうかもね」
「やだ、怖いぃ……っ」

 先端がめり込んできて、鈴音は恐怖に震えた。
 宥めるように、海斗が鈴音を抱き締める。

「大丈夫だよ、怖かったら俺にしがみついていいから」
「ふっ……う……」
「鈴音、キスしよう」
「んんっ、あ……」
「口開けて、舌出して」

 怖くて、もうなにも考えられなくて、海斗に言われるまま、彼にしがみついた。キスをしたまま、口を開けて舌を伸ばす。
 優しいキスで怖がる鈴音を慰めながら、海斗がゆっくりと腰を進めてくる。

「んやっ、はっ、んんっ……痛っ、あっ、ふぅ……っ」
「鈴音、んっ……鈴音、大丈夫だよ」

 大きなもので胎内を貫かれる感覚に、鈴音は怯えた。けれど何度も甘い声音で名前を呼ばれ、優しく口付けられ、痛みと恐怖は徐々に薄れていった。ただ膣内がじんじんと熱を持って、疼きのような感覚を下腹部に感じる。

「く、きっつ……」
「ひっく……うぅ……お腹、いっぱいになってる……」
「はは、でも、まだ全部入ってないよ」
「え……もぅ、いっぱい、なのに……っ」

 これ以上ないくらい目一杯広げられている感じがするのに、まだ入ってくるというのだろうか。

「泣かないでよ、すずちゃん。ほら、すずちゃんの気持ちいいとこ、ちんこでぐりぐりしてあげる」
「ひゃあぁっ、や、だめ、硬いので、擦らないでぇ……っ」

 ごりごりと抉るように擦られ、鈴音は涙を流してよがった。

「は、そんなに気持ちいい? 俺のちんこぎゅうぎゅう締め付けて……んっ、俺も、気持ちいい……っ」

 色気を纏った囁きを耳に吹き込まれ、ぞくぞくっと体が震えた。同時に、膣内がぎゅっと締まる。

「くっ、はあ……すずちゃん、締めすぎ。そんなにいい? ちんこ気に入った?」
「違っ……あぁんっ、そこ、だめ、あぁっ、もうそこ、擦らないで、あっ、あっ」
「すずちゃんイきそう? ちんこでごりごりされてイくの?」
「ひうぅっ、あっ、らめ、あっ、あっ」

 感じる箇所を容赦なく攻められ、快楽の果てへとどんどん追い上げられる。
 亀頭で擦り上げられ、鈴音は呆気なく果てた。

「んあぁっ、あっ〰️〰️!!」
「っ……すっげー締め付け。はじめてで中イキなんて、さすが淫乱すずちゃんだね」
「んはっ、はっ、あぁっ、あっ」
「はは、いい顔だね、すずちゃん。すずちゃんの大好きなちんこ、全部入れてあげるね」
「ひぃっ……!」

 ずん、と陰茎を捩じ込まれる。ごちゅ、と先端が子宮口に突き当たった。

「あっ、あぁっ」
「ん、っは……どう? おまんこちんこでいっぱいにされて嬉しい?」
「ひぅっ、奥、奥まで、入ってるよぉ……っ」
「そうだねー。こうやって……っ、抜いたり、入れたり……っ」

 ずるりと肉棒が引き抜かれ、膣壁を擦りながらまた突き入れられる。

「ひぃんっ」
「っ……ちんこで、おまんこ擦られるのと……はっ、く……」
「ひああぁっ」
「んっ……こうやって、ちんこで、奥、ごりごりされるの、どっちが好き……?」
「んやあぁっ」

 ぐりぐりと硬い亀頭で子宮口を抉られる。
 擦られ、突かれ、膣内をぐちゃぐちゃに蹂躙される。鈴音はただ、与えられる悦楽に翻弄された。

「すずちゃん、答えてよ。どっちが好き?」
「んひっ、うぅ、わかんな、わかんないぃっ」
「はは、気持ちよすぎて泣いちゃうすずちゃん、可愛いね」
「んんぅっ……」

 海斗は抽挿を繰り返しながら、またキスをしてきた。
 舌を絡め、吸い上げられる。貪るような激しい口づけに、鈴音はされるがままだった。

「んぁっ、あぁっ、ん、ふぅ……っ」
「鈴音、はあっ、気持ちい……、ああ、イきそう……」
「ひぁうぅっ、あっ、そんな、いっぱい、擦っちゃ、やあぁっ」
「っく……嫌じゃなくて、気持ちいいんでしょ。はっ、いっぱい擦ってあげるから、一緒にイこうね……っ」
「ああぁっ、ひあっ、あっ、んっ」

 ガツガツと腰を打ち付けられる。激しく突き上げられているにもかかわらず、感じるのは痛みではなく深い快楽だった。
 強い快感に頭がおかしくなりそうで、鈴音は助けを求めるように海斗に縋りついていた。

「あっ、らめ、もう、あっ、あっ」
「んっ、俺も、イく……っ」

 一際強く貫かれ、鈴音は体を痙攣させながら絶頂を迎えた。同時に、埋められた陰茎がビクビクと跳ねるのを感じた。
 鈴音の気持ちとは裏腹に、膣内は搾り取るようにそれを締め付けた。

「っあー、すげ……」

 海斗が熱い吐息を漏らす。
 充分に襞の締め付けを味わってから、海斗は陰茎を引き抜いた。
 鈴音は呆然と、その光景を目に写す。
 いつの間に付けたのか全く気づいていなかったが、避妊具は装着されていた。今の今まで、そんなこと気にも留めていなかった。
 自分の危機感のなさに愕然としながら、きちんと避妊されていたことに胸を撫で下ろす。
 今度こそ、終わった。やっと解放される。
 体に力が入らない。もう指一本動かせない。
 鈴音は味わったことのない疲労感を感じながら、目を閉じた。



 それから数分後、鈴音は椅子に座った海斗の膝の上で横抱きにされていた。
 もう帰りたい。いい加減、放してもらえないだろうか。
 そうは思うものの、鈴音はなにも言わずぐったりと彼に身を預けていた。彼の機嫌を損ねると、なにをされるかわからない。
 おとなしく抱き締められる鈴音の頭を撫でながら、海斗は嬉しそうに言う。

「すずちゃん、俺と付き合ってくれるよね?」
「…………え?」

 鈴音は思わず海斗を見た。
 聞き間違いか、たちの悪い冗談だと思った。

「つ、付き合うって……」
「付き合うでしょ?」
「な、なんで……?」

 まるで鈴音が了承することが確定しているかのような言い方をされ、困惑する。
 鈴音は彼の告白を断った。成り行きでとんでもないことをされてしまったが、彼と付き合う気は一切ない。寧ろもう二度と関わりたくない。
 海斗はにっこり笑う。その笑顔にただならぬものを感じ、ゾクリと悪寒が走った。

「すずちゃんは、俺の彼女は嫌なんだ? セフレの方がいいんだね」
「へ……? なん、なんで……」
「だって俺達セックスしたのに、恋人にはならないんでしょ? じゃあセフレってことだよね? すずちゃんはその方がいいってことなんだよね?」
「違っ……そん……いや……」
「そうだよねー。すずちゃんは淫乱なんだもんねー。やっぱ俺だけじゃ物足りないかー」
「ななな、なに、違……」
「淫乱すずちゃんのために、たくさん紹介してあげるよ。いっぱいセフレができたらすずちゃんは嬉しいよね? 毎日色んな男のちんこ突っ込んでもらえるよ、よかったね」
「ややややだよ、そんなのっ」
「でもすずちゃん、俺の彼女にならないんでしょ?」
「そ、それは……」
「彼女じゃないなら、セフレになるしかないよね」

 滅茶苦茶なことを言われている。それはわかっている。でもここで対応を間違えれば、本当に取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。
 震える手で海斗の腕を掴む。

「ま、ま、待って……っ」
「うん?」
「や、やなの、それは……」
「彼女になるのが?」
「違う、彼女がいいっ、彼女になる……」
「嫌じゃないの?」
「嫌じゃないっ」

 もちろん嫌だけれど、背に腹はかえられない。

「彼女になったら、江崎くん以外の人と、あの……ああいうこと……しなくていいんだよね……?」
「セックス?」
「う、う、うん……」
「もちろんだよ。まさかすずちゃん、恋人の俺がいるのに、他の人とセックスしたいなんて言わないよね?」
「言わない! 絶対!」
「よかった」

 柔らかく微笑んで、ぎゅうっと鈴音を抱き締める。

「嬉しいな、やっとすずちゃんと恋人になれた」
「…………」

 鈴音は虚ろな眼差しで遠くを見つめた。
 どうしてこうなったのか。発端は自分の嘘だ。あのとき嘘をつかなければ、こんなことにはならなかった。
 安易に嘘はついてはいけない。
 鈴音はその教訓を胸に刻みつけた。



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