オッドアイを隠す公爵令息と城に囚われた王女

垣崎 奏

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「ねえ、シルヴィ」
「うん? どうした?」

 この屋敷に来てふたりで暮らすようになって、三ヶ月ほどが経った。湯浴みを終えて、いつもならすっとベッドに入るリーゼロッテが、ランプも消さないまま縁に座って、シルヴェストルを待っていた。

「……貴方と、交わってみたい」
「っ……」

 あまりにいきなりのことで、シルヴェストルは息を呑んだ。隣に腰を下ろし、ぎゅっと握りこんでいるリーゼロッテの両手を包んだ。

「どうして、そう思った?」
「ずっと、シルヴィに我慢させているわ」
「僕が我慢?」

 確かに、我慢はずっとしているが、リーゼロッテが気付くようなことは何もなかったはずだ。普通の生活を楽しんでいた彼女には、できる限り意識させないよう計らっていた。

「初めて会ったときのこと、覚えてる?」
「もちろん」
「貴方は、そのときから魔術師の交わりについて口にしていたわ」
「……それは、そうだね」

 否定しても、記録魔術で再生することができてしまう。魔術師というのは、時に面倒だ。

 シルヴェストルにとって、リーゼロッテはやっと見つけた、番になり得る相手だった。シルヴェストルは本に出てきた番の話に憧れ、気持ちが急いていた。

「でも、イコール交わりたいではなくなった。いや、交わりたいのは変わらないけど。ロッティの準備が整ってからでいい。そう感じたとしても、僕に合わせる必要はないんだ」
「いつまで経っても……」
「いいんだ、いつまでも待つから。ふたりでいられることに変わりはない」

 リーゼロッテを引き寄せ、ぎゅっと抱き締めた。彼女の体温はいつもあたたかいが、今夜は魔力が漏れている。制御を学んだ彼女が、魔力を放出している。シルヴェストルも放出させれば、魔力中和が起こる可能性もある。リーゼロッテが、シルヴェストルを意識してくれている。

 ぐんと、空にしたはずの自身が反応してしまう。ナイトウェアはそれなりに生地の厚いものだが、隠しきれないだろう。

「ロッティ?」
「上手く言えないのだけど、シルヴィにぎゅっとされるの、あたたかくて気持ちいいの。自覚してからどうも制御できなくて。せっかく教えてもらったのに、抑えられなくてごめんなさい」
「いや、それならむしろ……」

 シルヴェストルは腕の力を弱め、俯き気味なリーゼロッテを覗き込んだ。かあっと彼女の頬が染まり、目を見開いてしまった。

「あのね」

 声を掛けるとリーゼロッテは目を背けたが、手は預けたままでいてくれた。その小さな手を撫でながら、言葉を探す。

「魔術師の交わりは、魔力を放出し合うんだよ。全裸で、まあ必ずしも全裸じゃなくてもいいけど、身体を繋げる行為だ。弱点を晒し合うから、ハードルが高いのは分かる?」

 リーゼロッテが、こくんとひとつ頷く。

「魔術師にとって魔力を放出することは、その場にいることを知らせる行為でもある。だから、結界で空間を確保してからするのが普通で、途中で結界が切れると危険だ。一般人を巻き込むことになる」
「巻き込む?」
「魔力放出で、攻撃してしまう」
「っ……」
「きっと、小さいころに、無意識にしてしまっていただろうね。お世話されるときには、誰かに触れられなきゃいけなかったから。警戒されているのも、子どもながらに感じていたはずだよ。僕も魔力制御ができるようになるまではそうだった」

 撫でるだけだった手を包んで、体温を分け与える。特別冷えてはいないだろうが、気持ちのいい話をしているわけでもない。

「弱みを見せ合うことで、魔術師は強くなるんだ。ロッティが全てを明け渡してくれるなら、僕には応えられる用意がある」
「……うん、おねがい、します」

 リーゼロッテの髪をかき上げ、額にそっと口づけた。頬にもキスを落とし、唇を奪った。ぶわっと、彼女の魔力が溢れ出る。リーゼロッテが、意識してくれている証拠だ。心なしか、触れた唇が甘かった。

「可愛い、僕のロッティ」
「っ……」
「そんな顔しないで。これからもっと真っ赤になることをするんだから」

 リーゼロッテのナイトドレスも、シルヴェストルと同じ生地の分厚いものだ。魔術で破ってしまいたくなるが、怖がらせたいわけではない。せっかく彼女が心を向けてくれたのだ。気持ちが急くのを抑えつつ、ゆっくりとボタンを外していく。

 何も身に着けていないリーゼロッテを、ベッドへ寝かせた。同じく全裸になったシルヴェストルが、そっと身を重ねる。

「重くない?」
「平気……」

 裸であることを意識しているのか、リーゼロッテの目線はランプへ向けられていた。煌々と明るいわけではないが、恥ずかしいのだろう、すっと念じ、明るさを弱めてしまう。

 リーゼロッテがはっとして、シルヴェストルと目が合った。あえて逸らし、耳や首元に唇を這わせた。

「……言い忘れてた。痛かったり嫌だと思ったら、言って。絶対だよ」
「うん……」

 鎖骨にも、ちゅっとひとつキスをする。リーゼロッテの身体は骨張っているが、それでも柔らかかった。そっと胸を撫で、腹部や太腿にも触れつつ、突起に吸い付いた。

「ん……」

 ぴんと上を向き始めたそこを、シルヴェストルはちろちろと舐めた。リーゼロッテからの魔力放出は続いていて、敵意へは変化しない。

 少しずつ身体を離し、臍にも舌を這わせたあと、リーゼロッテの足を割った。真っ白な内腿にキスをひとつ落とし、腕に抱え身体を倒す。目の前の綺麗な割れ目に、息を吹き掛けた。

「っ……」

 リーゼロッテの魔力が、少し変わった。今まではあたたかかったが、冷えたような気がした。

「ロッティ?」
「ううん、なんでもないの」
「ロッティ」

 咎めるように声を掛ければ、慌てたように口をぱくぱくさせる。その小さな手で、顔を覆ってしまう。

「……あの、何をするのか、全く分からなくて」
「っ……」

 リーゼロッテが知らないのは当然で、他人へ晒すことのない部分を暴かれ、不安に思うのも自然だ。

「……ごめん、言葉で説明するのは難しい。記録魔術で見せるのもしたくない。進めさせてくれないか。魔力で突き飛ばしてくれてもいい」
「嫌よ、シルヴィにそんなことしたくない」
「僕も初めてで、ロッティが嫌なことをしない自信はない」
「『初めて』?」
「魔力の釣り合いが取れる人が、ロッティしかいないんだ。何をするかは読んだけど、行為自体は初めて」
「それなら、シルヴィ」
「うん?」

 リーゼロッテの魔力が、少し戻った。あたたかく故意に、シルヴェストルの身体にまとわりついてくる。指の隙間から、シルヴェストルを覗き見ているだろうか。

「貴方の魔力で、触れてほしい」
「もう少ししたら、嫌でも出るよ」
「今がいい」
「……気を張ってるから、強く触れるかもしれない」
「どうして『気を張ってる』の?」
「…………」

 暴発しないようにと言っても、リーゼロッテには通じない。露になったままの足を辿り、リーゼロッテの下腹部を撫で、魔力を流し込んでいく。

「わ……」
「分かる?」
「うん、あたたかい」

 リーゼロッテに、医療魔術を掛けた。行為を知らないということは、その結果が何をもたらすのかも理解していない。話せていないのだ、宿ってしまっては困る。

「……これから、ロッティのここに、僕のを入れるんだ」
「『入れる』」
「うん、違和感だらけだろうけど、痛くはないようにするから」

 身を屈め直し、蕾にちゅっとキスをする。この明るさではよく見えないが、多少濡れていてほしい。

 もう一度、口を寄せる。舌が触れるとともに、シルヴェストルの魔術がリーゼロッテに掛かっていく。リーゼロッテは顔に手を当てたままでいるが、少し足に力が入り、暴れ始めた。

「あっ、ん、シルヴィ……」
「うん?」
「何か、熱い……」
「僕の、気持ちだよ」

 リーゼロッテの足を引き寄せ、割れ目に自身を沿わせた。やはり、番なのだろう。少し魔力を流し込んだだけで、リーゼロッテは高揚し愛液が流れ、滑りやすくなっている。医療魔術のおかげで、リーゼロッテは痛みを感じにくいはずだ。

「んん……っ!」
「っ、は……」

 ゆっくりと、最奥まで押し広げた。身体にまとわりつくリーゼロッテの魔力には変化がない。痛みや苦しさも薄いのだろう。

 今ならリーゼロッテにも、シルヴェストルの魔力が触れているはずだ。初めての女性の中の感覚に、我慢を放棄するしかなかった。快感に、身を持っていかれそうになる。

「……ロッティ、平気?」
「うん……、これが?」
「そう。僕の魔力」
「きれい……」
「混じって、持ち主のところへ戻ってく。魔力中和だよ」

 リーゼロッテが手を伸ばし、魔力を掴もうとする。魔力には実体がなく、煙のように揺らいで指から逃げてしまうが、その行先はそれぞれの身体だ。

 魔力中和が起こると、生まれ持った魔力の総量を増やすことができる。強い魔術師ほど、魔力増強に相性の良い番を見つけている。

「ロッティ」
「んんっ」

 身体を倒し、ひさびさ見えたリーゼロッテの唇を奪った。腰を揺らし始めると、息が続かなくなってくる。その隙間から、舌を差し入れて驚いた。はっきりと、甘味を感じられたのだ。

「……やっぱり、番なんだろうね」
「ん、つがい?」
「気になる?」
「んっ」

 頬や耳、首へと移動しながら、ゆっくりと律動を続けつつ、リーゼロッテに聞かせる。

「番だと、より満たされるらしいよ。ロッティしか知らないし、確かめようはないけど」
「んっ!」

 シルヴェストルは身体を起こし、リーゼロッテの腰を掴んだ。引き抜いては最奥を狙って押し付ける。ぱんっぱんっと音が鳴り、放出の時が近付いてくる。

「あ、ん……、あっ、シルヴィ、なに、あ、んんっ!」
「っ、く……」

 リーゼロッテが身体を反るのとほぼ同時に、シルヴェストルも果てた。どくどくと波打ち、身体がぶるっと震える。赤く染まったリーゼロッテに倒れ込み、そのまま体重を預けた。

「はあ……」
「シルヴィ?」

 何も知らないリーゼロッテには、シルヴェストルがどれほどの自制をしてきたか、理解できないだろう。このまま入れていれば、きっと復活してしまう。ゆっくりと引き抜いて、リーゼロッテの横に寝転んだ。

「ロッティ、大丈夫だった?」
「うん、よく分からなかったけれど……」
「最後、気持ちよくなかった?」
「変な感じがした」
「そっか」

 頭を撫でて、目尻やまぶたにもキスをする。腰から臀部を撫でながら回復魔術を掛けると、リーゼロッテが寂しそうに口元を緩めた。

「私、気付いていなかったわ」
「ん?」
「このあたたかさは、いつも感じていたのに」
「なに?」
「貴方の魔力よ。回復魔術として常にまとっていたのに、交わるまで分からなかった」
「それでいいんだよ、ロッティは頑張ってる」

 リーゼロッテには、魔力制御ばかりを教えていた。実際、買い物など街に下りるには、そのスキルが一番必要になるからだ。

 交わりでの放出でも、結界に異常は出なかった。魔力をコントロールして使い始めれば、シルヴェストルの魔力がこの屋敷の至るところにあると、リーゼロッテにも感じられるようになるだろう。

「それで、私に何をしたの?」
「『何』?」
「交わりって、結局どうすることなの?」

 何も教えてこなかったのは、シルヴェストルだ。リーゼロッテが知りたがるのも無理はない。結局、交わりについて説明することになったシルヴェストルは、キスや愛撫をしつつ言葉で伝え、夜通しリーゼロッテを抱いた。
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