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3 : 武術や魔術の訓練がイジメですの?
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「そうだね。
僕の可愛いユーティリカを、物理的にも心理的にも傷付けておきながら...誠意の欠片も見られない婚約者なんて、必要無いよね?
ただ、こちらからユーティリカの怪我について報告しても、謝罪はおろか事実の確認すらしない王家も学園もあり得ないよね。
自分達は報告されていなかったから知らなかったんだとか言われても、納得できないよね。
だってさ?公爵家からの手紙を、使用人が握りつぶしたとでも言うつもり?
そんなことをする人間を使用人として雇っているのなら、それもあり得ないよね。
ちゃんと探し出して処罰してもらわないと!
それに、無罪のユーティリカを謂れの無い罪で断罪しようとした殿下方を、そんな軽い処罰なんかでは許しておけないよねぇ?」
「お兄様、大丈夫ですわ!
第2王子殿下が、自らこのような醜態を晒されたのですよ?
お優しい陛下の事ですもの...この婚約自体、無かったことにしてくださいますわ!!
婚約破棄だなんて、女性にとって大変な不名誉ですもの......私に何の咎も無いのに、破棄するだけなんて有り得ませんでしょう??」
「それもそうか...良かった!!
僕の可愛いユーティリカは、なんて賢いんだろう!!
此度のこと、陛下が破棄だけで済ませられるようなら、色々と...ね?それはもう、色々とね?
どうしようかなーって考えていたのだけれど、全部は実行しなくても済みそうかな??」
「ええ、きっとそうですわ!!
きっと、被害者である私にとって、最善となるように取り計らってくださいますわ。」
艶やかな黒髪のショートカットに薄紫色の瞳という私と同じ色をしたお兄様は、やっぱり、録でもないことをたーんまりと考えておりましたのね?
どす黒オーラを放つだけで、他はとても大人しくされていらっしゃいましたのに、このタイミングで出て来られたのは陛下に釘を刺すためでしたのよね...?
少し冷や汗を掻いた陛下に向けられた笑顔は、良い笑顔ですわ.....流石自他共に認める腹黒ですわね。
「まっ、まだ!その女の罪はあります!!」
「そぉですわぁー!
まだぁ、裁判?はぁ終わってぇませんのよぉ?」
イラッ!!としますわね、その喋り方...全く、空気読めや!ハッ!...失礼いたしました。
少々お言葉が悪うございましたわね。
始まってからずーっと、悉く、断罪に失敗してきたのだから、そろそろ諦めてくださればよろしいのに...まだ続けますの?
私との婚約は無かったことになりますのに、まだ無意味な時間を過ごしますの?
元々低かった殿下の株を、下げるだけなのに?
「......ハァー、まだ続けるのか?
これまでの事といい、全てが、お前の勘違いや思い込みであろう?」
「いいえ!!これこそが、その女の本性です!!」
「やらせてみては如何です?
殿下は、余程自信がおありのようです。
僕等としても、憂いは残したくありません。
さあ...どうぞ?」
「だが、」
「断罪を続ける!!お前達は、席に戻れ!!」
「「そう致します。」」
「「そう致しましょう。」」
にっこりと笑ってはいますが、お兄様が獲物を見付けた猛禽類のような獰猛な目をしているのに、全く気付いてませんわね。
表面上のにこやかな笑顔に、惑わされておりますわ。
何故か自信を取り戻したらしい殿下が、陛下の言葉を遮って先生方と学園長、そして一歩も動いていないお兄様に命令なさいます。
本来ならば、学園長もお兄様も、第2王子殿下ごときが命令出来るような人間ではありませんのに、命知らずにも程がありますわね。
後で後悔されても、もう遅いのですけれど......教えて差し上げる義理などございませんわ。
「..........ハァー。では、申せ。」
一気に老け込んだ陛下は、頭痛がするのか頭を押さえながらも進行します。
陛下...溜め息は幸せを逃しますわよ?
*
僕の可愛いユーティリカを、物理的にも心理的にも傷付けておきながら...誠意の欠片も見られない婚約者なんて、必要無いよね?
ただ、こちらからユーティリカの怪我について報告しても、謝罪はおろか事実の確認すらしない王家も学園もあり得ないよね。
自分達は報告されていなかったから知らなかったんだとか言われても、納得できないよね。
だってさ?公爵家からの手紙を、使用人が握りつぶしたとでも言うつもり?
そんなことをする人間を使用人として雇っているのなら、それもあり得ないよね。
ちゃんと探し出して処罰してもらわないと!
それに、無罪のユーティリカを謂れの無い罪で断罪しようとした殿下方を、そんな軽い処罰なんかでは許しておけないよねぇ?」
「お兄様、大丈夫ですわ!
第2王子殿下が、自らこのような醜態を晒されたのですよ?
お優しい陛下の事ですもの...この婚約自体、無かったことにしてくださいますわ!!
婚約破棄だなんて、女性にとって大変な不名誉ですもの......私に何の咎も無いのに、破棄するだけなんて有り得ませんでしょう??」
「それもそうか...良かった!!
僕の可愛いユーティリカは、なんて賢いんだろう!!
此度のこと、陛下が破棄だけで済ませられるようなら、色々と...ね?それはもう、色々とね?
どうしようかなーって考えていたのだけれど、全部は実行しなくても済みそうかな??」
「ええ、きっとそうですわ!!
きっと、被害者である私にとって、最善となるように取り計らってくださいますわ。」
艶やかな黒髪のショートカットに薄紫色の瞳という私と同じ色をしたお兄様は、やっぱり、録でもないことをたーんまりと考えておりましたのね?
どす黒オーラを放つだけで、他はとても大人しくされていらっしゃいましたのに、このタイミングで出て来られたのは陛下に釘を刺すためでしたのよね...?
少し冷や汗を掻いた陛下に向けられた笑顔は、良い笑顔ですわ.....流石自他共に認める腹黒ですわね。
「まっ、まだ!その女の罪はあります!!」
「そぉですわぁー!
まだぁ、裁判?はぁ終わってぇませんのよぉ?」
イラッ!!としますわね、その喋り方...全く、空気読めや!ハッ!...失礼いたしました。
少々お言葉が悪うございましたわね。
始まってからずーっと、悉く、断罪に失敗してきたのだから、そろそろ諦めてくださればよろしいのに...まだ続けますの?
私との婚約は無かったことになりますのに、まだ無意味な時間を過ごしますの?
元々低かった殿下の株を、下げるだけなのに?
「......ハァー、まだ続けるのか?
これまでの事といい、全てが、お前の勘違いや思い込みであろう?」
「いいえ!!これこそが、その女の本性です!!」
「やらせてみては如何です?
殿下は、余程自信がおありのようです。
僕等としても、憂いは残したくありません。
さあ...どうぞ?」
「だが、」
「断罪を続ける!!お前達は、席に戻れ!!」
「「そう致します。」」
「「そう致しましょう。」」
にっこりと笑ってはいますが、お兄様が獲物を見付けた猛禽類のような獰猛な目をしているのに、全く気付いてませんわね。
表面上のにこやかな笑顔に、惑わされておりますわ。
何故か自信を取り戻したらしい殿下が、陛下の言葉を遮って先生方と学園長、そして一歩も動いていないお兄様に命令なさいます。
本来ならば、学園長もお兄様も、第2王子殿下ごときが命令出来るような人間ではありませんのに、命知らずにも程がありますわね。
後で後悔されても、もう遅いのですけれど......教えて差し上げる義理などございませんわ。
「..........ハァー。では、申せ。」
一気に老け込んだ陛下は、頭痛がするのか頭を押さえながらも進行します。
陛下...溜め息は幸せを逃しますわよ?
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