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竜の愛し子の番。2
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[あー!邪魔すんなよー。]
黄色っぽいけど白?のシャラシャラとした鱗の、手足が細くて翼の無い蛇に近い形態の竜さんは、黄緑の竜さんと桃色の竜さんを囲むようにフヨフヨと浮いてます。
何になのかは分からないけど、フシュフシュと鼻息も荒いし...どうやら怒っているみたい?
それにしても、翼が無いのにどうやって浮いてるんだろ?不思議ー。
[王族って面倒臭いよなー...。]
黄緑の竜さんに抱かれる私の頬に、生暖かい鼻先を擦り付けてから...力尽きたようにぐでーんっと怠惰に横に倒れたのは、情熱的に燃え盛る焔のように真っ赤なギラギラとした鱗の、これまた筋骨粒々で逞しい竜さんでした。
とある場所を見て、フンッ!と鼻で笑ったかと思えば、鼻先にこれでもかとシワを寄せて面倒臭そうに、地面にガリガリ爪を立ててる。
確か...あっちには王族の方々がいるって、父様に聞いた気がする?...多分。
[王女様だかなんだか知らんが、愛し子を含めた竜騎士達の番探しの場なのにな?
愛し子をこちらに寄越さずに、どの竜の番と認定されてもいない自分の側に置き続ける意味が分からん。]
私のほっぺたを爪の甲の円い部分で撫でてから、王族のいるらしい場所を褪めた目でボンヤリと見つめて溜め息を吐くのは、中心部が濃い紫になってて段々と薄い紫になっていく不思議な鱗の、お顔がほっそりとした中肉中背な竜さん。
竜さん達って、愛し子って人が大好きなんだね。
[いーとーしーごー!!]
[早く来ないと、皆でこの子とお空のお散歩しちゃうぞー!!]
いつの間にか紫の竜さんに抱っこされてて、黄緑の竜さんと桃色の竜さんが愛し子って人がいる方向に向かって叫んでます。
竜さんの声は、実際に聞くとグギャアォウヴーー!!って感じ?
なんとも説明しにくい声です。
[あら、ロン、貴方は大人しくしてなさいな?]
「いやいや、ちょっと待ちなさいって!」
この、優しそうな垂れ目でサラサラの茶髪の人がロンって呼ばれた人かな?
オレンジの竜さんと一緒で、筋骨粒々だね。
ロンさんは、竜さん達を強めにポフポフと撫でながら、私を救出?してくれました。
あの、ありがとうございます。
抱っこされることにより、急に視線が高くなってて少し怖かったの。
[もう、何よ?]
「肝心のご令嬢が、よく分からなくてキョトンとしてるじゃないか。」
「そうそう、君達威圧感たっぷりなんだから、ちょっと離れようか?」
[え、やだ!]
「やだ!じゃない。少し離れろ。」
あ、もう2人人がいたの?
気付かなかった...。
「驚かせてしまいまして、すみません。
竜達は皆、愛し子のことが好きすぎて、今暴走気味なんです。」
「ちょっとこっちに来てくれるか?」
「ととしゃまは?」
うん、竜さん達が暴走気味なのは、この状況がなんだかよくは分からないけど分かるよ。
竜さん達、私の周りをみっちりと囲んでしきりにお顔を私の頭にスリスリしてくるもんね。
可愛い可愛いって言いながら抱っこもしてくれるの。
高くてちょっと怖かったけど...。
「今、お父さんを呼んできてもらえるように頼んだから大丈夫だ。」
「はい!ありがとうございましゅ!」
良かったー。とと様来るのね。
[愛し子まだ捕まってるー。]
[あの王女、自分が俺達に選ばれなかったこと忘れてんじゃね?]
[馬っ鹿でーい!]
[阿っ呆でーい!]
[早く来ないかしらねぇ?
あの子の番は、ここにいるのよ?可愛いわぁ!]
[ぼくも!おねぇたん、だっこー!]
私をロンさんに奪われたと剥れた竜さん達が、凄く嫌いらしい王女様に矛先を向けたみたいで、かなり馬鹿にしてる...。
そして、日の光を浴びてキラキラ光る薄い紫の鱗の、私でも抱っこ出来そうな大きさの竜さん。
というか、子竜さん?
「えっと、しゃわってもだいじょうぶなの?」
[んぅ?だっこちてくれないにょ?]
「よろこんで!
だっこしゃしぇてくだしゃい!」
両手をこっちに向けて、ウルウルのお目々で首をコテンってされました。
可愛い!スベスベー!
鱗って、幼い頃はこんなにも柔らかいのね。
私の腕の中で、甘えたようにキュルキュウと鳴く子竜さん。
私の頬っぺたにスリスリしながら尻尾が元気にユラユラとしてて、懐いてくれたみたいで凄く可愛い。
*
黄色っぽいけど白?のシャラシャラとした鱗の、手足が細くて翼の無い蛇に近い形態の竜さんは、黄緑の竜さんと桃色の竜さんを囲むようにフヨフヨと浮いてます。
何になのかは分からないけど、フシュフシュと鼻息も荒いし...どうやら怒っているみたい?
それにしても、翼が無いのにどうやって浮いてるんだろ?不思議ー。
[王族って面倒臭いよなー...。]
黄緑の竜さんに抱かれる私の頬に、生暖かい鼻先を擦り付けてから...力尽きたようにぐでーんっと怠惰に横に倒れたのは、情熱的に燃え盛る焔のように真っ赤なギラギラとした鱗の、これまた筋骨粒々で逞しい竜さんでした。
とある場所を見て、フンッ!と鼻で笑ったかと思えば、鼻先にこれでもかとシワを寄せて面倒臭そうに、地面にガリガリ爪を立ててる。
確か...あっちには王族の方々がいるって、父様に聞いた気がする?...多分。
[王女様だかなんだか知らんが、愛し子を含めた竜騎士達の番探しの場なのにな?
愛し子をこちらに寄越さずに、どの竜の番と認定されてもいない自分の側に置き続ける意味が分からん。]
私のほっぺたを爪の甲の円い部分で撫でてから、王族のいるらしい場所を褪めた目でボンヤリと見つめて溜め息を吐くのは、中心部が濃い紫になってて段々と薄い紫になっていく不思議な鱗の、お顔がほっそりとした中肉中背な竜さん。
竜さん達って、愛し子って人が大好きなんだね。
[いーとーしーごー!!]
[早く来ないと、皆でこの子とお空のお散歩しちゃうぞー!!]
いつの間にか紫の竜さんに抱っこされてて、黄緑の竜さんと桃色の竜さんが愛し子って人がいる方向に向かって叫んでます。
竜さんの声は、実際に聞くとグギャアォウヴーー!!って感じ?
なんとも説明しにくい声です。
[あら、ロン、貴方は大人しくしてなさいな?]
「いやいや、ちょっと待ちなさいって!」
この、優しそうな垂れ目でサラサラの茶髪の人がロンって呼ばれた人かな?
オレンジの竜さんと一緒で、筋骨粒々だね。
ロンさんは、竜さん達を強めにポフポフと撫でながら、私を救出?してくれました。
あの、ありがとうございます。
抱っこされることにより、急に視線が高くなってて少し怖かったの。
[もう、何よ?]
「肝心のご令嬢が、よく分からなくてキョトンとしてるじゃないか。」
「そうそう、君達威圧感たっぷりなんだから、ちょっと離れようか?」
[え、やだ!]
「やだ!じゃない。少し離れろ。」
あ、もう2人人がいたの?
気付かなかった...。
「驚かせてしまいまして、すみません。
竜達は皆、愛し子のことが好きすぎて、今暴走気味なんです。」
「ちょっとこっちに来てくれるか?」
「ととしゃまは?」
うん、竜さん達が暴走気味なのは、この状況がなんだかよくは分からないけど分かるよ。
竜さん達、私の周りをみっちりと囲んでしきりにお顔を私の頭にスリスリしてくるもんね。
可愛い可愛いって言いながら抱っこもしてくれるの。
高くてちょっと怖かったけど...。
「今、お父さんを呼んできてもらえるように頼んだから大丈夫だ。」
「はい!ありがとうございましゅ!」
良かったー。とと様来るのね。
[愛し子まだ捕まってるー。]
[あの王女、自分が俺達に選ばれなかったこと忘れてんじゃね?]
[馬っ鹿でーい!]
[阿っ呆でーい!]
[早く来ないかしらねぇ?
あの子の番は、ここにいるのよ?可愛いわぁ!]
[ぼくも!おねぇたん、だっこー!]
私をロンさんに奪われたと剥れた竜さん達が、凄く嫌いらしい王女様に矛先を向けたみたいで、かなり馬鹿にしてる...。
そして、日の光を浴びてキラキラ光る薄い紫の鱗の、私でも抱っこ出来そうな大きさの竜さん。
というか、子竜さん?
「えっと、しゃわってもだいじょうぶなの?」
[んぅ?だっこちてくれないにょ?]
「よろこんで!
だっこしゃしぇてくだしゃい!」
両手をこっちに向けて、ウルウルのお目々で首をコテンってされました。
可愛い!スベスベー!
鱗って、幼い頃はこんなにも柔らかいのね。
私の腕の中で、甘えたようにキュルキュウと鳴く子竜さん。
私の頬っぺたにスリスリしながら尻尾が元気にユラユラとしてて、懐いてくれたみたいで凄く可愛い。
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