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26話 冒険者ギルドから直々に依頼を貰いました

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 「く、苦しい」
 「むにゃあ」
 「ううっ――」


 俺は苦しさで目を覚ます。

 するとラフレアが俺をぎゅーっと力強く抱きしめていた。

 大きな胸が体に密着していた。

 男なら嬉しいのだが、それよりも息が出来なくなるほどの締め付けで苦しかった。

 意外と力が強いラフレア。


 「おはようございますラーク」
 「おはよう。早いなアリス」
 「私意外と目が覚めるの早くて」
 「そうなのか。他の三人は爆睡してるな」
 「皆昨日の件で疲れているのでしょうね。もう少し寝かせておきましょうか」
 「そうだな」


 俺は寝て起きた後宿屋についているシャワーで体を洗った。

 アリスの匂いが少しだけ香る。

 俺は思わずドキドキしてしまった。

 アリスの匂いはいい匂いだった。


 俺はシャワーを終えるとアリスが椅子に座って自身の髪を手入れしていた。

 その様子が凄く美しく、また色気を感じる。

 ああ可愛いな。


 「今日はどうする?」
 「そうですね。取り敢えず全員起きて朝食取ったら冒険者ギルドに向かいましょうか」
 「オッケー。そういや金貨三枚貰えたな」
 「ラッキーでしたね。クエスト受注した訳ではないのに」
 「宿代など色々払って残り金貨五枚だな。少しづつ資金が溜まってきた」
 「はい。ラークのお陰です」
 「いやホワイトアリス全員のお陰だよ。俺だけでは無理だ」
 「そんな事ないですよ。私ラークがパーティーに加入してくれて本当に良かったです」
 「こっちこそありがとう。俺もホワイトアリスに入れて今凄く楽しいし幸せだ」
 「嬉しいです。これからも頑張りましょうね」
 「ああ」


 アリスは凄く本当に幸せそうに満面の笑顔で俺と話す。

 俺はそれが凄く嬉しかった。

 絶対このパーティーをSランクに昇格させて見せる。


 「二人とも楽しそうね」
 「リア、おはようございます」
 「おはようラーク、アリス」


 リアが欠伸をしながら目覚めた。

 その後ヴィクトリカ、ラフレアという順番で起きる。

 全員がシャワーを浴びて顔を洗ったりしたので結局朝食を食べるのは十時過ぎとなった。

 因みに金貨三枚貰えたというのは殺人鬼殺害のクエスト達成報酬の事である。

 実際はクエスト受注していないのだが、結果的に殺人鬼と、その元凶であるデレンを殺したことにより解決したので、お礼として報酬を貰った。

 冒険者ギルドからの信頼を着実に積み重ねている。


 朝食を取り終えた俺達は冒険者ギルドへと向かった。

 冒険者ギルドに入るとすぐに受付嬢から声が掛かった。


 「ホワイトアリスの皆さまをお待ちしておりました。お話があります」
 「何のお話だ?」
 「最近強盗団がここら周辺で悪さをしていたのを御存知ですか?」
 「いや知らないな。まあクエストボードには強盗団殺害のクエストが貼られていたけど」
 「はいクエストとして貼りだしました。しかし今は取り下げております」
 「取り下げた!? 何故だ?」
 「今回の本題なのですが強盗団が魔獣ブラックウルフによって殺害されました。そこで魔獣ブラックウルフ討伐をホワイトアリス様にお願いしたいのです」
 

 俺達は受付嬢のその言葉に驚きを隠せなかった。

 相手は魔獣だ。

 ブラックウルフはAランクモンスターだ。

 何故俺達Cランクパーティーに依頼する?


 「俺達はCランクだぞ。討伐対象はAランクだ。不釣り合いだと判断しないのか?」
 「ラーク様は以前Sランクパーティーデビルメイデンに所属していた経験がお有りますし、最近のホワイトアリスの活躍は目を見張るものがあります。分相応ではないかと」
 「報酬は?」
 「こちらになります」


 ==========================

 魔獣ブラックウルフ討伐 金貨7枚

 危険度★★★★★★

 待遇 魔力回復剤、回復薬×10

 ==========================


 まあ報酬としては悪くない。

 だが問題は危険度の高さか。

 よし相談するか。


 「どうする?」
 「私は受注したい」
 「妾もじゃ。チャンスであろうお金稼ぎの」
 「私はどっちでも」
 「私も受注したいです。Bランク昇格に一気に近づける筈です」
 「分かった。じゃあ受注しよう」


 俺は受付嬢に魔獣ブラックウルフ討伐のクエストを受注する事を告げた。

 まあセーブ&ロードがあるので問題ないだろう。


 「では地図を差し上げますので魔獣ブラックウルフが生息する地域まで足を運んでください」
 「了解した」
 「ではクエスト達成を祈っています」


 俺達ホワイトアリスはこの日Aランク相当のクエストを冒険者ギルド側から直々に依頼された。

 絶対に成功させる。


 「セーブ」

 =========================

 スロット1 デレンを殺したすぐ後

 スロット2 冒険者ギルド

 =========================


 俺はスロット2に上書きセーブをした。


 「さあ準備が済み次第出立だ」
 「ええ」
 「うむ」
 「はーい」
 「はい」


 俺達は魔獣ブラックウルフ討伐に向かう。
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