現代ダンジョンで成り上がり!

カメ

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56話 これからのビジョン1

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「ふぅ、よく眠れたな」

俺は午前7時に目が覚めた。横では、まだ隼也は眠っている。俺は隼也を起こさないように気をつけながら部屋を出る。

「翔ちゃんおはよう」

「翔おはよう、よく眠れたか?」

部屋を出て、顔を洗った俺はリビングに向かう。リビングに入ってきた俺に対して、すでに起きて朝食を作っている麻里叔母さんとコーヒーを飲んでいる秋叔父さんから声がかけられる。

「おはよう、おかげさまでぐっすりだよ」

俺がそう言うと、麻里叔母さんも秋叔父さんも笑顔になった。

「そう、ならよかった」

「よかったわ」

「翔ちゃんは、今日用事があるのよね?」

秋叔父さんの隣に座って、朝食を食べ始めると、麻里叔母さんにそう聞かれた。

「うん、今日はパーティーメンバーと打ち合わせの様な、実践の様な事をするつもり」

俺の曖昧な説明に、麻里叔母さんはよく分かっていない顔をする。

「?私にはよく分からないけど、気をつけなさいね」

「うん」

その後は、朝食を食べつつ、たわいもない話をしていると、最後の家族が起床してきた。

「ふぁー、おはよう」

起きては来たが隼也は眠そうだ。時間を見ると午前8時になっている。

「もう、まずは顔を洗ってらっしゃい」

「ふぁーい」

隼也はあくびと返事が混ざった声を出し、洗面台に向かっていく。

「何時にここを出るの?」

「そうだな、8時半にはここを出るよ」

「あら、もうすぐじゃない」

「日曜日も活動するなんて偉いな」

「その代わり、秋叔父さんの様に決められた時間に働くみたいなことはないから、楽だよ」

俺の言葉に、秋叔父さんは遠い目をする。

「それもそうだな。あー、俺も冒険者に転職しようかな」

そんな事を言う秋叔父さんの頭を、麻里叔母さんが配膳し終わったトレーで叩く。

「いてっ」

「何馬鹿な事を言っているのよ。貴方に冒険者なんて向いてないわよ?ステータスも高くないんだし」

「分かってる、冗談だ冗談」

「ははは」

麻里叔母さんと秋叔父さんの夫婦漫才に、俺は声をあげて笑った。

「なんか楽しそうだね。今日もご飯美味しそう」

賑やかにしていると、顔を洗った隼也がリビングに来る。そして、すぐに朝食へと向かっていった。すぐに美味しそうに食べ出す隼也を見て、俺と麻里叔母さんと秋叔父さんはまた笑う。



「今度はもっと早く顔を出すのよ?」

「今度一緒に遊ぼうね」

「元気にやるんだぞ」

午前8時半を超えたので、俺は帰ると声をかけると、玄関まで見送ってくれた。

「うん、今度はもっと早く顔を出せると思う。今日、昨日と時間を取れなかったし、急だったから、もっと余裕のある時に、事前に連絡してから来るよ。今度余裕ある時に遊びに行こうな」

俺は3人に声をかけてから、自宅に向けて歩き出す。とてもいい時間だった。

叔父さん、叔母さんの家から、自宅までは歩いて40分程なのだが、ステータスが上がったおかげで20分ほどで着く。

「我が家に到着と、芽依が来る前に色々と片付けないとな」

そう、今日の10時に俺が指定した場所は、我が家だった。やましい事は何一つなく、家に呼んだ理由は未発見ダンジョンを芽依に見せるのが目的となる。

パッと見、綺麗な様に見える我が家も、多少は汚れているため、女の子を呼ぶのにはまだ不十分だった。そのため、30分ほど時間をかけて家を綺麗にしていく。

「芽依が来るまで、まだもう少しあるか」

時計を見ると、午前9時半を超えた所だった。指定したのは10時だったので、あと30分程は余裕がある。その為、俺は庭に出て、短剣を2本取り出し、双剣の扱いが上手くなる様に練習していく。集中しながら練習していると、家のインターホンが鳴らされる音がした。

「おっ来たか」

俺は急いで家に戻る。念のためインターホンの画面越しで、芽依かどうかを確認するが、芽依だった。

「今開ける」

「うん、分かった」

芽依らしく短い受答えを聞きながら、俺は玄関に向かう。そして家の扉の鍵を開け、扉を開く。

「おはよう、よく来たな」

「翔もおはよう」

俺は芽依を家へ上げる。

「自宅からここまで遠くなかったか?」

芽依の家からここまで歩いて50分はかかるはずなのでそう聞くと

「ここまで走って15分だった。軽く走ったのに早い。ステータスが上がったおかげで体が軽くて」

なんと芽依は、自宅から俺の家まで、走ってきた様だ。しかし、言われた内容は身に覚えのあるものだった。

「だな、俺も体が軽いのは凄く実感してるよ」

「、、、、、翔、なにかあった?」

唐突に芽依からそんな事を聞かれる。

「何か?なんでだ?」

質問の意図が読み取れず、俺は芽依に聞き返す。

「なんだか翔、スッキリした顔をしているから」

「そうか、俺はスッキリした顔をしているのか。実はな」

俺は叔父さん達の話や経緯を軽く話す。すると、芽依は短くよかったねと言ってくれた。

(今までは色々と張り詰めたものがあったんだろうな、それが叔父さん達と話す事で、少し緩んだか。それにしても、それに気づく芽依は凄いな)

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