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再会
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しおりを挟むまだうつむいているが、呼吸が荒い。口元は笑みを浮かべているのに、見えている皮膚、首や耳は真っ赤。まるで高熱にうなされているよう。
やばい、これはさすがに悠一がキレる。でも、悠一だってわかっているんだ。だから、大人しく下がってくれた。
直也はわざと、俺達を怒らせ嫌われようとしている。全てに絶望し、落ちるところまで落ちた。ならいっそのこと、誰からも嫌われて1人になりたい。
俺にはわかる。直也の声、言葉、身にまとう雰囲気。いや、もしかしたら何も言わなくても。これも俺の“信じる力”か?
悠一が座っていた椅子に俺が座り、直也と向き合う。あんたの中に埋め込まれた悠一の魅了の力、内側から貪られるみたいで苦しいんだな。
ごめんな。悠一が、俺達が普通の人間ならこんなことにはならなかったのに。ごめん。ごめん。ごめん。
ヒビの入ったガラス越しに、直也の拳に手を当てる。身を乗り出し顔を近づけ「直也、ごめん」と声に出すと、こぼれ落ちた。
目尻からあふれて、頬を伝い落ちた涙はうつむく直也の視線の先。俺がボロボロ泣いているのに気づいた直也は、ハッと顔を上げた。
あぁ、やっと見えた。すげぇクマ。目の下が真っ黒じゃねぇか。今日、俺達に会えると思うと夜も眠れなかったとか言うのかよ?
そんなキャラじゃねぇだろ、あんたはさ。誰にでも優しくて頭がいい、爽やかな好青年。の、フリをした孤独な男。
気高く、何気に上から目線で全てを支配したがる。本当は1人ぼっちになるのが怖い、寂しい男。あと、俺に色んなこっ恥ずかしい格好させるのが実は好きなんだろ?
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