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【8】聖女 家をリフォームする
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手袋をした指が右の頬に触れるのを感じる。
指はそのまま頬を撫で、顎で止まった。
まぶたに差していた朝の光りが、くろい影に遮られる。
同時に。
ふにゃっと、唇に柔らかい感触。
顎に添えられていた指先が、再び頬を上ってきた。右耳に触れる。
わたしの顔のサイドにあった金髪を耳に掛ける。
その動きのまま、耳たぶを撫でられた。
触れるか触れないか、ぎりぎりの力加減。 くすぐったい。
そわそわと、うなじの産毛が逆立つ様な感じがする。
「……ふ……んぅ……」
うぁ……やばい……へんな声出た……。
ゆるくなったわたしの口の隙間に、
にる……。
唇ではない異物の感触。
「っ!!」
どんっ!
驚いてゴーシェを突き飛ばす。
ぺちん。
力の入らない右手で彼の頬を叩くと、
「ありがとうございます!」
……何故か感謝された。
なんで……こわ……。
いや、それよりも。
「な、な、何してるの!?」
最悪なのは、わたしはたぶん真っ赤な顔になっているし、それを相手に気付かれているだろうって事。
ゴーシェは奥歯を噛みしめ心底悔しそうな声を出した。
「くっ……! 今ならイケると思ったのに……! 許されませんでした……!」
そうだな。
「も、もういいから、家! 家を直して!」
ビシッとオンボロ屋敷を指さすと、ゴーシェは芝居がかった調子で一礼した。
「お任せ下さい、我が君」
指はそのまま頬を撫で、顎で止まった。
まぶたに差していた朝の光りが、くろい影に遮られる。
同時に。
ふにゃっと、唇に柔らかい感触。
顎に添えられていた指先が、再び頬を上ってきた。右耳に触れる。
わたしの顔のサイドにあった金髪を耳に掛ける。
その動きのまま、耳たぶを撫でられた。
触れるか触れないか、ぎりぎりの力加減。 くすぐったい。
そわそわと、うなじの産毛が逆立つ様な感じがする。
「……ふ……んぅ……」
うぁ……やばい……へんな声出た……。
ゆるくなったわたしの口の隙間に、
にる……。
唇ではない異物の感触。
「っ!!」
どんっ!
驚いてゴーシェを突き飛ばす。
ぺちん。
力の入らない右手で彼の頬を叩くと、
「ありがとうございます!」
……何故か感謝された。
なんで……こわ……。
いや、それよりも。
「な、な、何してるの!?」
最悪なのは、わたしはたぶん真っ赤な顔になっているし、それを相手に気付かれているだろうって事。
ゴーシェは奥歯を噛みしめ心底悔しそうな声を出した。
「くっ……! 今ならイケると思ったのに……! 許されませんでした……!」
そうだな。
「も、もういいから、家! 家を直して!」
ビシッとオンボロ屋敷を指さすと、ゴーシェは芝居がかった調子で一礼した。
「お任せ下さい、我が君」
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