朝焼けの女神

小笠原雅

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朝焼けの女神13 天の川の下で

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朝焼けの女神、13

 その日は星空が綺麗で天の川が立ち登るのがわかる。
 遠くの島が街灯りを受けてうっすらと輪郭が見て取れる、その背後に星空が伸び上がって見える。
 潮の香りに包まれた中で文子が伸びやかな体を伸ばして両手を天に捧げている。
 長い髪を後ろで束ねた文子が、少しのお酒を飲んで頬が赤くなっているのか、頬を手で扇いでいるのを、手に持ったライトで見ていた。
「やっぱり、エネルギーを感じる場所で住まないとダメなのかな?」
 独り言なのか、後ろの三浦の気配を感じて問いかけたのかわからないが文子はそう言った。
 文子の身体から出す波動に海の畝りのような強い物を感じた。
「オーナーと話しをしたの、ここのめんどう見てくれないかって」
「それって、経営を任されるって事かな」
「ここってオーナーの別荘でしょ、それをリトリートを出来る場所にしたいんですって」
「良い話じゃないの」
「私が居たヴィハーラ(精舎)みたいにしたいんですって、自給自足の生活の中にリトリートがあるって感じにしたいって言われちゃって」
「そう、急に言われてもね」
 文子は「そうそう」と暗闇の中で頷いて話しを続けた。
「向こうに行ってわかったんだけど、日本のヨガってアーサナのポーズばかりが前に出ているけど、ほんとは心身を浄化する修行のいくつかある中の一部なのよ。
 みんな知っていると思うのよ。でも日本人の受け取り方が、女性の体型を維持する為のトレーニングみたいに扱っているのよね、それが経営っていうのかな?親しみ易くするためには仕方ないのだけど」
 そう言ながら今度は堤防の上に座り足をぶらぶらさせながら夜空を眺めながら話している。
 秋が近い浜は火が落ちると冷え込むのが早い、三浦は寄り添う様に隣に座った。
「ヨギーを目指すなら、毎日が常に身を清めることを意識しないといけないの。
 部屋も常に掃除をして、綺麗な状態を保つよう心がける。浄化することで、身体も心も魂も余計なモノを取り払い、宇宙的なエネルギーと一体となれるようクリアになるの」
 三浦は文子の話しを聞きながら本で読んだヨガの修行を思い出していた。
 ヨギーが身を清める方法として、Kriyas(クリヤー)と呼ばれる6つの浄化法がある。
 Neti(ネティ)という鼻腔からクレンジングする方法や、カパラバティと呼ばれる呼吸法は、肺を浄化し、頭蓋骨を浄化する。
アーサナ、メディテーション、ベジタリアンの食事によって心身を浄化するこれも修行の一つだ。
 本来の重要な目的は、強い集中力を養うためなの行なのだ。
 三浦は何か気がついたようにあいづちをうった。
「ヨガってちゃんと修行してるお坊さん達と変わらないよね、日本のお坊さんにはヨガポーズがないぐらいかもね」
 三浦が興味を持ってくれたのが嬉しいのか文子も声を弾ませて喋る。
「インドが起源の宗教だからそうなるのかもね、結局は宇宙のエネルギーを受けたいと思うと自分をクリアーにしてないといけないのよね」
 身体を捻る様に三浦を見ている
「都会が悪い訳じゃない、でも人が過密になるとストレスが集団意識のように渦巻いて俺達に乗り掛かって来るのは困った事だよね」
 文子は遠くに光る街灯りを探すように海を見てる。
「そうね、だから深く深呼吸出来る場所が必要だと思う」
「だからここに作ろうと云うんだね」

少し身体が冷えたから、宿に戻ろうと思い三浦はたちあがった。目は暗闇に慣れたと言っても堤防の上は危なかった。三浦は文子を見て手を差し出して帰ろうと促した。
 文子は笑いながら首を振って、三浦を見上げて堤防を叩いて此処に座れと云うふうに微笑んでいる。まだ話しは終わってないらしい。
 三浦は言われたままに座り直すと、文子は向きを変え堤防の上で向かい合って座る格好になった。
 「そうそのまま胡座で座って」
 文子はエスニックな風合いの赤から緑に移り変わる染め物の長いワンピースの裾を捲りあげて三浦に跨る様に座る。ブラは付けず、腰には麻で出来た女ふんどしを締めている。文子の髪の毛の香りが少し潮の香りを含んだ様で心地よい雰囲気を与えてくれる。
 文子は両手を三浦の顔を挟むように添えて優しく額を合わせるようにくっつけた。
「私と契りを結ぼう」
 ため息混じりの言葉が妙に心地よく文子に心が惹きつけられているのがわかる。
 少し冷たい風で冷えた額に暖かい感触が広がり心が落ち着いてくる。
「契り?」
 感触に心が奪われているうちに、文子は腕を腰に回して、会陰を三浦のへその下に合わせるように押し付けてくる。
「そう私とあなたは一つになる、繋がっている時もいない時も同じ運命の中で暮らしていくの」
 文子に笑顔はない、真剣な眼差しで三浦の顔を覗き込んでいる。
 少し目が泳ぐ三浦を呼び止める様に、
「そう、あなたと私は運命共同体になるの、お互いのエネルギーを一つにして科学反応を起こしてお互いに向上するの」
 三浦は驚いているが何故か冷静に答える事ができた。
「それってプロポーズなんじゃ無いの?」
 文子は笑って首を振る。
「それは法律や世間の慣習みたいな気がするの、そうじゃなくて私と契ろうと思って欲しい。そう感じれるかどうか今聞いてるの」
「まずは私を顔を見て何も考えずに、何も問わずに集中して渡しを受け入れて」
 文子は三浦の手を取り自分の身体を愛するように三浦の手を使い愛撫した。
「私の胸はどう?髪の毛は?腰は?お尻は?ただ感じて好きな部分だけを考えて」
 文子は三浦の手を話し彼の好きなように手をまさぐらせている。
「目を見て後は見ないで」
 文子は三浦の身体を撫でた首筋から胸をそしてふとももを撫でながら文子の目の奥の燃えるものが大きくなって来るのを感じていた。
 文子はくちびるにキスを繰り返した。
その度に三浦はビクンって身体を小刻みに反応させている。
 舌の先を前歯の上の歯茎に舌でまさぐるようにエネルギーの通りの良い所を探している。いい場所を見つけた時に三浦の後頭部を抑えて舌を押し当てた。
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