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温かい肉そば
報告
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気がつくと、連は、暗くて長い廊下にいた。
左右にドアの閉まった部屋が並んでいる。
左斜め前のドアが開いていて、奥の方からかすかに声が聞こえた。
吸い寄せられるように入ると、そこは小さな個室で、真ん中に白いベッドが一台。
すっかり白髪になったじいちゃんが、虚な目をして横になっていた。半分口を開けている。
その横の椅子に、高校生の連がいた。
じいちゃん、俺、第一志望受かったんよ。
連がにかっと笑って伝えるが、反応はない。
来週から東京なんよ、と連はじいちゃんの手を握るが、その目は連を見てはいなかった。
天井の方を見て、焦点が合っていない。
じいちゃんは、微かにあぁ、うぅと言葉にも鳴らない声を出していた。
あぁ、そうだった。俺、大学合格の報告に行ったんだ。
連は記憶の断片を思い出した。長い冬が終わり、新しい春の始まりの3月。
連は長年の努力が実を結んだことを、いつも応援してくれたじいちゃんに伝えにいったのだった。
でも、受験勉強でしばらく会えない間に、じいちゃんは介護施設に入ってしまったのだ。
身体が動かしにくくなるパーキンソン病だった。
その前の年の夏休みに会いに行った時には、まだお家にいて、会話もできていたのに、年が明けると身体を動かすこともままならなくなっていた。
当時の連にとって、その変わり様はとても唐突なものだった。
じいちゃん、応援してくれて、ありがとうな。
高校生の連は、じいちゃんの細くて冷たい手を温めるようにぎゅっと握り直した。
左右にドアの閉まった部屋が並んでいる。
左斜め前のドアが開いていて、奥の方からかすかに声が聞こえた。
吸い寄せられるように入ると、そこは小さな個室で、真ん中に白いベッドが一台。
すっかり白髪になったじいちゃんが、虚な目をして横になっていた。半分口を開けている。
その横の椅子に、高校生の連がいた。
じいちゃん、俺、第一志望受かったんよ。
連がにかっと笑って伝えるが、反応はない。
来週から東京なんよ、と連はじいちゃんの手を握るが、その目は連を見てはいなかった。
天井の方を見て、焦点が合っていない。
じいちゃんは、微かにあぁ、うぅと言葉にも鳴らない声を出していた。
あぁ、そうだった。俺、大学合格の報告に行ったんだ。
連は記憶の断片を思い出した。長い冬が終わり、新しい春の始まりの3月。
連は長年の努力が実を結んだことを、いつも応援してくれたじいちゃんに伝えにいったのだった。
でも、受験勉強でしばらく会えない間に、じいちゃんは介護施設に入ってしまったのだ。
身体が動かしにくくなるパーキンソン病だった。
その前の年の夏休みに会いに行った時には、まだお家にいて、会話もできていたのに、年が明けると身体を動かすこともままならなくなっていた。
当時の連にとって、その変わり様はとても唐突なものだった。
じいちゃん、応援してくれて、ありがとうな。
高校生の連は、じいちゃんの細くて冷たい手を温めるようにぎゅっと握り直した。
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