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 目が覚めると、そこは豪奢な寝台の上だった。
 何故だか体の節々が痛み、強ばったように動かしがたかった。
 視線だけで辺りを見回すと、豪奢なのは寝台だけではなく薄暗い部屋全体が、まるで欧風のお城のような雰囲気で。
 寝台にかかる天蓋を支えるのは優美な曲線の象牙色した柱。
 天蓋から垂れ下がるカーテンは落ち着いた生成の、それでも麻や綿などでは決してありえない、てらりと艶やかな生地。
 そして上いっぱいに広がる象牙色した天蓋には、いくつかの丸を線で繋いだ、星座のようなデザインの絵が一面に描かれている。

 ……問題は、そこに見知った星座がひとつもないことなのだが。

 佳奈は痛む頭を軽く振ると、ゆっくりと自身の右手を寝具から引き出し眼前に掲げた。腕は手首から肘までの半分までが紫色に変色している。その腕をさする左腕も同じように変色していた。
 佳奈は眉をよせて顔をしかめた。
 長時間縛られていたせいだろうか。皮膚表面の感覚がひどく鈍かった。
 その両手をとさりと布団の上に落とし、佳奈は目を閉じゆっくりと息を吐いた。

 ここは、どこなのだろう。

 脳裏に昨夜の、俄には信じられないようなとんでもない出来事が、よぎった。
 気づいたらこの部屋にいて、聞いたこともない言葉で話しかけられ、脱がされ、体中をまさぐられた。
 その男の立派な体躯を思い出し、佳奈はほんのりと頬を染めた。

 素晴らしく逞しい、綺麗な上半身だった。

 恐怖を覚えて当たり前だと思うのに、彼の金に輝く瞳や短いツンツンとした金髪、整った目鼻立ちを思い出しては頬が赤くなるのを止めることができなかった。

 頬に走る、大きな傷跡でさえ魅力的に映るほどに。

 しかしその後に起こったことは、佳奈の常識を遥かに超えていた。いつのまにか現れた1人の女性が、男と佳奈の情事に参加しだしたのだ。

 これはどういうことだ、と思考をまとめる時間すらなかった。いや、例えたっぷり時間があったとしても、纏まったとは到底思えないが。
 佳奈が事態について行けず、ぼうっと女に撫でられている間に、男はズボンを寛げてそそり立つ大きな逸物を取り出した。
 その巨大さに大いにビビりながら、まさかあれを私に?と盛大にパニックになっている間にそれはもう1人の女へと納まった。
 それはそれで予想外の展開で、一体どういうことなのか?と余計混乱を来した佳奈は、律動を開始した男に唐突に抱え上げられ女の顔の上に下ろされた。
 何が起こったのか、理解できなかった。
 男は女へと力強く挿入しながら、女は女で佳奈の下でくぐもった嬌声を控えめにあげながら喜んでいた。
 そうして2人で佳奈を弄ぶ。
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