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 薄々とでもこれから奈々の身に起こることを理解すると、それを注視することは難しかった。
「んんっ!むぁ、ぐっ、、、、あぉぇっ……!!」
 そんな奈々の声に弾かれるように目を向けると、首の下に大きめのクッションを入れられて、限界まで首を上向かせた奈々の口に黒々とした逸物が突き刺さっていた。
 首を上向かせた状態だと、食道までが真っ直ぐ一直線になってしまう。
 その奈々の細い喉に不自然な盛り上がりを見つけることができ、佳奈は息をのんだ。
「ようしよし、いい子だ、そのまま力抜いてろよ」
 ぐっ、ぐぅぅ、ぇ……と苦しそうにえづく佳奈の口にゆっくりと男は男根を埋め込んでゆく。
 奈々の体が跳ね、切り刻まれた揃いのピンクがひらひらと舞う。
 既に両手は離されて自由だけれど、それは力なく男の太ももや臀部を行ったり来たりして、やめて、と抵抗らしき様を見せている。
 もちろん、そんなものなど痛くも痒くもないのだろう。
 男は優越感たっぷりに腰をグラインドさせ始めた。両手で奈々の首元を捕まえ、そして、ゆっくりと。
「おぁっ、、ぐっ、うぅっ!……ぇっ、」
 その度に奈々から苦しげな悲痛なえづきが漏れる。
 ピタピタと男の睾丸が奈々の顔を叩く音がした。
 たまらず顔を振る奈々に男は、平手打ちし殊更ゆっくりと奥へと沈める。
「ぐっ………!ぉ、……!」
 途端に跳ね上がる奈々の身体をハサミを持っていた男が押さえつけた。

 それを、身動きも出来ずに見ているしかない自分が、イヤだった。

 何か、何かできない!?

 このまま立ち上がって、奈々を陵辱している男に体当たりしようか?それとも、ハサミを持っている男に?でも、猿轡で腕を後ろに縛られている状態の女が、男2人に敵うとはとても思えない。

 首をぐるりと回して運転席を見ればタバコをふかしながら運転する男が1人。
 助手席には、誰もいない。

 運転手になら。

 運転手に体当たりしたら、どうだろうか??

 事故をするかもしれない。

 怪我をするかもしれない。

 死ぬかもしれない。



 ……何も変わらないかも、しれない。



 佳奈はぞくりと身を震わせる。
 一番最後が最も可能性が高いことなど、わかっていた。
 でも、このままじゃ。
意を決して、そろりそろりと体勢を変える。
 腕を使わずとも起きあがれるようにうつぶせになり、足を最大限胸元まで引き寄せた。
 怯えてるように見せかけながら、……いや、実際に怯えてはいたのだけれど。
 チラリと奈々を伺うと、未だ2人の男に押さえつけられながら。

 首を、しめられていた。
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