321 / 1,121
新たな戦い 15
しおりを挟む
翌朝、朝食を済ませた後、天気を見て、本日も男装のサヤは、干し笊を外に出した。
笊に並べられたものは昨日同様、窓辺に並べられ、乾燥させることとなったようだ。
干し野菜の大移動を終えたら、今度はお菓子作りをするとのこと。
「買い物に行ってきます!」
気合いを入れて出かけたのだが……さして時間の経たないうちに、何故かふらついて帰ってきた……。
「ど、どうした⁉︎」
「なんでもありません……お菓子作り、してきます……」
なんでもなくない時のサヤだ……。
だけど完璧に話題を拒否する雰囲気で、口をはさめず見送るしかない。
しかし、午後にはまたエルランドが訪ねて来るわけで、午前中のうちに雑務は終わらせなければならない。とにかくまずは、それを済ませることにする。
時間が空けば、サヤの気持ちも少し落ち着くかもしれないと思ったのもあった。
とはいえ、やはり気になるのは仕方がない。
ルーシーに確認してきてもらうも、サヤは今、買ってきた扁桃(アーモンド)をひたすら刻んでいるという。
「親の仇みたいに、粉微塵なのに、まだ刻んでましたよ?」
「……怒っていたの?」
「そういう感じではなかったですけど……それとなく聞いても答えてくれませんでした……。なんでもないですっ! ておっしゃるだけで」
ルーシーのそれとなくって、きっとあからさまに聞いたんだな……。
「分かった、ありがとう。後で確認してみるよ」
なんだろう……心配だ。
でも、震えていたわけではないし、顔色が悪かった風でもなかったと思う。
とにかく早く仕事を切り上げようと、集中して作業を進めた。
昼手前まで掛かり、仕事を終え、いざサヤのところへと思っていたのだが、なにやら下が騒がしい……。どうしたんだろうかと思いつつ、調理場を目指そうと階下に向かったのだが、途中でなにやら小さな影が飛びついてきて、行く手を阻まれてしまった。
「……どこの子?」
「あぁ、レイ様、申し訳ありません。迷い子のようで……逃げ足が速くて難儀しておりました」
使用人の一人がそう言って小走りにやってくる。廊下の向こうのほうで「いたぞー」と叫ぶ、別の使用人の声もする。
俺は、俺の腹に抱きついているその子供に手を回して、少々持ち上げた。
「こんにちは。はぐれてしまったのかい?」
「ちがうよ。カーチャさがしてるのっ」
サヤの瞳のような、鳶色の髪をした幼な子だった。黄緑色のどんぐりみたいなまん丸な目が愛らしい。肩口くらいまでの髪を、二つに束ねていて、服装は短衣一枚に、腰帯がわりの飾り紐が巻かれている。少々大きなものを無理やり着せている様子だ。裾が長いためか、袴は履いていない。足は裸足だ。
そして思いの外元気で明瞭な言葉。カーチャ……って、人の名前だよな?
首を傾げた俺の首元に、何故か抱きついてきた。
「カーチャのにおいする。でもちがう……」
ふんふんと鼻息が聞こえる……。首元がくすぐったい。
「俺はレイシールだよ。カーチャじゃないんだ」
「しってる!」
ピョンと飛んで、俺から降りる子供。とても身軽だ。まだ幼い……四つか五つか……それくらいに見受けられるのだが……。
「カーチャを探すなら、手伝おうか? どんな人かな? 髪色は?」
「しらない!」
にぱっと笑って元気に答える。
知らない……知らないのにどうやって探すんだ。……探してるんだよな?
「君、このお店には、カーチャって名前の人はいないんだよ。
どこではぐれたんだい? まずはそこに戻ってみた方が良い」
やってきた使用人が、そう子供に言い聞かせるも、その子はぶんぶんと首を振る。
「カーチャいるよ。すぐちかく」
そう言って、ふんふんと鼻を鳴らす。
うーん……まあとりあえずまずは……。
「お名前はなんて言うんだい?」
「ロジェ!」
「ロジェ。良い名前だ」
「ちがうよ。ろじぇだよ!」
「……ロジェは誰と、一緒に来たんだい?」
「トーチャ!」
……トーチャ……。カーチャにトーチャ……これはもしかして……。
「お父さん?」
「うんっ! トーチャときたのっ! あとエーチャ」
「エーチャ……お姉ちゃん?」
「ちがうよ。エーチャだよっ!」
元気に言う。
あー……とりあえずまあ、お父さんと来たことだけは分かったから、よしとしよう。
「ロジェ、お父さん、どこにいるんだい? ロジェ一人でここに来たのなら、心配していると思うんだ」
「……トーチャ?」
こてんと首を傾げる。すると少々の沈黙の後、急にボロボロと涙を零し、更に大声を上げて泣き出してしまった!
「ドーヂャアアァァァァ! ドーヂァドゴオオオォォォ⁉︎」
お、おおぅ、今までお父さんがいないこと気づいてなかったのか?
その凄まじい泣き声に、少々慄いてしまったのだが、泣く子供をそのままにしておくこともできない。
「ロジェ、泣かないで。一緒にお父さんを見つけに行こう?
大丈夫、すぐに会えるから」
「ドーヂャアアアァァ!」
「ロ、ロジェ……良い子だから。泣いてると可愛いおめめが溶けてしまうよ」
泣き声を聞きつけたのか、ハインとサヤが視界の端に見え、こちらに向かって来る。
とりあえずこの子の父親を探すために、二人の手を借りようと思ったのだけど……。
「サヤ、何か子供が喜びそうな……」
「カーチャ!」
ロジェは、何故か、そう叫び……ハインにしがみついた。
ピタリと泣き止み、むしろ大喜びだ。満面の笑顔で宣言する。
「カーチャいたよ!」
「……いや、お母さんじゃないよ。ハインは男だからね?」
「カーチャだよ!」
「……………………何事ですか」
「いや、どうもね、お母さんを探して、お父さんとはぐれたみたいな……」
そして謎のエーチャは説明のしようがない。
ハインはことの不可解さに、しっかり眉間にしわを寄せて、怖い顔でロジェを見下ろしていたのだけれど、ロジェは気にする様子もない。まだ涙の残る瞳で、笑顔を振りまく。
そんなロジェに、サヤまで「かわいいっ」と、笑顔になる。
「お名前はなんて言うの?」
「ロジェだよ!」
「ロジェちゃん。良いお名前ね」
「ちがうよ。ろじぇだよっ」
……ロジェとしか聞こえないのだけどなぁ……。
「ロジェちゃん、お父さんが迎えに来るまで、お菓子食べて待ってようか」
「おかし⁉︎」
「うんそう。ちょうど焼きあがったところだから」
「たべるー!」
気を利かせたサヤの言葉に、ロジェはとても良い笑顔だ。お菓子で釣っている間に父親を探してくださいと、視線で訴えてくるサヤに、俺とハインはコクリと頷いて応えたのだが……。
「……ロジェちゃん、お兄さん、お仕事あるからこっちにおいで」
「カーチャはいっしょじゃなきゃやだよ」
「……そのお兄さんは、ハインさんってお名前なの」
「わかった。ハイン! ハインはカーチャだよ!」
「…………」
結局会話は成立せず、ハインも返してもらえず、サヤと共に二人、応接室で子守をすることになったのだった。
笊に並べられたものは昨日同様、窓辺に並べられ、乾燥させることとなったようだ。
干し野菜の大移動を終えたら、今度はお菓子作りをするとのこと。
「買い物に行ってきます!」
気合いを入れて出かけたのだが……さして時間の経たないうちに、何故かふらついて帰ってきた……。
「ど、どうした⁉︎」
「なんでもありません……お菓子作り、してきます……」
なんでもなくない時のサヤだ……。
だけど完璧に話題を拒否する雰囲気で、口をはさめず見送るしかない。
しかし、午後にはまたエルランドが訪ねて来るわけで、午前中のうちに雑務は終わらせなければならない。とにかくまずは、それを済ませることにする。
時間が空けば、サヤの気持ちも少し落ち着くかもしれないと思ったのもあった。
とはいえ、やはり気になるのは仕方がない。
ルーシーに確認してきてもらうも、サヤは今、買ってきた扁桃(アーモンド)をひたすら刻んでいるという。
「親の仇みたいに、粉微塵なのに、まだ刻んでましたよ?」
「……怒っていたの?」
「そういう感じではなかったですけど……それとなく聞いても答えてくれませんでした……。なんでもないですっ! ておっしゃるだけで」
ルーシーのそれとなくって、きっとあからさまに聞いたんだな……。
「分かった、ありがとう。後で確認してみるよ」
なんだろう……心配だ。
でも、震えていたわけではないし、顔色が悪かった風でもなかったと思う。
とにかく早く仕事を切り上げようと、集中して作業を進めた。
昼手前まで掛かり、仕事を終え、いざサヤのところへと思っていたのだが、なにやら下が騒がしい……。どうしたんだろうかと思いつつ、調理場を目指そうと階下に向かったのだが、途中でなにやら小さな影が飛びついてきて、行く手を阻まれてしまった。
「……どこの子?」
「あぁ、レイ様、申し訳ありません。迷い子のようで……逃げ足が速くて難儀しておりました」
使用人の一人がそう言って小走りにやってくる。廊下の向こうのほうで「いたぞー」と叫ぶ、別の使用人の声もする。
俺は、俺の腹に抱きついているその子供に手を回して、少々持ち上げた。
「こんにちは。はぐれてしまったのかい?」
「ちがうよ。カーチャさがしてるのっ」
サヤの瞳のような、鳶色の髪をした幼な子だった。黄緑色のどんぐりみたいなまん丸な目が愛らしい。肩口くらいまでの髪を、二つに束ねていて、服装は短衣一枚に、腰帯がわりの飾り紐が巻かれている。少々大きなものを無理やり着せている様子だ。裾が長いためか、袴は履いていない。足は裸足だ。
そして思いの外元気で明瞭な言葉。カーチャ……って、人の名前だよな?
首を傾げた俺の首元に、何故か抱きついてきた。
「カーチャのにおいする。でもちがう……」
ふんふんと鼻息が聞こえる……。首元がくすぐったい。
「俺はレイシールだよ。カーチャじゃないんだ」
「しってる!」
ピョンと飛んで、俺から降りる子供。とても身軽だ。まだ幼い……四つか五つか……それくらいに見受けられるのだが……。
「カーチャを探すなら、手伝おうか? どんな人かな? 髪色は?」
「しらない!」
にぱっと笑って元気に答える。
知らない……知らないのにどうやって探すんだ。……探してるんだよな?
「君、このお店には、カーチャって名前の人はいないんだよ。
どこではぐれたんだい? まずはそこに戻ってみた方が良い」
やってきた使用人が、そう子供に言い聞かせるも、その子はぶんぶんと首を振る。
「カーチャいるよ。すぐちかく」
そう言って、ふんふんと鼻を鳴らす。
うーん……まあとりあえずまずは……。
「お名前はなんて言うんだい?」
「ロジェ!」
「ロジェ。良い名前だ」
「ちがうよ。ろじぇだよ!」
「……ロジェは誰と、一緒に来たんだい?」
「トーチャ!」
……トーチャ……。カーチャにトーチャ……これはもしかして……。
「お父さん?」
「うんっ! トーチャときたのっ! あとエーチャ」
「エーチャ……お姉ちゃん?」
「ちがうよ。エーチャだよっ!」
元気に言う。
あー……とりあえずまあ、お父さんと来たことだけは分かったから、よしとしよう。
「ロジェ、お父さん、どこにいるんだい? ロジェ一人でここに来たのなら、心配していると思うんだ」
「……トーチャ?」
こてんと首を傾げる。すると少々の沈黙の後、急にボロボロと涙を零し、更に大声を上げて泣き出してしまった!
「ドーヂャアアァァァァ! ドーヂァドゴオオオォォォ⁉︎」
お、おおぅ、今までお父さんがいないこと気づいてなかったのか?
その凄まじい泣き声に、少々慄いてしまったのだが、泣く子供をそのままにしておくこともできない。
「ロジェ、泣かないで。一緒にお父さんを見つけに行こう?
大丈夫、すぐに会えるから」
「ドーヂャアアアァァ!」
「ロ、ロジェ……良い子だから。泣いてると可愛いおめめが溶けてしまうよ」
泣き声を聞きつけたのか、ハインとサヤが視界の端に見え、こちらに向かって来る。
とりあえずこの子の父親を探すために、二人の手を借りようと思ったのだけど……。
「サヤ、何か子供が喜びそうな……」
「カーチャ!」
ロジェは、何故か、そう叫び……ハインにしがみついた。
ピタリと泣き止み、むしろ大喜びだ。満面の笑顔で宣言する。
「カーチャいたよ!」
「……いや、お母さんじゃないよ。ハインは男だからね?」
「カーチャだよ!」
「……………………何事ですか」
「いや、どうもね、お母さんを探して、お父さんとはぐれたみたいな……」
そして謎のエーチャは説明のしようがない。
ハインはことの不可解さに、しっかり眉間にしわを寄せて、怖い顔でロジェを見下ろしていたのだけれど、ロジェは気にする様子もない。まだ涙の残る瞳で、笑顔を振りまく。
そんなロジェに、サヤまで「かわいいっ」と、笑顔になる。
「お名前はなんて言うの?」
「ロジェだよ!」
「ロジェちゃん。良いお名前ね」
「ちがうよ。ろじぇだよっ」
……ロジェとしか聞こえないのだけどなぁ……。
「ロジェちゃん、お父さんが迎えに来るまで、お菓子食べて待ってようか」
「おかし⁉︎」
「うんそう。ちょうど焼きあがったところだから」
「たべるー!」
気を利かせたサヤの言葉に、ロジェはとても良い笑顔だ。お菓子で釣っている間に父親を探してくださいと、視線で訴えてくるサヤに、俺とハインはコクリと頷いて応えたのだが……。
「……ロジェちゃん、お兄さん、お仕事あるからこっちにおいで」
「カーチャはいっしょじゃなきゃやだよ」
「……そのお兄さんは、ハインさんってお名前なの」
「わかった。ハイン! ハインはカーチャだよ!」
「…………」
結局会話は成立せず、ハインも返してもらえず、サヤと共に二人、応接室で子守をすることになったのだった。
10
あなたにおすすめの小説
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる