これは報われない恋だ。

朝陽天満

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521、味覚麻痺、って普通だよね

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 大きめの鍋に作ったはずのスープは、一人一杯よりちょっと少な目の量しか分けることが出来なかった。

 俺とヴィデロさんとヒイロさんを混ぜて、総勢8人が、今このテーブルを囲んでいる。

 正直「うめえ」「うめえ」と連発しながら本当に美味しそうに食べてくれる人たちに料理を振舞うのは嫌いじゃない、っていうか好きなんだけど、十分な量を出せないのが悔やまれるというかなんというか。到底腹を満たす量がないので、俺はインベントリに入っていた魚料理を取り出して次々テーブルに並べた。釣った魚もまだまだインベントリにあるからね。腐らないのがありがたい。

 ヒイロさんは獣人さんの一人に「パン買ってこいよ」と言いつけ、自分はゆったりと魚を食べている。パシらされた獣人さんも、すぐに特大のかごに山盛りになったパンを抱えて満面の笑みで帰ってきた。



「ヴィデロが来てるなら手合わせ申し込もうと思ってこっちに来てみてほんとラッキー! 食ったら腹ごなしに外で手合わせしようぜ。マックはヒイロと色々するんだろ」

「あ、俺二番。この間よりも腕上げたから今度こそ負けねえぜ」

「じゃあ俺達はお前らがヴィデロとやり合ってる間に腕慣らししようぜ」

「そうだな。勝った方が三番目、負けた方が次な」

「待てよ俺を抜かすなよ」



 すっかりヴィデロさんを遊びに誘っている。ヴィデロさんはどうするっていう目で俺を見てるけど、確かに俺、ヒイロさんと一緒に色々やるだろうしなあ。さっきもちょっと暇そうだったから、いいんじゃないかな。と頷いたら、ムキムキズたちは拳を握りしめて気合いを入れていた。

 山のようだったパンも大量の魚もなくなると、サッと片づけをして獣人さんたちはいなくなった。ヴィデロさんを拉致って。

 でもあの中にいると門番さんたちと一緒にいるような楽しそうな顔をするヴィデロさんを、止めることなんて出来ないよね。俺だってヒイロさんと楽しいことをするんだから。



 ということで、今度こそ調薬開始。

 調薬キットの並んだテーブルで、俺が実の汁を絞る。ヒイロさんは鼻と口もとを布で覆って、心なしか涙目で調薬を開始した。



「やべえ、そいつの刺激が強すぎて鼻が利かねえ……」



 刺激臭だからね。すでに麻痺状態になってるんじゃないかなヒイロさん。微麻痺って鼻の事?

 ふと気になってステータスを見てみると、『味覚微麻痺』と『耐寒(微)』が付いていた。身体があったまって舌が麻痺してるってことか。辛い物を食べた時にはこれ、普通じゃないかな。



「この刺激臭を緩和するには、アレがいいかな。それと、この辛いのを緩和するアレも必要だな。スタミナ消費をゆっくりにする作用のアレも欲しいし、アレを混ぜ合わせたら、もしかしたら耐熱作用が付くかもしれねえな」



 布の上から鼻を押さえながら、ヒイロさんが何かブツブツと呟く。アレってどんな素材ですか。全てメモさせてください。頼むから素材の名前教えて。

 よし、と立ち上がったヒイロさんの後ろをついていくと、ヒイロさんは裏の畑から色んな素材を採取してきた。全て俺が知ってる素材だった。ホッとした。

 荷物持ちに徹した俺の両手を素材で埋めたヒイロさんは、自身も大量に素材を抱えて部屋に戻ると、甘さを付加する素材を摺り始めた。

 俺もヒイロさんに言われるままに素材の下ごしらえをしていく。

 火を点けて、その上にビーカーの様な調薬器具を置くと、ヒイロさんは次々素材を投入していった。やっぱりこれも順番とかあるんだろうなあ、とヒイロさんが投下する物をメモする。

 最初は甘い匂いを漂わせていた器具の中身は、実の汁を入れた瞬間刺激臭にとってかわった。鼻がツンとする。ヒイロさんは「ううう……」と唸りながら調薬を続けた。

 すごいなあ、これで失敗しないなんて。

 グツグツしていると、不意に刺激臭が和らいだ。そこですかさずヒイロさんが月見草を投下して、仕上げとばかりにハチミツらしきものを垂らす。

 火を止めてよく混ぜ合わせて、ヒイロさんはその液体を濾した。色合いは、下の方がはちみつ色で、上の方になるにしたがって赤くなっていた。綺麗。



「よっしゃ出来た。『耐熱魔力薬ヒートエフェクトポーション』。飲むと一定時間熱に強くなるやつだ。魔力がたっぷりだから効果高いぞ。口当たりもまろやかになってるはずだ。あとは、スタミナ上限時間限定上昇。スタミナ切れを防ぐやつを入れたから、すぐ息切れするってこともない」



 俺のレシピにもしっかりと書き込まれていた。これでいつでも作れるってことか。

 なんて思っていると、ヒイロさんはこっちを見て「弟子」と俺を呼んだ。何その呼び方。



「なあなあ、弟子。今のレシピ、しっかりと覚えたろ」



 あはい。師匠の言うことは聞けってことですね。

 ヒイロさんが嬉しそうな顔をして、なあ、と口を開く。



「こいつがらみのレシピは全部思いつき次第マックに伝授するから、マックが腕を上げるためにたくさん作れよ。俺が欲しいと思ったらマックから高値で買うから。あと、これの料理研究もするんだろ? この実がどんな形で手に入るようになるかはわからねえが、買取も安く済むように俺がサウ村のやつに話しつけてやるからさ、これのレシピはすべてマックに任せるからな」

「刺激強すぎて弄りたくないんですねわかりました」



 俺がキリッと答えると、ヒイロさんは拍手しながら「その通り」と肯定していた。



 辛み成分とスタミナ消費増を抑える素材を入れると、どれも似たようなレシピにしかならないらしく、その他のレシピ配合を諦めたヒイロさんは、その二点を使わなくても使えるようになる調薬レシピを見つけるという課題を俺に出して、調薬器具をしまった。

 そしてすぐに窓を開けて換気する。ヒイロさん自身も、新鮮な空気を吸うべく、家の外に向かった。

 玄関を出ると、ヒイロさんは深呼吸して、刺激のない空気うめえ、と呟いた。





 広場では、ヴィデロさんと虎の獣人さんが戦っていた。相手は爪、ヴィデロさんは剣。

 結構二人とも本気でやってるみたいなのに、怪我はしてない。その絶妙な加減がきっと上手いってことなんだろうと思う。

 俺たちが見物しているのに気付いたヴィデロさんは、虎さんの爪を剣で弾いた瞬間しゃがみ込んで足払いをすると、剣を納めてこっちに歩いてきた。

 バランスを崩した虎さんはそれでもそこでしりもちをつくことはなく、凄い身のこなしで後ろに下がり、爪を引っ込めた。



「終わったのか?」

「うん。ヴィデロさんかっこよかった」



 ヴィデロさんの華麗なる身のこなしに見惚れていた俺は、興奮を抑えられずにしっとりと汗に濡れた身体に抱き着いた。こういう模擬戦みたいなのは魔物と戦ってる時と違って安心して見物してられるからいいよね。ヴィデロさんの戦う姿ってかっこいいから、たまには堪能したい。好き。



「マック、発情するなら部屋貸すぞ?」



 虎の獣人さんにヴィデロさん越しにそう言われて、カッと頬が熱くなった。そうだった、ここでヴィデロさんに悶えてると、すっかりバレるんだった。恥ずかしい。でもヴィデロさんがかっこいいんだもん。愛を叫びたいくらいかっこいいんだもん。しょうがないじゃん。

 赤くなった頬を隠そうとさらにヴィデロさんの肩に顔をくっつけると、ヴィデロさんの含み笑いが間近で聞こえた。そして。



「部屋、借りるか?」

「待ってヴィデロさんほんと待って。発情してるのは嘘じゃないけど、こ、ここまでオープンっていうのはちょっとさすがに恥ずかしい」



 愛し合うなら俺たちの家がいいよ。

 そういうと、獣人さんたちは心配そうな顔をした。



「発情しちまってそこまで持つのか? 大丈夫か? そういうのはお前、無理しちゃだめだ。ヴィデロ、発情した番を放っておくなんて非情なことはしねえよな。何なら発情を促すやつ、やるか? ああでもアレ人族に食わせるとどうなるのかわからねえからダメか……」



 真剣な顔つきの虎さんの言葉に、俺の発情引っ込みました。そっか。獣人にとって発情ってのは大事なことなんだ。

 確かにこれは猥談にはならないよね。



「も、大丈夫」



 俺が顔を上げると、虎さんはさらに心配そうな顔になった。



「そんなすぐ発情って収まるのか? どうやって子作りするんだ。え、人族の発情周期ってこんなはええのか!? それともなんか病気か!?」



 おろおろし始めた虎さんの肩に、ヴィデロさんの手が置かれる。



「大丈夫だ。お前たちと俺たちの身体の作りが違うだけだから病気でも何でもない。それに俺たちにとって、発情期……っていうのはいつでも、それこそ俺がマックを可愛いと思ったら込み上げてくるものだから。そこまで大変なことじゃないんだ。慌てるなよ」

「そ、そうなのか……ならいいけどよ。そうか、身体の作りが違うのか……今度ガレンと会ったときにでも詳しく訊いてみるか……」



 引きさがりながらも、虎さんは心配そうだった。







 お目当ての素材は殆ど手に入らなかったけれど、予想外の物をゲットして、さらに新レシピまでゲットした俺は、ヴィデロさんと共にジャル・ガーさんの洞窟に跳んだ。

 相変わらずの盛況ぶりだったけれど、やっぱりというかなんというか、半分くらいは弾かれている。何でだよ、なんて悪態ついてる人までいる。



「なんで俺はダメなんだよ!」

「お前、子供獣人一匹くらいは持ってきても大丈夫とか思ってるだろう? 俺たちは家畜でも動物でも魔獣でもない。獣人族という種族だ。それがわからねえ奴は俺らの地は踏めねえと思え」

「う……」



 反論できないらしいプレイヤーは、悔しそうに列を離れていった。

 列整理しているケインさんは、もう手慣れた物らしく、そんなやり取りも訊いてないようだった。

 村に行く許可が下りた人の手を取って、俺たちに手を振ってから、フッと消えていった。

 毎日これじゃ大変だよね。

 俺たちは壁沿いに部屋を抜けて、そっとジャル・ガーさんに手を振ってから扉を閉めた。

 洞窟内も転々とプレイヤーがいたので、跳ぶのは諦めてヴィデロさんと徒歩デートに切り替える。魔物はヴィデロさんが一撃で消してしまうから、俺はほんとにお散歩状態。だってスタミナポーションすらいらないくらいあっさり倒しちゃうんだよ。ヴィデロさんかっこいい。好き。

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