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vs. お貴族サマ。
増えた。
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組合の受付カウンターにしがみついて、きゃんきゃん喚くなみなみ貴族こと、他国の侯爵サマ。
大声で喚くその内容は。
「……クラウディアと同じ顔だし。年齢も当てはまるし。本来何事もなければ、君は、侯爵家の姫君で……。僕とクラウディアの娘、コーネリアだったはずなのに。クラウディアとは、娘が生まれたらコーネリアって名付けるって約束してたんだ。……僕との約束を、クラウディアが破るわけがない! だって……」
……とかナンとか。
約束、ねぇ……。
自分のコトはキレイに棚に上げて、ナニ言ってやがんですかねこの水平線バカ。
ギャラリーと化した組合員達の冷えきった目よ。
おにーさまとおねーさまも、冷たい目でカウンターにすがるなみなみ貴族を見てる。
その、最愛? とか言ってるクラウディア嬢──認めたくはないが、どーやら母のよーだ──が、ナニがDoして死にかけてるところを父に拾われたのか、その後の山あり谷ありな人生を、ちょいと語ってやろうかね?
色ボケ百花繚乱バカの、公爵令嬢──自分よりも身分の上の者の言う事を鵜呑みにして、母のコトをあっさりと諦めてさっさと再婚しておいてさ。
自分は悪くない、とか。
ナニ被害者ヅラしてんだか。
お前──一方じゃ、トンでもない加害者だからな?
先妻を亡き者にして、まんまと後妻に入った色ボケ公爵令嬢に託卵されて生まれてきた、一応侯爵家の子と認知されている娘……育児放棄してるじゃないか。
それこそ無関係なのに、一番迷惑被ってるの、その娘じゃね?
冷めた……っつか、凍りついた視線をなみなみ貴族に向ける。
が。
なみなみ貴族は、まったく気付いちゃいない。
さんざん喚いていたのが、よーやく静かになった。
「………って……」
と、思ったら、ナニやらぶつぶつと小声で唱えている。
はっきり聞こえないけど、かなり不穏なコトを呟いてるらしい。
なみなみ貴族のすぐ側に控えているダニエルが、え? って顔した後必死になって。
「旦那様、それはいけません。……不可能です、考えなおして下さい!」
と、言い続けてる。
つか、止めよーとしてる?
かなり、ロクでもないコトを言ってるのか?
な~んか、なみなみ貴族の目付きが、ヤバいコトになってきてる。
「……ちょ、アレ……」
「なんか、ヤバくない?」
「思い詰め過ぎ……?」
ザワつく組合員達。
そして、おにーさまとおねーさまに更に庇われる私。
……ナニよ?
呪術対決なら負けないけど?
密かにヤル気に満ちあふれた私だったが。
ぶつぶつ呟くのを止めたなみなみ貴族は、急に顔を上げて。
「いいよ、もう……。侯爵家の権威を有効活用するよ。……コーネリア! 君は、僕と一緒にサルファー王国に……」
「なに他国でバカなコトをやらかそうとしてるんですか!」
喚くなみなみ貴族のアタマを、良い音を立てて一発ドツいた男が1人。
いつの間に?
地味ながら、質の良い服に身を包んだ濃い茶髪をキレイに短く整えた……どー見ても、お貴族サマである。
……えー?
増えた?
大声で喚くその内容は。
「……クラウディアと同じ顔だし。年齢も当てはまるし。本来何事もなければ、君は、侯爵家の姫君で……。僕とクラウディアの娘、コーネリアだったはずなのに。クラウディアとは、娘が生まれたらコーネリアって名付けるって約束してたんだ。……僕との約束を、クラウディアが破るわけがない! だって……」
……とかナンとか。
約束、ねぇ……。
自分のコトはキレイに棚に上げて、ナニ言ってやがんですかねこの水平線バカ。
ギャラリーと化した組合員達の冷えきった目よ。
おにーさまとおねーさまも、冷たい目でカウンターにすがるなみなみ貴族を見てる。
その、最愛? とか言ってるクラウディア嬢──認めたくはないが、どーやら母のよーだ──が、ナニがDoして死にかけてるところを父に拾われたのか、その後の山あり谷ありな人生を、ちょいと語ってやろうかね?
色ボケ百花繚乱バカの、公爵令嬢──自分よりも身分の上の者の言う事を鵜呑みにして、母のコトをあっさりと諦めてさっさと再婚しておいてさ。
自分は悪くない、とか。
ナニ被害者ヅラしてんだか。
お前──一方じゃ、トンでもない加害者だからな?
先妻を亡き者にして、まんまと後妻に入った色ボケ公爵令嬢に託卵されて生まれてきた、一応侯爵家の子と認知されている娘……育児放棄してるじゃないか。
それこそ無関係なのに、一番迷惑被ってるの、その娘じゃね?
冷めた……っつか、凍りついた視線をなみなみ貴族に向ける。
が。
なみなみ貴族は、まったく気付いちゃいない。
さんざん喚いていたのが、よーやく静かになった。
「………って……」
と、思ったら、ナニやらぶつぶつと小声で唱えている。
はっきり聞こえないけど、かなり不穏なコトを呟いてるらしい。
なみなみ貴族のすぐ側に控えているダニエルが、え? って顔した後必死になって。
「旦那様、それはいけません。……不可能です、考えなおして下さい!」
と、言い続けてる。
つか、止めよーとしてる?
かなり、ロクでもないコトを言ってるのか?
な~んか、なみなみ貴族の目付きが、ヤバいコトになってきてる。
「……ちょ、アレ……」
「なんか、ヤバくない?」
「思い詰め過ぎ……?」
ザワつく組合員達。
そして、おにーさまとおねーさまに更に庇われる私。
……ナニよ?
呪術対決なら負けないけど?
密かにヤル気に満ちあふれた私だったが。
ぶつぶつ呟くのを止めたなみなみ貴族は、急に顔を上げて。
「いいよ、もう……。侯爵家の権威を有効活用するよ。……コーネリア! 君は、僕と一緒にサルファー王国に……」
「なに他国でバカなコトをやらかそうとしてるんですか!」
喚くなみなみ貴族のアタマを、良い音を立てて一発ドツいた男が1人。
いつの間に?
地味ながら、質の良い服に身を包んだ濃い茶髪をキレイに短く整えた……どー見ても、お貴族サマである。
……えー?
増えた?
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