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3 年上筋肉攻めのダイくんはヤキモチ焼き

5 ヤキモチ

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 ◆ ◆ ◆



 ボクの目の前で、ダイくんはズボンを脱いでいる。
 まるで伝説の戦士みたいにパンと張った太腿が視界に飛び込んできた。綺麗――と、思うけどなんだか口が動かない。
 黒パンツをおろすと、そこはもう猛りきっていた。よかった。彼も彼で興奮してくれてたみたい――。

「ほら、お前も早く脱げよ」
「……ヤだ。脱がせ、て……」

 壁にもたれたまま、ボクは両手をバンザイする。

「甘えんな」

 イラついたように言ったが、とろりとしたままのボクに見兼ねて手を伸ばしてくる。まるで赤ん坊のお世話みたいに下着を取り、上も全部剥ぎ取られた。
 寒い部屋でボクだけが全裸にされる。仕方がないけど、鳥肌が立ってしょうがない。

「カゼ引きそうだな……」

 と、毛布を肩にかけてくれた。ダイくん用だからとっても大きくて、爽やかな香水のニオイが凄くする。

「ありがと」

 ダイくんは恥ずかしそうに「ん」と頷いただけだった。
 そんなことより、とボクの腰を軽々と持ち上げる。

 胸と胸をくっつけて、対面で向き合った。

 この体位だと最中の顔を見られちゃうから、ホントは恥ずかしい。
 でもダイくんの体は筋肉質で分厚いから、上に乗られちゃ重くて重くてひとたまりもない。
 だから彼とする時は大抵、このスタイルだ。

「トキュリタ」
「ダイ、くん……」

 ボクも彼もうっとりと互いを見つめ合う。
 ダイくんの真剣な表情、すごく好き。
 普段はひたすら不機嫌そうにしてるから分からないけど、ときどき、びっくりするくらい凛とした顔つきになる。
 物音一つしない静かな夜みたいな――それが今。

 たまらなくなって、またキスしたくなる。
 でも顔を近づけたところで、アゴの先をぐっと掴まれた。


「お前、ここ」


 彼の親指が胸の間をなぞっている。


「ユーラスとヤったばっかだろ?」


「……うん」


 ――キスマーク。
 ダイくんには“誰がどの位置なのか”ちゃんと把握されている。


「いつ?」

「……おととい」

 本当は昨日だけど面倒だから嘘をついた。

「何回挿れた?」

「二回だけ」

 これは本当。
 もっとしたかったけど、舞台の本番が近いのにあんまり激しくして腰が痛くなったら可哀想だから我慢した。

「フン」

 ダイくんはムッとして、キスマークを塗りつぶすように爪を立ててきた。
 親指をえぐりこませるようにグッと。

「痛っ! ヤだっ、やめて……」

「それで欲求不満で俺んところに来たわけか」


 見事に言い当てられちゃいました。あははは。

「違うよ!」

 とっておきの笑顔をつくる。

「今日はとーっても、ダイちゃんに会いたい気分だったの!」

「へーへー、そーですかっ」

 ボクの嘘を見抜いてるっぽかった。

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