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・松嶋先生はせんちゃんのことが…!?(ほのぼの)
へ?
しおりを挟むもし万が一のことがあっても、オレには優兄という心に決めた人がいる。
なにを言われたってお断りだ。
テストの問題を事前に教えてくれると言われても、白紙の答案を出しても満点をくれると約束されたとしても、絶対にダメだ。そんな甘い誘惑には屈しない。絶対に絶対に絶対に──。
「せ、せんりくん……、じつは、きみに、ききたいことが、あるんだ……」
先生の声はあまりにも低音かつ少音だった。
頬の肉がほとんど動かず、口の先っぽだけがちょぼちょぼと開閉しただけ。空調の音にさえ負けそうだ。
「へ?」
「……きみの、おにいさんって……お家では……、どんなひと……?」
──おにいさん?
自分の耳を疑った。リスニング能力がバグったのかと思った。
優兄のことを考えていたから、先生まで優兄のことを話しているように聞こえたんじゃないかと──。
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