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「ヤンデレ家庭教師が“ステキ”なおとぎ話を読み聞かせてくれる」
昔々あるところに
しおりを挟む昔々 あるところに
とっても内気で
学校になかなか馴染めない子がいました。
とても頑張り屋さんのその子は
褒めてもらいたくて
誰かに認めてほしくて
涙をこらえながら毎日努力していましたが、
両親もクラスの人たちも
誰一人としてその子を見ていないのです。
けれど、世界でたった一人
家庭教師の先生だけは違いました。
その子のひたむきな努力をやさしく見守り、
評価してくれたのです。
他者に受け入れられる喜びを知ったその子は
家庭教師だけを心から慕うようになりました。
「先生と過ごす時間だけが楽しい」
「先生とずっと二人きりでいたい」
そんなことを照れたように打ち明けては
まるで子犬のようにふわふわと先生にじゃれつき、
何度も何度もその頬にキスをしました。
やがて
胸いっぱいの愛情をエネルギーに
その子はぐんぐん成長し、
生きる希望を持ち、
前向きな性格になっていきました。
「自分を勇気づけてくれた先生のような素晴らしい教師になりたい」
そんな夢まで持ったのです。
あれほど苦手だった学校にも
毎日通えるほどになりました。
この目覚ましい成長ぶりに
先生もとても喜び
愛する教え子と過ごす将来が楽しみだ、と
心からの幸せに包まれたのです。
めでたしめでたし。
でも、この話にはまだ続きがあります。
応援ありがとうございます!
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