Sランクの男は如何でしょうか?【R18】※番外編更新中

キミノ

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第2章

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「あ、あのっ・・・」

 自分から跨ったのに今更ながら激しい羞恥心に襲われていた。

 彷徨う沙也加の両手は絡めとられて、そのまま貴臣の首に回されるように置かれた。自分の腕の短さの所為で、息のかかる程の距離に鼓動が速まっていく。恥ずかしくて貴臣の右肩を見つめるが、ちくちくと至近距離から刺さるような視線を感じる。触れそうで触れない身体は、ピンと背筋を伸ばしたまま動く事も出来ずにいた。


 
「(ぐいっ)___シャンプーの香りがする」

 突然引き寄せられた身体は傾き、貴臣の逞しい胸に着地した。低く掠れた声は左耳から全身に回り、甘い痺れを与えた。

「あの、勝手にお風呂借りました。すいませっ、んん」

 言い終わる前に左耳に熱い吐息が掛けられ、思わず声が漏れる。反応し過ぎる自分の身体は、恥ずかしさで更に感度が増していた。貴臣はそれを楽しむように、首筋にも触れないギリギリの所で息を吹きかけてくる。確認は出来ないが、耳は赤く熱を持ってしまっている事が容易に想像できた。

 ぴちゃりといやらしい音を立てながら、耳の内側をなぞる様に舐められる。まるで別の生き物の様に這いずり回る舌から逃れようとしても、貴臣の両手に顔を捕まれて弄ばれてしまう。耳朶を緩急付けて吸われ甘噛みされると、ぞくぞくとした感覚に全身に鳥肌が立つ。


「はっはぁ・・・(ぴちゅ)そんなに噛むな。血が出る」

 貴臣の落ち着いた低音に思わず噛んでいた唇を放した。見えているはず無いのに、貴臣には背中にも目があるのかと疑ってしまう。

 自分ばかりがいっぱいいっぱいな気がして、瞳が自然と潤んだ。

「ほら。もう、噛むなよ?」

 向かい合う様に促されて座りなおすと、血の滲んだ唇を貴臣の指が優しく拭った。十センチの距離で見つめられて、くっついている時よりも気恥ずかしくなってしまう。目を合わせられずに視線をデスクに向けると、モニターには薄っすらと貴臣にまたがる自分の姿が映っていた。まるで自分から貴臣に言い寄っている様に。



 顎を捕まれて向きなおされると、少し不機嫌そうな貴臣がこちらを見つめていた。


「私を見ろ」


 噛みつくようにキスしながら、貴臣の腕は沙也加の後頭部と腰に回された。呼吸を忘れてしまう程に荒々しく吸い付かれて、唇と唇の隙間から熱い息が漏れる。貴臣の舌が沙也加の舌を追いかけて絡めとると、くちゅりと水音が鳴る。腰に回された腕に爪を立てるが、さらに強く抱き締められてしまう。



 はっ、はっと荒い呼吸が静かな部屋に響いた。


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