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樹里が一歩でも人事部の部屋を出ると、誰もが樹里を見ていた。
そんな中、俺が話し掛けることは出来なかった。
なぜなら、樹里が俺のことを一切見ていなかったから・・・。
知らない人のフリを、徹底的に続けていた。
社内で樹里に話し掛けることは、樹里のNGの方に入るとすぐに判断した。
だから・・・メールを送った。
何度も、送った。
何度も何度も、送った。
それでも、返ってくることはなかった・・・。
やっと、樹里の気持ちが分かった。
返事のない紙を、樹里はずっと俺に渡し続けていた。
“ちゃんと伝わっているか心配していた”
そう言って、俺に初めて涙を見せた樹里の姿を思い出し、心臓が苦しくなる。
俺のメールは、樹里にちゃんと伝わっていだろうか・・・。
溜め息を吐きながら、樹里から貰った“赤い糸”の紙を見る。
そこに、左手をかざす・・・。
繋げた・・・。
無理矢理だけど、俺は繋げた・・・。
そう、思った時・・・
“副社長”からの内線が鳴った。
副社長と直接内線が繋がるのは、限られた社員だけだった。
そんな中、俺が話し掛けることは出来なかった。
なぜなら、樹里が俺のことを一切見ていなかったから・・・。
知らない人のフリを、徹底的に続けていた。
社内で樹里に話し掛けることは、樹里のNGの方に入るとすぐに判断した。
だから・・・メールを送った。
何度も、送った。
何度も何度も、送った。
それでも、返ってくることはなかった・・・。
やっと、樹里の気持ちが分かった。
返事のない紙を、樹里はずっと俺に渡し続けていた。
“ちゃんと伝わっているか心配していた”
そう言って、俺に初めて涙を見せた樹里の姿を思い出し、心臓が苦しくなる。
俺のメールは、樹里にちゃんと伝わっていだろうか・・・。
溜め息を吐きながら、樹里から貰った“赤い糸”の紙を見る。
そこに、左手をかざす・・・。
繋げた・・・。
無理矢理だけど、俺は繋げた・・・。
そう、思った時・・・
“副社長”からの内線が鳴った。
副社長と直接内線が繋がるのは、限られた社員だけだった。
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