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最低で最悪な嘘をついている俺に、こんな風なお礼を言ってきた。
それには死ぬほど苦しくなったけれど・・・
少しだけ震えてくる手を必死に動かし、スマホを操作した。
「これ、俺の連絡先。」
タイプの女に連絡先を教える時とは比べ物にならないくらいの緊張で胃が痛くなってくる。
「いつでも連絡しろ。」
"ヤバい・・・、俺、もう望に会えねーかも・・・。”
「起業することを親父にOK貰ったから俺明日からすげー忙しくなる。
望の所で飯食う暇もなくなるから。」
"こんなに最低で最悪な嘘を望の前でつき続けるの、マジで無理かも・・・。”
"だから、本物の一平の第2ボタンを渡せる時までは・・・”
「暇だったら返信する。」
"これしか、俺には無理だ。”
"今の俺にはこれくらいしか、無理だ・・・。”
"これくらいの演技しか出来ない・・・。”
"一平の第2ボタンだと信じて俺の第2ボタンを大切そうに握り締める望を前にしたら、まだまだガキみたいな俺には・・・”
「ピーコートが欲しくなったらいつでも言えよ!!
俺は望の"ほぼ兄貴”で"ほぼ友達”だからな!!?」
俺に"ピーコートが欲しい”と言ってくることはこの先ないであろう望に、それだけでも死ぬ気で伝えた。
俺は望の"ほぼ兄貴”で"ほぼ友達”だから・・・。
だから・・・
望がこの先、俺が増田財閥をぶっ壊すその時まで頑張って歩き続けていられるように・・・
"一平の第2ボタン”だろうが"もう俺に欲しがることなんてないピーコート”だろうが、俺が望に渡す。
どんな形でも、どんなに無理矢理な方法でも、俺が望に渡す。
改めて強く覚悟を決めながら、号泣しながらもすげー笑顔で頷いた望に背中を向け、俺は半べそをかきながら歩き出した。
見上げた空はやけに青くて・・・
それがまた、俺のことを泣かせにきた。
「君~、ちょっと良いかな。
どうしてそんな格好してるの?
身分を証明出来る物ある?」
「・・・今、俺の人生の中でベスト3くらいに入る名シーンなんっすけど。
これからピーコート・・・じゃねーわ、そこら辺で服買うんで勘弁して下さいよ。
今日高校の卒業式でほぼ全部奪い取られたんっすよ。
ほら、俺すげーモテて。」
「どこの高校?学生証は?」
「・・・・・・・学生証も奪い取られた気がする。
マジでちょっと待って・・・あれ、マジで俺スマホ以外今何も持ってねーかも。
あ、定期あるわ、定期じゃダメっすか?
・・・・・・・・・って、こんなダセーオチかよ!!!?」
·
それには死ぬほど苦しくなったけれど・・・
少しだけ震えてくる手を必死に動かし、スマホを操作した。
「これ、俺の連絡先。」
タイプの女に連絡先を教える時とは比べ物にならないくらいの緊張で胃が痛くなってくる。
「いつでも連絡しろ。」
"ヤバい・・・、俺、もう望に会えねーかも・・・。”
「起業することを親父にOK貰ったから俺明日からすげー忙しくなる。
望の所で飯食う暇もなくなるから。」
"こんなに最低で最悪な嘘を望の前でつき続けるの、マジで無理かも・・・。”
"だから、本物の一平の第2ボタンを渡せる時までは・・・”
「暇だったら返信する。」
"これしか、俺には無理だ。”
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"一平の第2ボタンだと信じて俺の第2ボタンを大切そうに握り締める望を前にしたら、まだまだガキみたいな俺には・・・”
「ピーコートが欲しくなったらいつでも言えよ!!
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俺は望の"ほぼ兄貴”で"ほぼ友達”だから・・・。
だから・・・
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どんな形でも、どんなに無理矢理な方法でも、俺が望に渡す。
改めて強く覚悟を決めながら、号泣しながらもすげー笑顔で頷いた望に背中を向け、俺は半べそをかきながら歩き出した。
見上げた空はやけに青くて・・・
それがまた、俺のことを泣かせにきた。
「君~、ちょっと良いかな。
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「・・・今、俺の人生の中でベスト3くらいに入る名シーンなんっすけど。
これからピーコート・・・じゃねーわ、そこら辺で服買うんで勘弁して下さいよ。
今日高校の卒業式でほぼ全部奪い取られたんっすよ。
ほら、俺すげーモテて。」
「どこの高校?学生証は?」
「・・・・・・・学生証も奪い取られた気がする。
マジでちょっと待って・・・あれ、マジで俺スマホ以外今何も持ってねーかも。
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