【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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1月5日  19時 5分前



鎌田さんが経営している美容室のすぐ近くの壁に寄りかかり、真っ暗になっている空を見上げた。



あれから、青さんは会社のことと鎌田さんの案件のことでバタバタとした年末年始を過ごしていたはずで。



私もミツヤマでの観察や12月31日には小関の“家”に帰り、一平さんの奥さんである貴子(たかこ)さんに加藤の“家”のお節料理などを教えたり、家事能力が皆無な一平さんに家事を教えたり、一美さんにまさかの1人エッチを教えたり、久しぶりに小関の”家“に帰って来たお兄ちゃんには青さんの案件の報告を改めてしていたり打ち合わせもしたり、私も結構バタバタとしていた。



青さんの所に帰れたのは昨日、そこから急いで鎌田さんの案件の打ち合わせをし、今日のこの時間にこの場所へと来た。



数日ぶりに会った青さんは亡霊のような顔をしていて。



“とんかつ屋のとんかつも食ってないし、お前の飯も食ってないし、俺のチン・・・父親はマジでもう死んでるかもしれないし、鎌田のことがめちゃくちゃ心配だし、チ◯コだけじゃなく俺自身も死にそう。”



“もう死んだ後みたいな顔ですよ?”



そう突っ込んだ私に青さんは少しだけ楽しそうに笑い、玄関まで見送ってくれた。



“あいつを1度殺して生まれ変わらせろ。“



打ち合わせの時に何度も何度も青さんが言っていたその言葉を、最後に玄関でも言われた。
むしろ、”青さんからの依頼“の打ち合わせではそれしか指示を出されなかったと言っても過言ではない。



「ありがとうございました~!!」



「私の方こそありがとうございました!
また絶対に間中さんを指名しますので!!」



すぐそこの扉が開き、恐らく最後のお客様が美容室から出てきた。
そのお客様と美容室の前で立ち話をしているマナリーが、お客様が去った後に私のことをチラリとだけど確認をした。



お互いに目で会話をする。



”知らないフリをしてね、マナリー。“



”は~い!“



メッセージでもお願いしたことを目でもお願いをした。



その時・・・



向こうの方からぎこちなく歩いてくる女の人がいた。
あの女の人が愛姉さんなのだと分かり、一気に心配になってくる。



でも・・・



私にはマナリーもいてくれるからきっと大丈夫。



私の初めての”友達“。



私の”家“のことも理解してくれ、私自身のことも理解してくれ、そして協力までしてくれる私の”友達“。



“愛姉さんのことを生まれ変わらせるのはお願いね、マナリー。“



”は~い!“



私のことをチラリと見ることもなく、ぎこちなく愛姉さんがお店に入ったのを確認してから数分後、私は鎌田さんの美容室の扉を開けた。



面接でも観察でもなく、私は清掃をしに行く。



“鎌田の幸せだけを願って、この案件を進めて欲しい“。



”俺が出した数人の候補者の中から鎌田が望のことを担当に選んだからには、“掃除”ではなく“清掃”をしてきて欲しい。”



“見えない所まで綺麗にする”清掃”を。“



青さんの言葉を胸に、鎌田さんの美容室へと足を踏み入れた。



「”みっ君“♪会いたかった~!!!」



鎌田さんと会えたのも久しぶり。
今までの彼女さん達と同じように私も”みっ君“と呼び、嘘ではない言葉を伝えながら鎌田さんに”鎌田さんからの依頼の“打ち合わせ通りに抱きついた。



そんな私に鎌田さんも楽しそうに笑ってくれ、ギュッと抱き締めてくれた。



”相変わらずチャラい男の匂いがしてるな~。“



それは必死に声から出さないようにしながら。



鎌田さんに抱きつきながら愛姉さんのことを鏡越しに確認すると、愛姉さんは顔をピクリとも動かさずに鎌田さんと私のことを見ていた。











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