【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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「あともうちょっと・・・・・」



「そう言ってさっきからずっとじゃん・・・っ」



「終わるのが勿体無くて調整しまくってる・・・」



「声・・・っ、ここのアパート、声聞こえちゃうから・・・っ」



「隣も真下も住んでねーから良いだろ・・・。」



「でも・・・」



「なら早く俺の家に引っ越してこいよ・・・。
望のことは追い出すから・・・。
そしたらバレンタインの日に行ったホテルの時みたいにもっと凄いのしてやるから・・・。」 



「それは望さんが可哀想・・・だし、それにあれは凄すぎて・・・・あ、ダメそう・・・ンッ・・・・・・青さん・・・・・っっ」



「先イッて・・・野々のイッてる顔見てから俺もイくから・・・」



聞きたくないのに、足が動かなくて。



全然動いてくれなくて・・・。



2人の声が無言になったのと同じタイミングで、ベッドが激しく軋む音が聞こえてきた。



そして・・・



「すげ・・・・・っマジで可愛い・・・・野々・・・・・・すげー好き・・・、マジで愛してる・・・・・」



それを聞き、私の身体は弾かれたように動き出し、野々ちゃんの部屋の扉の取っ手に晃孝堂の紙袋を引っ掛け、ダッシュでアパートから飛び出した。



駅までダッシュで走っていく。



ダッシュで・・・、ずっとダッシュで走りたいのに・・・。



30歳の体力は若い時とは比べ物にならないくらいに落ちていて。



すぐに息が上がって心臓が苦しくなり、足が止まってしまった。



“苦しい・・・。“



“凄く苦しい・・・。“



”このまま死にたい・・・。“



”私、このまま死にたい・・・。“



”だって、もう思い出せない・・・。“



”青さんからの私への”愛してる“を思い出せない・・・。“



”呆けてもきっと幸せな夢の中にいられない・・・。“



“私の青さんに会えない・・・。“



見上げた空はやっぱり灰色で。



何処を探しても青(あお)なんてなくて・・・。



「青さんの家の幻も、もう見えないのかな・・・。」



あんなに消えて欲しいと思っていたのに、帰った時にいなくなっていたらと思うとこんなにも苦しい。



こんなにも悲しい。



死んでしまいたいくらいに虚しい。



「私、やっぱり捨てられるんだ・・・。」



私の青(あお)に会いたい・・・。



私だけの青(あお)だった青(あお)に、私は会いたい・・・。



「こんなに苦しいなら、知らなければ良かった・・・。」



”青さんの”愛してる“なんて、知らなければ良かった・・・。“



「本物の”愛してる“は勿体無いから調整出来るとか、知らなかった・・・。」



”私とのエッチはみこすりはんだったのに・・・。“



”私とのエッチは勿体無いとは思わなかった・・・?“



”本当は全然可愛くなくて、早く出してスッキリしたかっただけ・・・?“



灰色の空に心の中で聞いた、その時・・・



「望さん・・・・・っっ!!」



私の名前を呼ぶ野々ちゃんの声が聞こえた。






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