【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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「演技が下手になったな、和希。
本当は増田財閥なんてぶっ壊したいんだろ?」



“出来るだろ、青さん。”



久しぶりに会っても、“お兄ちゃん”が今日も俺にそう言っているということが分かる。



「再会した望のことを女として本気で愛するように仕向けて、俺に全力で増田財閥をぶっ潰させるつもりだろ?」



“青さんなら簡単だろ?”



昔、何度も何度も何度も言われた。



この顔で。



この、昔と何も変わらない顔で。



“青さん、“ゆきのうえ商店街”は強いな。
この商店街を強くした男がいずれ、増田財閥のトップに立つ。
その男は大雪が降っていたとしても歩き続けられる男。
どんな道だとしても弟の前を歩き続けることが出来る強い強い足に、増田財閥の現会長が無理矢理にでも育てた。”



“増田譲も増田元気も、青さん達の高校にいるようなおぼっちゃま君じゃない。”



“増田清掃が全ての力を使って潰そうしてきた場所、“ゆきのうえ商店街”のめちゃくちゃヤバい大人達が力を合わせて育ててきた天使。”



“羽なんてなくても、雪の上を大切な誰かを背負ってでも、何処までも歩き続けることが出来る心と足を持っているヤバい奴が、いつか必ず増田財閥のトップを奪い取りにやって来る。”



”これ以上大切なモノを取られないように。“



”現会長が望んでいる増田財閥のトップとしての姿になり、いつか必ず現れる。“



”ヤバい奴だよ、増田譲は。“



”青さんよりもヤバい奴かもしれない。“



増田ホールディングスのデカいビルを見上げながらそう言った”お兄ちゃん“の横顔を思い出す。



そして、俺が言ったこの言葉も。



”ヤバさなら俺だって負けねーよ!!
増田譲がこのビルのトップに座ったら、どっちがヤバい奴か勝負しに行ってやるから楽しみに待ってろ!!“



そんなことを言っていたのに、俺は増田譲にビビってついこの前まで大人しくしていた。
そして、そんなつまらない”普通“の大人になっていた俺の所に望が現れた。



”これから御社を俺がぶっ壊しますので。“



この前増田譲にした宣言を思い出しながら、言った。



「うちの“結ばせ屋”まで勝手に使いやがって、あんなのがなくても俺は望のことを本気で愛してる。」



そう言った俺は、満足そうに笑う和希に向かって大きく笑った。



「だから俺は望とは絶対に結婚しねーよ、クソ野郎!!!
普通の幸せなんて俺にとっては屁ぇくらいだよ、俺はヤバい奴だからな!!!
お前の望み、一平の望み、望の望みを増田財閥とは1ミリも関係ねー俺が叶えてやる!!!」
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