【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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浴衣の上に着る茶羽織という物を着せられ、その上からダッフルコートも羽織らされ、同じく茶羽織とコートを羽織った青さんから連れられて来た場所は・・・



「さっっっっむ・・・・!!!
何で外!!!?」



旅館の建物よりも立派な中庭だった。



そこに素足に下駄を履き、まだ雪が残るこの場所で2人で立っている。



「確かに中庭はめちゃくちゃ立派だけども!!
明日の朝見るからもう良いよ!!!
早く部屋に戻ろう!!!」



隣に立つ青さんにそう訴えると、震えながらも上を見上げている青さんが旅館の古い蛍光灯の光りの中で笑った。



「おぉ~!!マジだ!!
女将さんが言ってた通り、星すげーじゃん!!」



青さんの言葉には思いっきり釣られ、私も黒い空を見上げた。



そしたら、見えた。



黒い夜の空の中に輝くいくつかの星が。



「お~、本当だ。
東京よりは見えるね!!」



でも・・・



「まあ、でも、"すご~い!!!!”くらいの星ではないかな。
"東京よりは見えるね~”くらいのやつ。」



本当のことを言った私に青さんは隣で大きく笑った。



「お前マジでそういう所あるよな!!
女って普通は"すご~い”とか"こんなの初めて~”とか言いまくるじゃん?」



「あんなの演技じゃん。」



「それについては演技だと分かってても結構可愛いじゃん。」



「青さんでも演技だって分かってたんだ?」



「・・・・・・・・。」



「絶対分かってなかったじゃん!!!」



爆笑した私に青さんも爆笑し、2人で爆笑しながらも夜の星を見上げた。



「でも空は凄く広いね~!!!
めっっっちゃ闇!!!暗黒!!!鬱!!!」



「いや、普通に綺麗じゃんか!!
お前の目と心病みすぎだろ!!!」



「それは病むでしょ!!あの"家”は病むって!!
病まない方が逆にヤバい奴じゃん!!
でも、私にはめちゃくちゃ優秀なお兄ちゃんがいて、私は妹だから。
だからこのくらいで済んでるんだよ。
ちゃんと星もそれなりに綺麗に見えてる。」



「この星空が"それなりに”かよ!!
全然思い出にならなかったか!!!」



「星よりも"さっっっっむ!!!!”を忘れないかも。
星空よりも寒さの方が圧勝だもん。」



"さっっっっむ!!!”という思い出でも、青さんとの思い出だから私にとっては大切な思い出に変わりはなくて。



両手で腕を擦りながら、"そろそろ本当に戻ろう”と言うために口を開いた。



開こうとした時・・・



「・・・・・・ゎっ」



私の後ろから青さんが自分のコートを広げ、私の身体をスッポリと青さんのコートの中に入れてきた。
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