【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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こんな望みなんて心の中でも思わないようにしていたのに。
なのに青さんと再会してからはこの望みが私の心の奥底から浮かび上がってきてしまっていた。
何度も何度も沈めようとしていたのに、何度も何度も何度も心から溢れ出てこの口からも出てこようとしていて。



この口から絶対に出てしまわないように必死に我慢をし続けていたのに、今日はアッサリとこの口から出てきてしまった。



私はやっぱり"ダメ秘書”だから、言ってしまった。



"ダメ秘書”の私は青さんに、言ってしまう・・・。



「私のことも幸せにして、青さん・・・。
私・・・私も、幸せになりたい・・・。
1人の女としてじゃなくて・・・、小関の"家”の秘書、加藤の"家”に生まれた加藤望として、加藤望自身も、幸せになりたい・・・。」



私は加藤望・・・。
小関の"家”の秘書、加藤の"家"に生まれた。



私の幸せは小関の”家"の人達が幸せになること。



それが私の幸せ・・・。



それが、私の幸せなはずなのに・・・。



”私の愛を受け取ってよ、青さん・・・。"



”私の”愛してる"を受け取って、私と一緒に死んでよ、青さん・・・。"



心の中でそう言った時・・・



青さんの大きな手が私の背中をポンポンとテキトーに叩いた。



「”幸せになりたい"っていう望みをやっと口にしたかと思ったら、加藤の”家"の加藤望としてかよ!!
死にそうな顔と声でそんなことを言って、俺に会社を渡させようってか!?
とんでもねーネコだな!!」



「違うよ・・・、今のは・・・そっちじゃなくて・・・。」



私の言葉の意味を全然分かってくれなかった青さんの背中から両手を離した。



そして、言った。



青さんの顔を見上げながら・・・。



”一平さんの第2ボタン"を握り締めながら・・・。



「私の"愛してる”を受け取って・・・、私と一緒に死んでよ、青さん・・・。」



青さんと再会してから、ずっとずっと言いたかったことを言った。
いや・・・、再会してからではなく、きっと私の口に貼られたセロハンテープを青さんに剥がして貰った時から言いたかった望みを、遂に口にしてしまった。
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