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「そんな噂が回ってるんっすか!!?
怖いっすね~・・・。
噂話って怖いっすよね~・・・。
それ、信じないでくださいよ?」
「噂話はあてにならないから信じてないよ。」
「なら良かったです!!!」
青さんが爆笑し、それから優しい優しい声で大月旦に言った。
「でも、俺の会社では掃除も行ってます。
ある程度なら綺麗にすることが出来るんで、もしも“旦さん”が少しでも悩んでいることがあるなら綺麗にしますよ。」
青さんの言葉に私も頷く。
でも大月旦は青さんの言葉に少し驚いた顔をした。
「そうなんですね・・・。
でも、特に悩んでいることもないからな。」
それには思わず私は苦笑いをした。
この人は本当に、ほんっっっとうに、今日此処に来た理由が自分では分かっていないのだと改めて分かる。
でも、この人は今日此処まで来た。
晃孝堂のお饅頭を持って、アポ無しでわざわざお昼休みの時に来た。
私と青さんに会う為に此処まで来た。
青さんの所にいる加藤の"家”の私に会いに・・・。
だから、言う。
私のことを助けてくれたこの人に、この可哀想でもある大月旦に言う。
本当のことを言う。
「皇子、ごめんね。
私さっき嘘をついたの。」
「嘘?」
「文化祭に行った時には、皇子のお母さんの情報は皇子が7歳の時までしか知らなかったっていうのは本当。
でもね、皇子のお母さんが今どうしているか今は知ってるんだ。
皇子のお父さんが私のお父さんにお願いをしたみたいで。
皇子のお母さん、入院してるの。」
それには皇子の顔が固まる。
「皇子のお父さんはたった1人の友達にお母さんのことをお願いしてこれまでは陰から見守っていただけらしいけど、今回のことではうちを頼ってきた。
うちのお父さんはすぐに返事をしたって。
おばあちゃんのことを、そして加藤の"家”のことを万年先まで助けようとしてくれた大月の"家”からのお願いだもん。
それをこの前、お兄ちゃんに皇子に助けて貰った話をした時に私は教えて貰った。」
「母は・・・どうして入院を?」
「うん・・・腸の病気だって・・・。
前も同じ病気で入院をしたけどダメで、今回また入院になったみたい・・・。」
「そんなに悪い病気・・・?」
「うん、手術もする・・・。
でも・・・・長くはないって。」
"入院が。”
その言葉は言わずにそこで終わらせた。
大月旦のお母さんは盲腸で入院すると聞いた。
前回は薬で散らしたそうだけど今回は手術をすることにしたらしい。
大月旦のお母さんは今でも美しい人らしく、前回の入院では大月ホテルの皇子の母親なのではないかと見た目だけで噂になるくらいだったそうで。
なので今回はうちが病院を手配し他の患者達から隔離して入院することになっただけ。
大月経由でその手配をした場合、今は昔よりも何処から噂が回るか分からないから。
そうとは知らない大月旦は初めて顔を下に向けた。
この皇子様を1度殺してしまおうと思う。
青さんと私でこんなにも話しやすいでろう空間を創った。
なのに皇子様は口も心も固く閉ざしたまま。
うちのお坊ちゃまもお嬢様も大変だけど、大月ホテルの皇子も大変らしい。
"ごめんね、1回死んで。”
心の中でそう謝り、言った。
「お兄ちゃんが皇子のお母さんに会った時、皇子のお母さんは泣いていたって。
"あの子が女の子のことを守れなかったというのは本当なの?”って。
"私のことはどんなことでもして守ろうとしていた、小さな小さな私の皇子様だったのに”って。
"私とのことも私への気持ちも忘れた時に、私との約束も忘れてしまったのかな”って。」
お兄ちゃんから聞いた話を思い出していき、その言葉を大月旦に伝え、殺す。
「"ダンが大月ホテルの王様になったら、お母さんが大月ホテルに泊まりに行くって約束も、ダンはもう忘れてしまったということなのかな"って。」
その言葉まで伝えたら、死んだ。
予想以上に死んだ。
嗚咽を漏らしながら、死んだ。
私の隣に座る男がめちゃくちゃうるさく、死んだ。
怖いっすね~・・・。
噂話って怖いっすよね~・・・。
それ、信じないでくださいよ?」
「噂話はあてにならないから信じてないよ。」
「なら良かったです!!!」
青さんが爆笑し、それから優しい優しい声で大月旦に言った。
「でも、俺の会社では掃除も行ってます。
ある程度なら綺麗にすることが出来るんで、もしも“旦さん”が少しでも悩んでいることがあるなら綺麗にしますよ。」
青さんの言葉に私も頷く。
でも大月旦は青さんの言葉に少し驚いた顔をした。
「そうなんですね・・・。
でも、特に悩んでいることもないからな。」
それには思わず私は苦笑いをした。
この人は本当に、ほんっっっとうに、今日此処に来た理由が自分では分かっていないのだと改めて分かる。
でも、この人は今日此処まで来た。
晃孝堂のお饅頭を持って、アポ無しでわざわざお昼休みの時に来た。
私と青さんに会う為に此処まで来た。
青さんの所にいる加藤の"家”の私に会いに・・・。
だから、言う。
私のことを助けてくれたこの人に、この可哀想でもある大月旦に言う。
本当のことを言う。
「皇子、ごめんね。
私さっき嘘をついたの。」
「嘘?」
「文化祭に行った時には、皇子のお母さんの情報は皇子が7歳の時までしか知らなかったっていうのは本当。
でもね、皇子のお母さんが今どうしているか今は知ってるんだ。
皇子のお父さんが私のお父さんにお願いをしたみたいで。
皇子のお母さん、入院してるの。」
それには皇子の顔が固まる。
「皇子のお父さんはたった1人の友達にお母さんのことをお願いしてこれまでは陰から見守っていただけらしいけど、今回のことではうちを頼ってきた。
うちのお父さんはすぐに返事をしたって。
おばあちゃんのことを、そして加藤の"家”のことを万年先まで助けようとしてくれた大月の"家”からのお願いだもん。
それをこの前、お兄ちゃんに皇子に助けて貰った話をした時に私は教えて貰った。」
「母は・・・どうして入院を?」
「うん・・・腸の病気だって・・・。
前も同じ病気で入院をしたけどダメで、今回また入院になったみたい・・・。」
「そんなに悪い病気・・・?」
「うん、手術もする・・・。
でも・・・・長くはないって。」
"入院が。”
その言葉は言わずにそこで終わらせた。
大月旦のお母さんは盲腸で入院すると聞いた。
前回は薬で散らしたそうだけど今回は手術をすることにしたらしい。
大月旦のお母さんは今でも美しい人らしく、前回の入院では大月ホテルの皇子の母親なのではないかと見た目だけで噂になるくらいだったそうで。
なので今回はうちが病院を手配し他の患者達から隔離して入院することになっただけ。
大月経由でその手配をした場合、今は昔よりも何処から噂が回るか分からないから。
そうとは知らない大月旦は初めて顔を下に向けた。
この皇子様を1度殺してしまおうと思う。
青さんと私でこんなにも話しやすいでろう空間を創った。
なのに皇子様は口も心も固く閉ざしたまま。
うちのお坊ちゃまもお嬢様も大変だけど、大月ホテルの皇子も大変らしい。
"ごめんね、1回死んで。”
心の中でそう謝り、言った。
「お兄ちゃんが皇子のお母さんに会った時、皇子のお母さんは泣いていたって。
"あの子が女の子のことを守れなかったというのは本当なの?”って。
"私のことはどんなことでもして守ろうとしていた、小さな小さな私の皇子様だったのに”って。
"私とのことも私への気持ちも忘れた時に、私との約束も忘れてしまったのかな”って。」
お兄ちゃんから聞いた話を思い出していき、その言葉を大月旦に伝え、殺す。
「"ダンが大月ホテルの王様になったら、お母さんが大月ホテルに泊まりに行くって約束も、ダンはもう忘れてしまったということなのかな"って。」
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