【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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社内にいる掃除屋のメンバーが集められて青さんから怒られた会議室の中を皇子に見せる。



「これは凄いね。
こんなお花見のやり方があるんだ?」



「中学の頃から女の子を取っ替え引っ替えしてた”佐藤先輩“が、私の為にしてくれたお花見なんだぁ。」



柳瀬君が言っていることも交えながら大月旦の横に並ぶ。



「俺には考え付かないレベルだよ。
“佐藤先輩”、凄くモテるんだろうね。」



「いや、俺の方がモテたし。」



「青さん、うるさい。」



私がまたそう言うと大月旦はまた楽しそうに笑った。



そんな大月旦に聞く。



「どの花にする?いくつでも良いよ?」



「う~ん・・・どうしようかな。
でもお見舞いに鉢植えはダメなんだよね?」



「うん、そうそう。
だからブーケかフラワーアレンジメントかな。
お母さんが好きな花とか好きな色とか忘れちゃった?」



「・・・・・それは覚えてないな。
それは、本当に覚えていない。
俺は花とか色とか特に興味がなくて、何も覚えていないよ。」



それに頷くと、大月旦が困ったように笑って私のことを見た。



「キミが選んでくれないかな?
女性が好きそうな花や貰ったら喜びそうな花を。」



それには口を開いた時、青さんが先に言った。



「こういうのは気持ちでもあるんで、自分が贈りたい花を自分で選んだ方が良いっすよ。」



青さんの言葉に私も深く頷き、聞いた。



「この中で、皇子が良いなと思う花はある?」



「俺は花とか本当に興味がなくてね・・・。」



「その見た目でウケるよね!!
ハーフっていうよりめっちゃ外国人じゃん!!!
今まで女の子に花を贈ったこととかないの!?
婚約者には!?」



「俺名義では贈ってたけど、手配は妹がしていたよ。」



「それは妹も婚約者を虐めたくなるって。
妹はお兄ちゃんのことが男としても好きなんだから。」



「不機嫌になりながらも手配してくれていたけどね。」



今日で1番良い顔で笑った皇子の横顔に、私も笑いながら普通に聞いた。



「じゃあ、この中じゃなくても皇子が好きな花は?」



「タンポポの花だね。」



それには頷き、続ける。



「タンポポの花なの?
それ、野草じゃん。
皇子なのにそんな野草が好きなの?」



「うん、どんな所でも咲くことが出来るタンポポの花が俺は好きなんだ。」



「あ、でも皇子知ってる?
タンポポの花って、摘むとすぐに枯れるんだよね。」



「そうだね、普通はすぐに枯れるね。」



「ちゃんと水をあげていても翌日には絶対に枯れちゃってるの。
だから私はおばあちゃんからもう摘まないように言われた。
私はそれからタンポポの花はそこまで好きじゃないかな。
だって、強そうに見えて本当は弱いんだもん。」



「うん、普通のタンポポの花はね。」



花屋から来た沢山の花の中で皇子が本当に嬉しそうに、本当に幸せそうに笑った。



「俺が好きなタンポポの花は、摘んでも咲き続けていられるタンポポの花だよ。
摘んでも摘んでも枯れることはない。
どんな所でも咲き続けていられる強い強い強いタンポポの花が俺は大好きで、愛しているんだ。」



「水とお日様がなくても枯れないの?」



「うん、枯れないよ。」



それを聞き、私は大月旦の横顔に聞いた。



「皇子様からの真実の愛と、その水色の瞳の青空があれば?」



大月旦が水色の瞳を私に向けてこようとしたタイミングで、私が先に言葉を出す。



「それとも、晴子(はるこ)という名前があれば?」



大月旦の義理の妹である大月晴子の名前を、言った。
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