565 / 693
36
36-7
しおりを挟む
「山と海、ですか・・・?
え、どっちだろう・・・。
・・・・山・・・かなぁ・・・。」
青さんからの意味不明な質問にもちゃんと答えた鈴木さんに青さんが頷き、また口を開いた。
「うちの会社にさ、あるんだよね。
山にも海にも近い支社が。」
「そう・・・ですね、ありますね。
あのいつも売り上げがほぼゼロの所。」
「飯も美味いし酒も美味くてさ。
俺が遊びに行きたいだけの理由で作った支社なんだよね。」
そんな分かりやすい嘘を言ったであろう青さんに私は思わず笑ってしまった。
きっと鈴木さんも青さんの嘘に気付いたはず。
鈴木さんが悩んだ顔をしながらも笑い始めたから。
そんな鈴木さんに青さんが続ける。
「退職するならさ、退職する前に1ヶ月くらい俺の代わりにあっちの支社の様子を見てきてくれないかな。
売り上げとか上げようとしなくて大丈夫だから。」
「え~・・・、1ヶ月も何すれば良いんですかぁ?」
「美味い飯食って美味い酒でも飲んできなよ。
俺が泊まる用の家もあるから好きに使って良いから。」
「・・・向こうにいても転職活動は進めますよ?」
「それは俺に止める権利はないから自由にやってよ。」
青さんの顔をジッと見詰めている鈴木さんが、困った顔で大きく笑った。
「ただの善意で私のことを休ませようとしてくれてるのか、失恋を時間で解決させてまたこっちに復帰させようとしてるのか、どっちか全然分かんない!!!」
「どっちもじゃない?」
私が笑いながらそう答えると、鈴木さんは「そっか!!」と爆笑した。
そしたら・・・
「え・・・?
いや、鈴木さんっていつかは大月の方に帰るって聞いてからは俺の中でもういなくなるもんだと思ってたし、今日付で退職するんだったら有給休暇の消化代わりみたいな感じで、俺の代わりに向こうに顔出してくれないかなと思っただけで。
俺が最近全然遊びに行けてないから、向こうの人達が暇すぎて暇死にするかもしれないし。」
キョトンとした顔の青さんがそんなことを言ってきて、それにはビックリして・・・
爆笑した。
鈴木さんと一緒にめっっっちゃ爆笑した。
「社長の代わりに遊びに行ってきます!
1ヶ月後、退職手続きをしにまたこっちに戻ってきます!!
1ヶ月で庄司さんとのことも庄司さんへの気持ちも全部忘れてまた上手く出来る私になれていたらその時は、私は大月に・・・晴子さんの所に帰ります!!」
·
え、どっちだろう・・・。
・・・・山・・・かなぁ・・・。」
青さんからの意味不明な質問にもちゃんと答えた鈴木さんに青さんが頷き、また口を開いた。
「うちの会社にさ、あるんだよね。
山にも海にも近い支社が。」
「そう・・・ですね、ありますね。
あのいつも売り上げがほぼゼロの所。」
「飯も美味いし酒も美味くてさ。
俺が遊びに行きたいだけの理由で作った支社なんだよね。」
そんな分かりやすい嘘を言ったであろう青さんに私は思わず笑ってしまった。
きっと鈴木さんも青さんの嘘に気付いたはず。
鈴木さんが悩んだ顔をしながらも笑い始めたから。
そんな鈴木さんに青さんが続ける。
「退職するならさ、退職する前に1ヶ月くらい俺の代わりにあっちの支社の様子を見てきてくれないかな。
売り上げとか上げようとしなくて大丈夫だから。」
「え~・・・、1ヶ月も何すれば良いんですかぁ?」
「美味い飯食って美味い酒でも飲んできなよ。
俺が泊まる用の家もあるから好きに使って良いから。」
「・・・向こうにいても転職活動は進めますよ?」
「それは俺に止める権利はないから自由にやってよ。」
青さんの顔をジッと見詰めている鈴木さんが、困った顔で大きく笑った。
「ただの善意で私のことを休ませようとしてくれてるのか、失恋を時間で解決させてまたこっちに復帰させようとしてるのか、どっちか全然分かんない!!!」
「どっちもじゃない?」
私が笑いながらそう答えると、鈴木さんは「そっか!!」と爆笑した。
そしたら・・・
「え・・・?
いや、鈴木さんっていつかは大月の方に帰るって聞いてからは俺の中でもういなくなるもんだと思ってたし、今日付で退職するんだったら有給休暇の消化代わりみたいな感じで、俺の代わりに向こうに顔出してくれないかなと思っただけで。
俺が最近全然遊びに行けてないから、向こうの人達が暇すぎて暇死にするかもしれないし。」
キョトンとした顔の青さんがそんなことを言ってきて、それにはビックリして・・・
爆笑した。
鈴木さんと一緒にめっっっちゃ爆笑した。
「社長の代わりに遊びに行ってきます!
1ヶ月後、退職手続きをしにまたこっちに戻ってきます!!
1ヶ月で庄司さんとのことも庄司さんへの気持ちも全部忘れてまた上手く出来る私になれていたらその時は、私は大月に・・・晴子さんの所に帰ります!!」
·
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる