【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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それから・・・



「加藤さんっ♪お疲れ様♪」



「加藤さん、お疲れ!」



「加藤さんっ、サンドイッチの差し入れ買ってきたよ!」



「私はゼリー!」



「私はスープ!!
ここのすっこく美味しいんだよ~♪」



今日も青さんの会社の女の人達がお昼休みに私の席を取り囲む。



「ありがたいんだけど、今日も食欲なくてさぁ。」



「そう言って最近はちゃんと食べられてるよ?」



「そうそう!!
そんなに痩せてるのにダイエットとか良くないからね?」



女の人達がサンドイッチの包装もスープのカップも外し、私のデスクの上に今日も綺麗に並べてくれた。



そして・・・



「今日も加藤さんの高校の時のお話聞かせて~?」



「加藤さんの高校時代の話、面白いから聞きた~い!」



「加藤さんの”友達“もみんな楽しい子達だよね~!!」



と、言ってくる。



それには心の中で・・・



「”はいはい、ソっちゃんのことね。”」



心の中だけではなく普通に声に出していた。



そんないつも通りの自分にも普通に笑い、全然食欲はないけれどスープを一口飲んだ。



結構有名なお店のスープのテイクアウトらしいので普通に“美味しい”と思える。



ソっちゃんが私の“友達”という理由でこんなに美味しい差し入れを数日間もして貰えていて、ソっちゃんに感謝をしながら今日も高校時代の話を女の人達にしていく。



そこにはいつだってマナリーと田代君、ソっちゃんがいて・・・



スマホの写真の中の私はいつだって楽しそうに笑っていて・・・。



泣きそうになるくらい懐かしくて、泣きそうになるくらい“楽しかった”と、“幸せだった”と思える過去だった。



私にも生きていて楽しかった時があるのだと思い出した。



私も生まれてきて良かったと思えることが沢山あったのだと、思い出した。



今日の差し入れも“普通”に・・・いや、結構美味しかった。



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