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宗side.....
あと5分で、登場する。
いつもの本番前のように、緊張で足が震える。
喉がカラカラになってくる・・・。
“泣かない、笑え、笑え。”
桜の季節、夏生が俺にかけてくれた“おまじない”を、いつものように唱える。
俺の悩みも、不安も、葛藤も、全てを一瞬で吹き飛ばすように、豪快に笑う、夏生の笑顔を思い出す。
そして、力みすぎていた身体から、自然と力が抜けていく。
男でも女でもないような、こんな俺を、
“シューはシュー”と言ってくれる夏生。
5年ぶりに再会した日、桜吹雪が舞う中、
「可愛い女の子になりたかった」と、
目に涙を浮かべて俺に言った夏生・・・
いつだって、強い夏生が・・・
いつだって、格好いい夏生が・・・
俺の前で見せた、初めての弱さ。
“守りたい”と思った。
強くて、格好いい、でも弱くもあるこの人を・・・。
こんな、女みたいに白くて細い手だけど・・・。
初めて、誰かを“守りたい”と思った。
学校にいる女の子達より、
芸能界にいる女の子達より、
俺をいつだって引っ張ってくれた、この大きな手を持つ夏生が、
1番、可愛い・・・と思った──────。
あと5分で、登場する。
いつもの本番前のように、緊張で足が震える。
喉がカラカラになってくる・・・。
“泣かない、笑え、笑え。”
桜の季節、夏生が俺にかけてくれた“おまじない”を、いつものように唱える。
俺の悩みも、不安も、葛藤も、全てを一瞬で吹き飛ばすように、豪快に笑う、夏生の笑顔を思い出す。
そして、力みすぎていた身体から、自然と力が抜けていく。
男でも女でもないような、こんな俺を、
“シューはシュー”と言ってくれる夏生。
5年ぶりに再会した日、桜吹雪が舞う中、
「可愛い女の子になりたかった」と、
目に涙を浮かべて俺に言った夏生・・・
いつだって、強い夏生が・・・
いつだって、格好いい夏生が・・・
俺の前で見せた、初めての弱さ。
“守りたい”と思った。
強くて、格好いい、でも弱くもあるこの人を・・・。
こんな、女みたいに白くて細い手だけど・・・。
初めて、誰かを“守りたい”と思った。
学校にいる女の子達より、
芸能界にいる女の子達より、
俺をいつだって引っ張ってくれた、この大きな手を持つ夏生が、
1番、可愛い・・・と思った──────。
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