双廻
帝都、東京。元号は大正となり、次第に異国との戦禍の気配が近づいてきている。東京帝国大学で精神医学を学んでいる俺は、現在私宅監置の資料を取り纏めている。私宅監置とは、江戸頃まで遡る座敷牢といった風習を、法制度化したものであるというが、近代化を謳うこの国を思えば涙が出てしまうくらい劣悪なものだ。端的に言えば、精神病者――古い言葉で言えば瘋癲人などを、自宅で看るという制度である。調べる理由は、出身地の村における記憶が端緒だ。
※東京と村を舞台に、大正~現代の間を輪廻転生するホラーです。(他のサイトにも掲載しています)
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