16 / 52
16話 こうして触れる特権は俺のものです
しおりを挟む
ヴォルムに横抱きで抱え上げられた。二人が互いを畏まって言い合う時は碌な事がない。
「ではよろしくお願いいたします」
「お任せ下さい」
「ソフィー!」
抱え上げられたまま私の執務室に連行された。
いやいや私もう帰るんだけど!
「せめてお姫様抱っこはやめてよ!」
「逃げるので却下です」
扱いがひどい。
「もう……」
「ディーナ様は自身を犠牲にしすぎです」
「犠牲じゃない」
「そうですね。自身を利用しすぎ、でしょうか」
抱っこされたまま部屋に入り、ソファに優しくおろされる。ソフィーがいないのは扉の外で見張りをしているってことだ。
「手を」
机の上には救急箱。テュラが考案したものだけど、結構便利だ。ヴォルムが中から手際よく必要なものを取り出す。
「テュラがディーナ様に敢えて治癒魔法をかけなかったということは俺に手当てをしろという意味です」
観念して下さい、と真っ直ぐ見つめてくる。この顔の時は譲らない。諦めて手を出した。身体強化も初歩の攻撃魔法も使いこなせるのに治癒だけはからっきしなのよね。高度な治癒は魔法大国ネカルタスの特権だし。しいて言うなら対象者の魔力調整ぐらいならできると思うんだけど。
「裂傷はないですね」
「打ち身で赤くなっただけね」
そういう風にしたから。話の通じない人たちには証拠残して正当防衛に限る。
それにこの程度なら一日二日放っておけば自然に治るものだ。ヴォルムは元々魔法が使えると本人から聞いていたけど、普段使わないと自分で決めていて、今回も治癒魔法をかけずにこうして手ずからやってくれる。
「ヴォルムはこういう時でも魔法使わないよね」
「この程度なら治せますが使いませんね」
「ぱぱっと魔法で」
「しません」
「そう」
使っても罰せられるわけじゃないのにと考えていると「魔法を使ったらディーナ様に触れる事が出来ませんので」と大胆なことを言ってきた。
「私に触る為?」
「ええ。こうして触れる特権は俺のものです」
ずっと想うだけだと思っていたのでこれぐらいはと私が許す現状に甘えていた。
と、いうことらしい。
「手当てします」
これはもう舐めときゃ治るよと言っても無駄ね。治す以前の問題だ。となると、テュラはヴォルムの気持ちを汲んで敢えて動いてなかった? テュラの場合は面白いからの一択な気がする。
「意志強い」
「なんとでも」
私よりふた回りは大きい武骨な手で丁寧に手当てをしてくれる。ヴォルムは剣を握るから掌もかたい。
でも私はこの手を割と気に入っている。ヴォルムの努力が見えるし、いかにもおかたい手なのに手付きが優しすぎてギャップがたまらない。
「ディーナ様は本当にずるいです」
「ん? なんで?」
そんな顔するからですと嗜める。どんな顔してたのよ。
「期待してしまうんです」
「期待?」
期待する顔とはどういう感じかな? 首を傾げていると苦笑された。
「ディーナ様は昔から放っておけません」
「そういうこと言うのはヴォルムとソフィーぐらいだね」
大概私は「自分がいなくても平気そう」「一人でも大丈夫そう」と言われる。仕事にしてもプライベートにしてもだ。
王太子殿下の婚約者という立場があっても社交界で男性からはよく言われた。女性に言われる時は暗に婚約者に相応しくないという意味もこめられていたけど。
「俺もソフィーさんもディーナ様の一瞬を見逃しません。淋しいと思われた時が確かに一度ありました」
「その一瞬よく見逃さなかったね」
あれ母が亡くなって五年目ぐらいのお年頃だった時かな。父とは別で単独で墓参りしてセンチメンタルになった一瞬、淋しいと感じた。でもそれも次に「そういうこともあるよね」で終わりだ。今も過去も周囲に恵まれていると分かってるから、そういった気持ちは抱かなくなったと思う。
というかそんな一瞬その場だけの感情の解決にヴォルムもソフィーも今の過保護を選んだの? 一瞬だよ?
「ええ。その一瞬の為にも、俺は変わらず貴方を甘やかします」
「ブレなくて格好良いね」
「ありがとうございます」
それに、とヴォルムが言葉を続けた。
「ディーナ様が一人でなんでもできたとしても、一人でいる理由がありません」
「一人が好きでも?」
「ええ。一人が好きでも、二人でいて苦しく辛くなければ一緒にいてもいいでしょう?」
そういう考えもできるね。確かに一人で大体やれちゃうしそれでいいかと思えるけど、ヴォルムやソフィーと一緒でも苦ではない。
「ディーナ様はどうしても一人でないと辛いというタイプではないので、俺はそこに付けこんでずっと側にいます」
すごい胆力。いつになく正直に気持ちを話してくれる。いいえ、今までは立場上話せなかっただけか。
できました、とヴォルムの手が離れた。
「ふふふ、ありがと」
「……いいえ」
優しいねえと笑うとヴォルムが戸惑う。
綺麗に手当てをされた手を見て手慣れたなと珍しくしみじみしてしまった。騎士だから扱いは元から得意だったけど、初めの頃はここまでうまくなかったから。
「包帯巻くほどじゃないよ」
「俺の自己満足です」
「それなら仕方ない」
見下ろすと再び真っ直ぐ見られる。熱のこもった視線で何が言いたいか分かった。もしかして今まで気づかなかったけど、私はこの視線をずっと向けられてきたのかな?
「そうだ、ヴォルム」
「はい」
今はもう早いけど王都のタウンハウスに帰る予定だ。折角だからデートの続きでもしよう。
「ご飯食べてかない?」
「ではよろしくお願いいたします」
「お任せ下さい」
「ソフィー!」
抱え上げられたまま私の執務室に連行された。
いやいや私もう帰るんだけど!
「せめてお姫様抱っこはやめてよ!」
「逃げるので却下です」
扱いがひどい。
「もう……」
「ディーナ様は自身を犠牲にしすぎです」
「犠牲じゃない」
「そうですね。自身を利用しすぎ、でしょうか」
抱っこされたまま部屋に入り、ソファに優しくおろされる。ソフィーがいないのは扉の外で見張りをしているってことだ。
「手を」
机の上には救急箱。テュラが考案したものだけど、結構便利だ。ヴォルムが中から手際よく必要なものを取り出す。
「テュラがディーナ様に敢えて治癒魔法をかけなかったということは俺に手当てをしろという意味です」
観念して下さい、と真っ直ぐ見つめてくる。この顔の時は譲らない。諦めて手を出した。身体強化も初歩の攻撃魔法も使いこなせるのに治癒だけはからっきしなのよね。高度な治癒は魔法大国ネカルタスの特権だし。しいて言うなら対象者の魔力調整ぐらいならできると思うんだけど。
「裂傷はないですね」
「打ち身で赤くなっただけね」
そういう風にしたから。話の通じない人たちには証拠残して正当防衛に限る。
それにこの程度なら一日二日放っておけば自然に治るものだ。ヴォルムは元々魔法が使えると本人から聞いていたけど、普段使わないと自分で決めていて、今回も治癒魔法をかけずにこうして手ずからやってくれる。
「ヴォルムはこういう時でも魔法使わないよね」
「この程度なら治せますが使いませんね」
「ぱぱっと魔法で」
「しません」
「そう」
使っても罰せられるわけじゃないのにと考えていると「魔法を使ったらディーナ様に触れる事が出来ませんので」と大胆なことを言ってきた。
「私に触る為?」
「ええ。こうして触れる特権は俺のものです」
ずっと想うだけだと思っていたのでこれぐらいはと私が許す現状に甘えていた。
と、いうことらしい。
「手当てします」
これはもう舐めときゃ治るよと言っても無駄ね。治す以前の問題だ。となると、テュラはヴォルムの気持ちを汲んで敢えて動いてなかった? テュラの場合は面白いからの一択な気がする。
「意志強い」
「なんとでも」
私よりふた回りは大きい武骨な手で丁寧に手当てをしてくれる。ヴォルムは剣を握るから掌もかたい。
でも私はこの手を割と気に入っている。ヴォルムの努力が見えるし、いかにもおかたい手なのに手付きが優しすぎてギャップがたまらない。
「ディーナ様は本当にずるいです」
「ん? なんで?」
そんな顔するからですと嗜める。どんな顔してたのよ。
「期待してしまうんです」
「期待?」
期待する顔とはどういう感じかな? 首を傾げていると苦笑された。
「ディーナ様は昔から放っておけません」
「そういうこと言うのはヴォルムとソフィーぐらいだね」
大概私は「自分がいなくても平気そう」「一人でも大丈夫そう」と言われる。仕事にしてもプライベートにしてもだ。
王太子殿下の婚約者という立場があっても社交界で男性からはよく言われた。女性に言われる時は暗に婚約者に相応しくないという意味もこめられていたけど。
「俺もソフィーさんもディーナ様の一瞬を見逃しません。淋しいと思われた時が確かに一度ありました」
「その一瞬よく見逃さなかったね」
あれ母が亡くなって五年目ぐらいのお年頃だった時かな。父とは別で単独で墓参りしてセンチメンタルになった一瞬、淋しいと感じた。でもそれも次に「そういうこともあるよね」で終わりだ。今も過去も周囲に恵まれていると分かってるから、そういった気持ちは抱かなくなったと思う。
というかそんな一瞬その場だけの感情の解決にヴォルムもソフィーも今の過保護を選んだの? 一瞬だよ?
「ええ。その一瞬の為にも、俺は変わらず貴方を甘やかします」
「ブレなくて格好良いね」
「ありがとうございます」
それに、とヴォルムが言葉を続けた。
「ディーナ様が一人でなんでもできたとしても、一人でいる理由がありません」
「一人が好きでも?」
「ええ。一人が好きでも、二人でいて苦しく辛くなければ一緒にいてもいいでしょう?」
そういう考えもできるね。確かに一人で大体やれちゃうしそれでいいかと思えるけど、ヴォルムやソフィーと一緒でも苦ではない。
「ディーナ様はどうしても一人でないと辛いというタイプではないので、俺はそこに付けこんでずっと側にいます」
すごい胆力。いつになく正直に気持ちを話してくれる。いいえ、今までは立場上話せなかっただけか。
できました、とヴォルムの手が離れた。
「ふふふ、ありがと」
「……いいえ」
優しいねえと笑うとヴォルムが戸惑う。
綺麗に手当てをされた手を見て手慣れたなと珍しくしみじみしてしまった。騎士だから扱いは元から得意だったけど、初めの頃はここまでうまくなかったから。
「包帯巻くほどじゃないよ」
「俺の自己満足です」
「それなら仕方ない」
見下ろすと再び真っ直ぐ見られる。熱のこもった視線で何が言いたいか分かった。もしかして今まで気づかなかったけど、私はこの視線をずっと向けられてきたのかな?
「そうだ、ヴォルム」
「はい」
今はもう早いけど王都のタウンハウスに帰る予定だ。折角だからデートの続きでもしよう。
「ご飯食べてかない?」
1
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる
西野歌夏
恋愛
ロザーラ・アリーシャ・エヴルーは、美しい顔と妖艶な体を誇る没落令嬢であった。お家の窮状は深刻だ。そこに半年前に陛下から連絡があってー
私の本当の人生は大陸を横断して、辺境の伯爵家に嫁ぐところから始まる。ただ、その前に最初の契約について語らなければならない。没落令嬢のロザーラには、秘密があった。陛下との契約の背景には、秘密の契約が存在した。やがて、ロザーラは花嫁となりながらも、大国ジークベインリードハルトの皇帝選抜に巻き込まれ、陰謀と暗号にまみれた旅路を駆け抜けることになる。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる