異世界から来た妾とヘタレ陛下と優しい悪役令嬢

プラントキング

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第十四話:襲来

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「今日はどこに行きますか?」
「青の海月亭が調味料を仕入れてるっていう店に行ってみるわ。確か異界店(ジパングショップ)って名前らしいわ。」
「それも勇者様に聞いたんですか?」
「そう、変わったものを売ってるからウータイに行く事があったら寄ってみるといいって」

変わったものが何かは知らないけど、たこ焼きには負けると思う。この街に住んでみようかしら。
朝ごはんは宿でとることにした。
パンも硬いし、スープの味も薄かったけど、サラダにかけられてるドレッシングはとても美味しかった。

「このドレッシング美味しいわ」
「本当に。いくらでもサラダが食べられます」

私たちが驚いていると隣の席の男の人が

「そのドレッシングは異界店(ジパングショップ)っていう店で買えるよ。土産にいいから俺も昨日買いに行ったんだがいろんな種類のドレッシングがあって迷ったよ」

どうやらこれから行く店に売ってるようです。ジパングショップは期待できそうですね。
店の場所も聞いたのでマリーと一緒に海を見ながらゆっくり歩いて行くことにした。

「確かこの辺だって聞いたはずよね。間違えたかしら」
「間違えて路地裏に来たようです。大通りに戻りましょう」

私たちはまだ囲まれてる事に気づいてなかった。

「まさかあなたたちの方から来てくださるとは。攫う手間がはぶけました」

私たちの周りを、見るからに怪しい男たちが包囲してます。

「どなたですか? 」
「あなたにはここで死んでもらいます」

話すのはリーダーらしき男だけです。どうやら私は殺されるみたいです。なぜか思ったよりも落ち着いてる自分がいます。

「誰に頼まれたのか最後に教えてください」

私はマリーの手を強く握って尋ねます。

「そうですね。最後に教えて差し上げましょう。あなたも気づいてるんじゃないですか? だから逃げてるんでしょ。あなたを邪魔に思ってる人間。――王様はもうあなたに飽きたんですよ。結婚の邪魔になるあなたに死んでもらいたいんですよ」

え?イラス様なの? 私は驚きで目を見張ります。

「マホ様。こんな男の言うことなんて信じたら駄目ですよ。陛下はこんな事絶対しませんから」

マリーの声が聞こえます。そうよね。イラス様はこんな卑怯なことはしない。

「マリー、私を信じて。隠れるわ」

小声でマリーに言います。マリーは小さく頷きます。

「そんな事信じないわ。そしてあなたに私を殺すことは出来ない、絶対に!」

 私は『かくれんぼ』を使った。いつもは1人で使ってる『かくれんぼ』を2人で使うのは2度目。1度目はサイラス様と使った。まさか2人隠れる事が出来るとは、その時は本当に驚いた。

今回は意識して2人で隠れることを願う。どうか神様。私たちを隠れさせて。

「どこに行った?魔法か? 移動魔法使えるなんて聞いてないぞ!」

男は目の前で喚いてます。どうやら2人一緒に隠れることができたようです。相手には私たちが見えてないみたいですが、こちらからは見えてるからドキドキします。

「どうしますか?」
「宿はわかってるんだ。袋のネズミさ」
「毒物混入も失敗してるんだ。これ以上失敗はできない。――王様もあんな小娘に手を出すからこんな事になるんだ。後始末をするこっちの身になって欲しいもんだ」

男たちは口々に喚いてます。その隙に逃げる事にします。

移動する時の足音も、たとえ声が出ても聞こえないって分かってても足が震えてくる。――本当にイラス様が関係してるの? そんなことないよね。マリーの手から震えが伝わってきます。ごめんなさい、マリーには関係ない事なのに怖い思いをさせたわ。これからどうしたらいいのかしら。
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