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第四十一話:クリスティーナの本心
しおりを挟む「わたし…わたしぃ…」
「泣かないの、私がいじめてるみたいじゃない…もう、いいのよ」
「でも…!」
「なら、ここから生きて出られたら。私の作ったウエディングドレスちゃんと着てね」
「え?」
「え、じゃないわよ。誰の為に作ったと思ってるの?」
「だ、だってクリスティーナ様自分で着て」
「あー、そうね。まだ説明してなかったものね…。そう、そういう風に見えるわよね…」
「え、えっ?」
そこから私はしっかりと説明をされた。
クリスティーナ様が私の為を思って王妃になろうと、私に相談しようとしていた事。
その時に私が家出中で連絡できなかった事。
ウエディングドレスもしっかりと私の分が作られていて、クリスティーナ様はそれの試着をしていただけだという事など。
確かに貴族同士の腹の探り合いだとか、国同士の利益だとかはまだ私には解らない。
せいぜいが、パーティに出てお行儀よく出来る程度だ。
「たった5年で陛下の隣でそれができるだけでも上等よ?」
「でも…」
「私達は何十年も令嬢やってるんだから、それにマホ様ならこれからも努力はするでしょう?」
「は、はい!」
クリスティーナ様は私の結婚式と同時に結婚式を挙げる予定だと言っていた。
妾で平民扱いの私の結婚式を大々的に行うのは難しい。
だが、クリスティーナ様と陛下の結婚式を行い、その後、続けて私との結婚式を行うなら誰も文句はないだろうと言っていた。
扱いも側室や妾ではなくなり、私の扱いは第二妃という王妃に劣らぬ立場に出来るらしい。
王妃が同じ結婚式の舞台に立たせて、それを証明する形だ。
そしてイラス様とクリスティーナ様、そして僅かながらも私が一緒に仕事をすればそれなりに自由な時間が多く取れるだろうと。
そうなれば私はイラス様と一緒に、クリスティーナ様は好きな服作りが出来る。
そういう相談をしたかったらしい。
それでいいのか?と尋ねると。
「子供についても、優秀な兄や父が居るわ。それでノーク侯爵家は安泰よ、王妃を輩出した家にもなる訳だしね」
「そ、そうですか…」
「それにマホ様は嫌でしょ?私が陛下と子供つくるの」
「そ、それは…」
「それくらいでいいのよ。誰にでも分け隔てなくなんてのは無茶だもの、まぁ大変だって言うなら手伝うけど?」
「い、いえ!最初は!そ、、その…」
「いいわよ。子だくさんも困るけど一人だけっていうのもちょっと困るからね。そこだけは覚えておいて」
「は、はひぃ…」
いきなり子作りの話になってしまった。
でも王族には必要な事なのは確かだ。
そんな話をしていると目の前に一人の女の人が現れた。
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