【完結】【R18短編】その腕の中でいっそ窒息したい

本編

９.【※】

（私で、興奮してくれてる……！）

　そう思うと、どうしようもないほどに幸福感が胸の中を支配していく。

　しかし、その間にも巽の指は止まってくれない。入念に愛撫するかのように朱夏の身体をまさぐってくる。その感覚に朱夏は身体を揺らし、露骨に跳ねさせてしまう。巽だってそれに気が付いているだろうに。なのに、止めてくれない。

「……どうします？　一回、イっときます？」

　巽の指が朱夏の蜜口から垂れる蜜を拭い取り、花芯に塗り付けてくる。それだけで、背を反らしてしまうくらいに気持ちよかった。身体はバカになったかのように快楽しか覚えず、身体の中で愉悦が溜まっていく。

「……い、きたい」

　ゆっくりと彼の言葉に返事をすれば、巽の指が朱夏の花芯をぎゅっとつまむ。その行為に朱夏が背をのけぞらせれば、彼の唇が朱夏の胸の頂に近づき――そのまま、咥える。舌で入念に舐め上げられ、花芯を虐められてしまえば朱夏の身体の中でくすぶっていた愉悦が爆発してしまう。

「んんっ！」

　あっけなく絶頂させられ、朱夏が四肢を投げ出す。

　それを見て巽も朱夏が絶頂したとわかったのだろう。彼は「……ここ、触っていいですか？」と言って蜜口に指を押し付けてくる。そこは先ほどよりも蜜を吐き出しており、少し触れただけでも蜜が溢れ出てくる。

「……い、いよ」

　絶頂の余韻からはっきりとした答えは返せなかったものの、とぎれとぎれにそう返事をする。そうすれば、巽のごつごつとした指が朱夏の蜜壺に挿ってくる。処女ということもあり、蜜壺は大層狭い。その所為で、巽の指を一本受け入れるだけでも精一杯だった。

「……狭い、ですね」

　朱夏の蜜壺に指を挿れながら、巽はボソッとそう零す。その後、指を軽く折り曲げ朱夏の蜜壺のナカをさすってくる。ほぐすように入念にさすられ、朱夏の身体にゾクゾクとしたものが走ってきた。気持ちいいとは思えない。でも、何となく不思議な感覚だった。

「ぁ」

　だけど、とある一点に触れられたとき朱夏の口からは思わず嬌声がこぼれた。巽もそれに気が付いたらしく、彼はそこをもう一度さすりながら「気持ちいいの、ここですか？」と問いかけてくる。だからこそ、朱夏は首をぶんぶんと縦に振る。

「ぁ、きもち、いぃ」

　思わずそう声が漏れてしまう。それほどまでに、そこをさすられるのは気持ちよかった。

　感じるところをさすられていれば、蜜壺はまた蜜を吐き出していく。その蜜は巽の指を濡らし、ぐちゅぐちゅという水音さえ発していた。それがどうしようもなく恥ずかしく、朱夏は顔を真っ赤にしてしまう。

　気が付けば、朱夏の蜜壺をかき回す指は二本に増えていた。それらはばらばらの動きをするものの、確実に朱夏の快感を引き出していく。どうやら、巽は飲み込みが早いらしい。彼はあっという間に朱夏の身体の感じるところを熟知してしまい、そこを無駄なく攻めてくる。その所為で、朱夏はもう小さく喘ぐことしかできなかった。

「……朱夏さん、可愛い……」

　朱夏が喘ぐ中、巽のそんな声が上から降ってくる。その所為で、朱夏は蜜壺をぎゅっと締め付けてしまう。ずっと好きだった人に可愛いと言われて、身体が反応してしまったのだ。

「ひぅ、う、んんっ」
「もう一回、イきます？」

　そう問いかけられ、朱夏は首をゆるゆると縦に振る。すると、巽の指が朱夏の蜜壺のナカで最も感じる場所に触れる。かと思えば、彼は器用にも朱夏の花芯まで刺激してきた。その所為で、あっけなく達してしまいそうになる。

「ぁああっ」

　声を上げてしまいそうになる。それに気が付いてか、巽は朱夏の唇にキスをしてくれた。嬌声さえ飲み込むかのようなキスに、朱夏の脳内が惚けていく。それに合わせ、蜜壺をぎゅっと締め付けながら達してしまった。

「……可愛い」

　達した余韻から肩で息をしていれば、巽がそんな風に声をかけてくれる。その言葉に朱夏が顔を真っ赤にしていれば、巽は「……いい、ですか？」とまた問いかけてきた。その「いいですか？」が何を表しているのかは、朱夏にもよく分かった。

　朱夏の太ももに押し付けられる巽のソレが硬くなっている。朱夏で、反応してくれていたのだ。

「その、嫌だったら、別に……」

　ぼんやりとする思考の中、すぐに反応できないでいれば巽は朱夏が嫌がっていると受け取ったらしい。眉を下げながらそう言ってくる。だからこそ、朱夏は身体が重苦しい中首を横に振り「……ち、がうの」と答える。

「そ、その……」
「……はい」
「わ、私の方、こそ、いいの……？」

　朱夏は押しかけてきた身だ。彼を拒否する資格などないし、そもそも抱いてほしいと思っている。けれど、彼は嫌々なのではないだろうか。そう思い眉を下げていれば、巽は「……朱夏さんのこと、好きですから」と小さな声で言ってくれた。

「だから、その……そういうこと、したいな、って」

　その声は、消え入りそうなほど小さかった。その言葉に朱夏は胸を撃ち抜かれてしまい、「わ、わかった」と返事をする。

「わ、私も、巽君のこと……受け入れ、たい」

　真っ赤になりながら朱夏がそう言えば、巽は朱夏の唇に触れるだけの口づけを一つ落としてくれた。そして、自身のベルトを外し始める。