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Episode06:You rival in love
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有名女性誌『Trentaine』の編集長、相沢美穂子はすぐに、TOMOKA達の案を快諾した。
面白うそうな企画は乗らなきゃもったいないといった考えなようで、特にTOMOKAと話が盛り上がっていた。
「撮影は、私たちが持っている撮影スタジオ使っちゃいなさいよ。同時に再来月号の雑誌で特集組むなんてどう?」
「いいですね!お願いします!Twitter、Instagramでもバンバン宣伝して欲しいんですよ」
「いいわよ。その代わり、もう一つ雑誌の連載掛け持ちしてくれない?」
「相変わらず、美穂子さんちゃっかりしてるー」
「あなたほどじゃないわよ」
酒の席で、テキパキと話を進めて、あっという間に次の撮影日時が決定した。
二時間ほど経って、飲み会はお開きとなったので、萌衣はジャンに連絡をする。
「もう一軒行かない?清水さんも」
相沢に誘われるが「駄目よ。婚約者から一次会で返してくれって、連絡が入っているから」とTOMOKAが止めた。
「随分、過保護な婚約者なのね」
目を丸くする相沢に「そんなことありません」と言い返そうとした時、店の前にジャンの車が止まった。
TOMOKAに促されて、萌衣は頭を下げてジャンの乗っている車に乗り込んだ。
ジャンは窓を開けて、TOMOKAと相沢に挨拶をしている。
「ごめん!婚約者だって知ってることを、本人にばらしちゃった」
「……はあ。あなたって人は、本当に全く」
呆れたように呟くジャンが、僅かながら笑みを浮かべたのを萌衣は見逃さなかった。
「じゃあ、清水ちゃん。またね!」
萌衣がTOMOKAと相沢に頭を下げたのを確認すると、ジャンは窓を閉めて車を発進させた。
「迎えに来てくださってありがとうございます」
車を発進させてからすぐ、萌衣はジャンに御礼を述べた。
「構いませんよ。私が、あなたを迎えに行くと言ったんですから」
赤い信号が青に変わったり、ジャンはアクセルを踏む。
「はい……」
先ほど、TOMOKAの前で浮かべていた笑みを思い出して、萌衣はジャンの顔を見れないでいた。
「進捗はどうですか?」
「あ、えっと……今度雑誌の方でも企画を取り上げてもらえることになりました」
「そうですか」
「TOMOKAさんのおかげです」
「彼女、対人関係においては、不器用なところがあるので、心配していたのですが、大丈夫そうですね」
「TOMOKAさん、ハキハキしていて、私にはないところいっぱい持ってます」
「そういった評価ならよかったです。安心しました」
婚約者の目の前で、婚約者が想いを寄せている女性の悪口など、言えるはずもない。
悪口をいうところなど、TOMOKAにはほとんどないのだけれど。
萌衣は、ジャンに聞こえないように小さくため息をついた。
面白うそうな企画は乗らなきゃもったいないといった考えなようで、特にTOMOKAと話が盛り上がっていた。
「撮影は、私たちが持っている撮影スタジオ使っちゃいなさいよ。同時に再来月号の雑誌で特集組むなんてどう?」
「いいですね!お願いします!Twitter、Instagramでもバンバン宣伝して欲しいんですよ」
「いいわよ。その代わり、もう一つ雑誌の連載掛け持ちしてくれない?」
「相変わらず、美穂子さんちゃっかりしてるー」
「あなたほどじゃないわよ」
酒の席で、テキパキと話を進めて、あっという間に次の撮影日時が決定した。
二時間ほど経って、飲み会はお開きとなったので、萌衣はジャンに連絡をする。
「もう一軒行かない?清水さんも」
相沢に誘われるが「駄目よ。婚約者から一次会で返してくれって、連絡が入っているから」とTOMOKAが止めた。
「随分、過保護な婚約者なのね」
目を丸くする相沢に「そんなことありません」と言い返そうとした時、店の前にジャンの車が止まった。
TOMOKAに促されて、萌衣は頭を下げてジャンの乗っている車に乗り込んだ。
ジャンは窓を開けて、TOMOKAと相沢に挨拶をしている。
「ごめん!婚約者だって知ってることを、本人にばらしちゃった」
「……はあ。あなたって人は、本当に全く」
呆れたように呟くジャンが、僅かながら笑みを浮かべたのを萌衣は見逃さなかった。
「じゃあ、清水ちゃん。またね!」
萌衣がTOMOKAと相沢に頭を下げたのを確認すると、ジャンは窓を閉めて車を発進させた。
「迎えに来てくださってありがとうございます」
車を発進させてからすぐ、萌衣はジャンに御礼を述べた。
「構いませんよ。私が、あなたを迎えに行くと言ったんですから」
赤い信号が青に変わったり、ジャンはアクセルを踏む。
「はい……」
先ほど、TOMOKAの前で浮かべていた笑みを思い出して、萌衣はジャンの顔を見れないでいた。
「進捗はどうですか?」
「あ、えっと……今度雑誌の方でも企画を取り上げてもらえることになりました」
「そうですか」
「TOMOKAさんのおかげです」
「彼女、対人関係においては、不器用なところがあるので、心配していたのですが、大丈夫そうですね」
「TOMOKAさん、ハキハキしていて、私にはないところいっぱい持ってます」
「そういった評価ならよかったです。安心しました」
婚約者の目の前で、婚約者が想いを寄せている女性の悪口など、言えるはずもない。
悪口をいうところなど、TOMOKAにはほとんどないのだけれど。
萌衣は、ジャンに聞こえないように小さくため息をついた。
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