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136拓らしい

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薬草採取をしていたガラが顔を上げ、辺りを見渡す。

「拓、来たぞ。注意しろ。」
「認識した。ルーカス様は俺の後ろに居てください。」

ガラに言われ、拓も直ぐにルーカスを守る様に立ち攻撃魔法を森の奥に向かって放つと、グリーンウルフ4体が飛び出してきた。
襲ってくるのを拓が魔法で牽制し、ガラとレオが剣で倒す。
無駄のない連携に、ルーカスは驚いて見ているだけだった。

「こんなにあっさりと魔獣を倒せるなんて凄いですね。」
「そうなんです。ガラとレオは凄いんですよ。でも、あの2人の実力はこんな物ではないですよ。」

嬉しそうにガラとレオの自慢をする拓を見て、ルーカスは笑う。
最後にギルド会館により、魔獣討伐の証と薬草を換金してルーカスと一緒に分配した。

「私も貰って良いのですか。」
「もちろん。同じパーティとして頑張ったので当然です。と言っても、これだと小遣い程度にしかなりませんが。」
「いえ、初めて自分で稼いだお金です。大切にします。」

正直、ロダン侯爵から受け取る金額の方が多いが、ルーカスは嬉しそうに受け取ると大切にしまっていた。


ルーカスを屋敷まで届け、OZが宿に戻ってくると

「拓様の様に成りたいと思っています。」「拓様は驕ることなく精進されていると。」
「いい加減にしろよ。何時までも。」

早速、からかってくるガラとレオを拓は拘束魔法で縛り上げた。

「悪い、ちょっとからかい過ぎたな。」
「すまなかった、解いてくれないか。」

2人を自由にすると、笑いながら話し始める。

「今回の依頼って、ロダン侯爵というよりルーカス様からの依頼だったな。」
「喜んでくれて良かったじゃねぇか。素直で良い子だったしな。」
「だから問題なんだよ。ロダン侯爵から何を聞いているか分からないけど、美化されすぎだろ。」
「正直、拓は尊敬されるだけの努力をしている。こんな短期間で魔導士としての実力を付けるなんて凄いと思っている。」
「しかし、魔導士として優秀な上に免責札を持っているとなると、想像以上に貴族がチェックしてそうだな。」

拓はアイテムボックスから免責札を取り出して眺める。

「こんなの、登城の為の身分証明書としか使いようが無いし、国王が取り上げれば簡単に意味を成さなくなるのにな。」
「そんな簡単な物ではないだろ。使い方だって拓が適当なだけだしな。」

ガラの話だと、国王が免責札を与えたとなると簡単には取り上げれば国王の責任能力が問われることになる。
ましてや、問題を起こしても居ない相手から取り上げる事は出来ない。
貴族なら拓を取り込もうと考えても不思議ではないし、有効的な権力の使い方も知っている。

「アイテムボックスの肥やしにしているのに面倒だよな。
 こんな事なら、受け取らずに登城許可書とかにしてもらえば良かった。
 城に行った時なんて王様との食事が義務なんだよ。
 気を使ってくれて楽しく話せるから良いけど、強欲な貴族が一緒になったらどうするよ。」

拓の愚痴を聞いてガラとレオは溜息を吐いた。
免責札の持ち主がその価値を最もいい加減に考えていた。

それも拓らしいと、ガラとレオは笑って拓を抱きしめる。
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