長い夜、蒼い月

新たな男

８３

火曜の夜もジェイクの部屋に優姫は泊まったが、ジェイクは優姫とキスしかしなかった。
優姫がお風呂から上がってくると、ジェイクがパソコンに向かっていた。

「お風呂、先にありがとう」

ジェイクの、ブカブカのスウェットの上だけの姿で優姫はジェイクの前に来た。
その姿を見てジェイクはムラっと来たが、パソコンにまた顔を向けた。

「例のマイケルからメールが来ていた。アメリカ本社の件で仕事を押し付けてきやがった。日本に来るまでにデータを纏めないとダメだから、今夜は先に寝てて」

今夜は優姫に触れられないと思うとジェイクはイライラしてきた。
優姫はキッチンに行くとコーヒーを淹れた。
ジェイクの机にコーヒーを置く。

「お仕事頑張って」

優姫の優しさに顔がついにやけた。
おやすみのキスをすると、優姫は大人しくベッドルームに行った。
結局ジェイクが寝たのは2時過ぎだった。
スヤスヤ眠る優姫にぴったりくっつくと、ジェイクは優姫の頭の下に腕を回し腕枕をした。
甘い香りの優姫にドキドキしながら頬にキスをする。
優姫の温もりを感じ、ジェイクも安心して眠りに就いた。