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Scene.11
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「――なんでだーっ!」
呼吸を乱し脂汗も掻き、血の気を完全に失った蒼褪めた表情の俺は、土木用スコップを握り締める手を震わせて、腹の底から不満をブチ撒けてやった!
「キャッ⁉︎ い、いきなり叫んでどうしたの、お兄ちゃんっ⁉︎」
俺を心配して、目を見開き声を掛けてくれた美杉が目の前に座っていた。
そう。またしても俺は、美杉と一緒に彼女の部屋に居た。
連続で何かが起きた、その少し前の何事もない状態でだ!
美杉がベットごとウツボのようなクリーチャーに噛み砕かれたのを目撃した瞬間、視界がねじ曲がり真っ暗になった。
次に気付いたら、もうこの状態になっていた――。
「良い加減、大概にしろっ! 流石にSAN値ピンチまぢピンチだって!」
ベットの傍に飾ってある、謎の物体のプロップに土木用スコップを突き付け、大声で叫んで悪態を吐く俺!
「――ちょ、ちょっと! 落ち着いてってば、お兄ちゃん! 何がどうしてそんなに怒って叫んでるのよ!」
大慌てで俺に縋り付き、必死に宥めてくる美杉。
「信じろ美杉! 俺はもう四度も死んでいた! 美杉も二度も死んでいたんだよ! ――言っとくが、世紀末ヒャッハーのアタタタター、オゥワッタァーッ! でもねぇぞ! ――こんなことを言ってるが、俺はたぶん正気だ!」
最早、正気なのかを俺自身が疑っていた!
意味が解らん、意味が!
俺の言動もだがな?
「――言い方がおかしいけど、嘘を言ってないってのは解るよ? けど、私もお兄ちゃんも生きてるし――」
「阿呆だろ?」「失敬ですね!」
「死んでいたって第三者的視点の過去形で言ってんだろ、俺は! どーゆーわけか凄惨な場面を見せられたあとで、必ずその直前に戻ってるんだって! それが延々と繰り返されてんだ、今!」
「は? 死に戻りって何処のリゼロよ? お兄ちゃん、ホント、大丈夫?」
「阿呆だろ?」「失敬ですね!」
「俺が死んで戻されるなら、何処ぞのリゼロだがな、美杉が死んでも戻されるんだよ! とにかく今さっきは、そこな謎の物体と戦ってて、直後に美杉がウツボに噛み砕かれて真っ二つだったんだ!」
「ウツボって……お兄ちゃんは夢の見過ぎ。変な薬でもやってないよね? 大体、そんな大きなウツボなんて非常識な物……ここは海でもないよ? ……有り得ないでしょ?」
「白昼夢にしろ悪夢にしろ、輪廻のように延々と続く夢なんてもんが信じられるか!」
「阿呆でしょ?」「失敬だな!」
「自分でも信じられないのに私に信じろって、支離滅裂で矛盾も良いとこだよ? ホントに大丈夫? 熱とかない?」
「――美杉、顔近い、唇も近いから。俺が微妙に照れる」
「おー、その恥じらう反応は新鮮だね。――熱もないみたいだし」
俺と美杉は額をくっ付けたまま暫し見つめ合う。
だがしかし、次の瞬間――。
「だから――え?」「何――嘘?」
何故か中身だけが入れ替わっていた――。
――――――――――
気になる続きはこの後、直ぐ!
チャンネルは、そのまま!(笑)
呼吸を乱し脂汗も掻き、血の気を完全に失った蒼褪めた表情の俺は、土木用スコップを握り締める手を震わせて、腹の底から不満をブチ撒けてやった!
「キャッ⁉︎ い、いきなり叫んでどうしたの、お兄ちゃんっ⁉︎」
俺を心配して、目を見開き声を掛けてくれた美杉が目の前に座っていた。
そう。またしても俺は、美杉と一緒に彼女の部屋に居た。
連続で何かが起きた、その少し前の何事もない状態でだ!
美杉がベットごとウツボのようなクリーチャーに噛み砕かれたのを目撃した瞬間、視界がねじ曲がり真っ暗になった。
次に気付いたら、もうこの状態になっていた――。
「良い加減、大概にしろっ! 流石にSAN値ピンチまぢピンチだって!」
ベットの傍に飾ってある、謎の物体のプロップに土木用スコップを突き付け、大声で叫んで悪態を吐く俺!
「――ちょ、ちょっと! 落ち着いてってば、お兄ちゃん! 何がどうしてそんなに怒って叫んでるのよ!」
大慌てで俺に縋り付き、必死に宥めてくる美杉。
「信じろ美杉! 俺はもう四度も死んでいた! 美杉も二度も死んでいたんだよ! ――言っとくが、世紀末ヒャッハーのアタタタター、オゥワッタァーッ! でもねぇぞ! ――こんなことを言ってるが、俺はたぶん正気だ!」
最早、正気なのかを俺自身が疑っていた!
意味が解らん、意味が!
俺の言動もだがな?
「――言い方がおかしいけど、嘘を言ってないってのは解るよ? けど、私もお兄ちゃんも生きてるし――」
「阿呆だろ?」「失敬ですね!」
「死んでいたって第三者的視点の過去形で言ってんだろ、俺は! どーゆーわけか凄惨な場面を見せられたあとで、必ずその直前に戻ってるんだって! それが延々と繰り返されてんだ、今!」
「は? 死に戻りって何処のリゼロよ? お兄ちゃん、ホント、大丈夫?」
「阿呆だろ?」「失敬ですね!」
「俺が死んで戻されるなら、何処ぞのリゼロだがな、美杉が死んでも戻されるんだよ! とにかく今さっきは、そこな謎の物体と戦ってて、直後に美杉がウツボに噛み砕かれて真っ二つだったんだ!」
「ウツボって……お兄ちゃんは夢の見過ぎ。変な薬でもやってないよね? 大体、そんな大きなウツボなんて非常識な物……ここは海でもないよ? ……有り得ないでしょ?」
「白昼夢にしろ悪夢にしろ、輪廻のように延々と続く夢なんてもんが信じられるか!」
「阿呆でしょ?」「失敬だな!」
「自分でも信じられないのに私に信じろって、支離滅裂で矛盾も良いとこだよ? ホントに大丈夫? 熱とかない?」
「――美杉、顔近い、唇も近いから。俺が微妙に照れる」
「おー、その恥じらう反応は新鮮だね。――熱もないみたいだし」
俺と美杉は額をくっ付けたまま暫し見つめ合う。
だがしかし、次の瞬間――。
「だから――え?」「何――嘘?」
何故か中身だけが入れ替わっていた――。
――――――――――
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