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異世界。
一石を投じるもの。
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「・・・そうですね。あの人、普通に触れたんですよね・・。いやぁ、ビックリしました!!!
アルベルト様にも触れられるんですけど。
こう・・。なんですかね!?
さっきの方には、男らしさと美しさは感じたんですけど触れるなんて。
・・とにかく、私も自分で驚いてます!!」
あのローストビーフのよそい方も上手だったし、ダンスも紳士的で羽が生えたように軽くて楽しかった・・・。
疲れ果てて次のダンスを辞退すると、私を誰もいないバルコニーの前まで親切に送ってくれたけど・・。
家族以外の男性と、あんな風に接したのはいつぶりなんだろう。
赤紫の瞳と、銀色の髪は人間よりも、神がかっていて・・。
生きている心地がしないくらい、半端なくドキドキした。
今日は、朝寝坊から始まって、異世界転移して、唇泥棒(アルベルト)にぶつかって・・。
クレイドル様に触れられ気絶からの・・。
女性より綺麗な美形男子からのダンスの誘い・・。
大変だったなぁ・・。
今日一日、不整脈過多に違いないわ!!
・・・ふう。
ため息をつくと、苛立った顔のアルベルトが冷たい目で私を見下ろしていた。
眉を引き攣らせた顔のアルベルトを確認した私は、非常に足のつま先から全身を駆け抜ける程の寒気がした。
「お前なぁ!!人の婚約者がいない事を心配しておいて、自分は何やってんだよ?
ローストビーフに釣られて、ダンスってなんだ!?
何処のお子様なのだ!?
・・・僕には、男を感じなかったって言い放ったのに・・。なんでさっきの奴は違うんだよ!!
美月の思考回路が、意味不明。
・・・理解不能のお手上げだ!!!」
「あーーっ!!!今、心を読んだでしょう?
お子様って何よっ。
似非王子こそ・・。
思ってもいないセリフのオンパレード、あれ、止めなさいよ!?
詐欺師の妄言を信じて、目を潤ませていた令嬢たちが可哀想よ!!
それにね、読めるから・・・。大変なこともあるだろうけど、嘘ついて彼女たちと接してるなら
貴方だって同じことしてるじゃない!!本当の自分で勝負しなさいよ!!!」
グッと言葉に詰まったアルベルトが、私から瞳を反らした。
窓の内側からは、美しい管弦楽のメロディーが流れ、招待客たちの笑い声が聞こえてくる。
一方、この場所は、静寂に包まれていた。
しまった!!
今のは言い過ぎた・・・。
私だって、自分に嘘をついたり、勝手に妥協して、諦めてきた部分があったのに。
他人ばかりを非難するのはフェアじゃない。
「ごめんなさい・・。私・・・。」
「・・・いや、いいんだ!!
確かに・・、お前の言うことも一理ある。自分だけ被害者面をしている所もあった。
言ってくれなかったら、盲目的に誰かのせいにしたままだった・・・。」
「ううん。私だってそうなのに・・・。
傷つくのが嫌で、色々なことを諦めてたり、勝手に言い訳して折り合いをつけて生きて来たわ。
貴方のことだけ、責めれない。
今日会ったばかりの私が貴方を理解することなんか出来ないのに、偉そうな事を言って、ごめんなさい・・・。」
銀色の月をバックに、見つめあった私達は互いの瞳を見つめた。
「あんた・・。やっぱり馬鹿だな。」
「・・・は?」
素直に謝罪している人間に、鬼の首取ったように馬鹿ですと!?
傷口に塩塗らんといてください!!
「なんですか!?心から謝罪している人物に向かって、馬鹿って言う方がば・・。」
「違う・・!!今日会ったばかりなのに、お前に言われた言葉・・・。
・・・嬉しい言葉ばかりだった!!
誰にも、こんなこと見破られたり、直球でハッキリと指摘された事なんてなかったんだ。」
被された言葉に、ポカンと口を開けてアルベルトを見ると、綺麗な青い瞳が嬉しそうに細められた。
わたしに、心からの嬉しそうな笑顔を向けていた。
「そ、そうですか?それは、良かった・・・です。」
この人、嬉しいとこんなに可愛いらしく笑うんだ・・・。
金色のサラサラの髪と、青い大きな瞳。
整った鼻梁・・・。
白い衣装をこれ程完璧に着こなし、口に手を当てて上品に笑う男。
わたしの目の前にいるのは、完全無欠の王子様だった。
幼い頃から読み聞かせに出てくる、絵本の中の王子様然の優しい微笑み。
「なんだよ、その可笑しな顔・・・。
あはははは!!!やっぱり変な女だ。」
「なによ・・。人の顔見て笑わないでよ!!
お前とか、あんたとか・・。終いには、馬鹿だの・・。
王子様って言ったってねぇ、初対面の人間に対して失礼でしょう!?」
「美月は、王族に対して最初から、今現在まで一貫して不敬だぞ。そこは自覚あるの?」
・・・そんなの、なんとなくあるわよ!!
そこは申し訳ないと思ってるもの。
何も言えずに、頬を膨らます。
「アルベルトと呼べ。「様」はいらん・・。
そんな、名前についでみたいにつけられる心のない、「様」づけは不愉快だ。」
「・・・呼び捨てなんて、更なる不敬でしょう?
私みたいな、一般庶民が王子を呼び捨てなんて・・・。」
「お前は、ルーベリア王国の王子アルベルト殿下の娘だ。王女と同じ存在だぞ?
この世界で暮らしていたなら、幼馴染にでもなってたかもしれないな。
僕はこんな風に誰かに自分を見透かされるのが、嫌だった。
だけど・・。本当は何処かで、そんな人物との出会いを・・待っていたのかもしれない。」
「・・・辞めてください!!私は別に・・・。
そんなつもりで言ったんじゃ・・。」
何故か、胸の鼓動が速く打ちだす。
そんな顔で私を見ないで!!
不安で瞳が揺れた。
バルコニーを出て、大きな舞踏会上まで続くドアの取っ手を握りしめた私の手をアルベルトが上から掴んだ。
「待ってくれ・・・。まだ、行かないで。」
私の手より大きく筋ばった手が重なり、カッと頬に熱が灯る。
触れられればすぐに気絶する筈だった。
アルベルトの接触には、いつもの耳鳴りから、遠くなる意識消失の予知は感じられない・・。
何故なの?
私のすぐ側にある吐息と、その人物からはクラッとするようなオリエンタルで甘い香りがした。
媚薬のように、心地よく色香のある香り。
深紅のドレスの大きく開いた背中に、大きな男性の体の厚みが全く違う体躯を感じて不安になる。
見上げた、アルベルトの美しいブルーサファイアの瞳から目が離せなかった。
周りの時は流れているのに、私たちはそこから動けなかった。
ただ揺れる、互いの瞳を見つめていた。
正面の大噴水の水音も、庭園のライトアップの光も・・。
舞踏会上のざわめきも・・・。
全てが、視覚や聴覚が捉えているのに、時が止まったように私たちは2人になった。
耳まで熱を感じて私の顔が湯気が出るように熱かった。
自分の心臓が聞こえるような、逸(はや)る鼓動が聞こえるような・・・。
そんな時だった。
「キャアァァアアアア・・・!!!!」
舞踏会場の中から大きな叫び声と、怒号が聞こえて耳を疑う。
隔てられた窓の景色の先には、大きな光が何度も点滅するように現れ人々が逃げ惑う光景に眉根を寄せた。
「・・・なんだ!?今のは一体!?」
「とにかく、行きましょう!!何かが起きているようです!!」
アルベルトと美月は、瞳を見合わせて共に頷いた。
アルベルトは、私の手を取り中へと続く窓を開け放った。
目の前には、信じられない光景が広がっていた・・・。
アルベルト様にも触れられるんですけど。
こう・・。なんですかね!?
さっきの方には、男らしさと美しさは感じたんですけど触れるなんて。
・・とにかく、私も自分で驚いてます!!」
あのローストビーフのよそい方も上手だったし、ダンスも紳士的で羽が生えたように軽くて楽しかった・・・。
疲れ果てて次のダンスを辞退すると、私を誰もいないバルコニーの前まで親切に送ってくれたけど・・。
家族以外の男性と、あんな風に接したのはいつぶりなんだろう。
赤紫の瞳と、銀色の髪は人間よりも、神がかっていて・・。
生きている心地がしないくらい、半端なくドキドキした。
今日は、朝寝坊から始まって、異世界転移して、唇泥棒(アルベルト)にぶつかって・・。
クレイドル様に触れられ気絶からの・・。
女性より綺麗な美形男子からのダンスの誘い・・。
大変だったなぁ・・。
今日一日、不整脈過多に違いないわ!!
・・・ふう。
ため息をつくと、苛立った顔のアルベルトが冷たい目で私を見下ろしていた。
眉を引き攣らせた顔のアルベルトを確認した私は、非常に足のつま先から全身を駆け抜ける程の寒気がした。
「お前なぁ!!人の婚約者がいない事を心配しておいて、自分は何やってんだよ?
ローストビーフに釣られて、ダンスってなんだ!?
何処のお子様なのだ!?
・・・僕には、男を感じなかったって言い放ったのに・・。なんでさっきの奴は違うんだよ!!
美月の思考回路が、意味不明。
・・・理解不能のお手上げだ!!!」
「あーーっ!!!今、心を読んだでしょう?
お子様って何よっ。
似非王子こそ・・。
思ってもいないセリフのオンパレード、あれ、止めなさいよ!?
詐欺師の妄言を信じて、目を潤ませていた令嬢たちが可哀想よ!!
それにね、読めるから・・・。大変なこともあるだろうけど、嘘ついて彼女たちと接してるなら
貴方だって同じことしてるじゃない!!本当の自分で勝負しなさいよ!!!」
グッと言葉に詰まったアルベルトが、私から瞳を反らした。
窓の内側からは、美しい管弦楽のメロディーが流れ、招待客たちの笑い声が聞こえてくる。
一方、この場所は、静寂に包まれていた。
しまった!!
今のは言い過ぎた・・・。
私だって、自分に嘘をついたり、勝手に妥協して、諦めてきた部分があったのに。
他人ばかりを非難するのはフェアじゃない。
「ごめんなさい・・。私・・・。」
「・・・いや、いいんだ!!
確かに・・、お前の言うことも一理ある。自分だけ被害者面をしている所もあった。
言ってくれなかったら、盲目的に誰かのせいにしたままだった・・・。」
「ううん。私だってそうなのに・・・。
傷つくのが嫌で、色々なことを諦めてたり、勝手に言い訳して折り合いをつけて生きて来たわ。
貴方のことだけ、責めれない。
今日会ったばかりの私が貴方を理解することなんか出来ないのに、偉そうな事を言って、ごめんなさい・・・。」
銀色の月をバックに、見つめあった私達は互いの瞳を見つめた。
「あんた・・。やっぱり馬鹿だな。」
「・・・は?」
素直に謝罪している人間に、鬼の首取ったように馬鹿ですと!?
傷口に塩塗らんといてください!!
「なんですか!?心から謝罪している人物に向かって、馬鹿って言う方がば・・。」
「違う・・!!今日会ったばかりなのに、お前に言われた言葉・・・。
・・・嬉しい言葉ばかりだった!!
誰にも、こんなこと見破られたり、直球でハッキリと指摘された事なんてなかったんだ。」
被された言葉に、ポカンと口を開けてアルベルトを見ると、綺麗な青い瞳が嬉しそうに細められた。
わたしに、心からの嬉しそうな笑顔を向けていた。
「そ、そうですか?それは、良かった・・・です。」
この人、嬉しいとこんなに可愛いらしく笑うんだ・・・。
金色のサラサラの髪と、青い大きな瞳。
整った鼻梁・・・。
白い衣装をこれ程完璧に着こなし、口に手を当てて上品に笑う男。
わたしの目の前にいるのは、完全無欠の王子様だった。
幼い頃から読み聞かせに出てくる、絵本の中の王子様然の優しい微笑み。
「なんだよ、その可笑しな顔・・・。
あはははは!!!やっぱり変な女だ。」
「なによ・・。人の顔見て笑わないでよ!!
お前とか、あんたとか・・。終いには、馬鹿だの・・。
王子様って言ったってねぇ、初対面の人間に対して失礼でしょう!?」
「美月は、王族に対して最初から、今現在まで一貫して不敬だぞ。そこは自覚あるの?」
・・・そんなの、なんとなくあるわよ!!
そこは申し訳ないと思ってるもの。
何も言えずに、頬を膨らます。
「アルベルトと呼べ。「様」はいらん・・。
そんな、名前についでみたいにつけられる心のない、「様」づけは不愉快だ。」
「・・・呼び捨てなんて、更なる不敬でしょう?
私みたいな、一般庶民が王子を呼び捨てなんて・・・。」
「お前は、ルーベリア王国の王子アルベルト殿下の娘だ。王女と同じ存在だぞ?
この世界で暮らしていたなら、幼馴染にでもなってたかもしれないな。
僕はこんな風に誰かに自分を見透かされるのが、嫌だった。
だけど・・。本当は何処かで、そんな人物との出会いを・・待っていたのかもしれない。」
「・・・辞めてください!!私は別に・・・。
そんなつもりで言ったんじゃ・・。」
何故か、胸の鼓動が速く打ちだす。
そんな顔で私を見ないで!!
不安で瞳が揺れた。
バルコニーを出て、大きな舞踏会上まで続くドアの取っ手を握りしめた私の手をアルベルトが上から掴んだ。
「待ってくれ・・・。まだ、行かないで。」
私の手より大きく筋ばった手が重なり、カッと頬に熱が灯る。
触れられればすぐに気絶する筈だった。
アルベルトの接触には、いつもの耳鳴りから、遠くなる意識消失の予知は感じられない・・。
何故なの?
私のすぐ側にある吐息と、その人物からはクラッとするようなオリエンタルで甘い香りがした。
媚薬のように、心地よく色香のある香り。
深紅のドレスの大きく開いた背中に、大きな男性の体の厚みが全く違う体躯を感じて不安になる。
見上げた、アルベルトの美しいブルーサファイアの瞳から目が離せなかった。
周りの時は流れているのに、私たちはそこから動けなかった。
ただ揺れる、互いの瞳を見つめていた。
正面の大噴水の水音も、庭園のライトアップの光も・・。
舞踏会上のざわめきも・・・。
全てが、視覚や聴覚が捉えているのに、時が止まったように私たちは2人になった。
耳まで熱を感じて私の顔が湯気が出るように熱かった。
自分の心臓が聞こえるような、逸(はや)る鼓動が聞こえるような・・・。
そんな時だった。
「キャアァァアアアア・・・!!!!」
舞踏会場の中から大きな叫び声と、怒号が聞こえて耳を疑う。
隔てられた窓の景色の先には、大きな光が何度も点滅するように現れ人々が逃げ惑う光景に眉根を寄せた。
「・・・なんだ!?今のは一体!?」
「とにかく、行きましょう!!何かが起きているようです!!」
アルベルトと美月は、瞳を見合わせて共に頷いた。
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